医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
地域に根ざした歯科医療と未来へのビジョン
つのだデンタルケアクリニック
院長 角田 智之
つのだデンタルケアクリニックは、地域に根ざした予防歯科と舌痛症診療に力を入れる歯科医院です。院長の角田智之先生は、大学病院での豊富な経験を経て、地域の方々に安心と信頼の医療を届けたいという思いから開業されました。診療では「患者さんとのコミュニケーション」を何よりも大切にし、一人ひとりに寄り添った丁寧なケアを心がけています。今回は、歯科医師を志したきっかけから、開業に至るまでの歩み、そして今後の展望について伺いました。
—まず、角田先生が歯科医師を目指されたきっかけをお聞かせいただけますか?
実家が歯科医院だったのが大きな理由です。兄は歯科医師、姉は薬剤師という環境でしたので、自分も自然と医療系に進むことを意識していました。もともとはエンジニア志望で理工系を考えたこともありましたが、物理や数学が苦手で、最終的に医療の道を選びました。
—その後、大学病院で13年間勤務された後に開業されていますね。経緯を教えてください。
大学に長く在籍していましたが、席に限りがあり、いつまでも残れるわけではありませんでした。学ばせてもらったことを地域に還元したいという気持ちが強くなり、開業に至りました。地域医療に貢献することが自分の使命だと感じています。
—診療で特に意識されていることはありますか?
コミュニケーションを最も重視しています。患者さんの声をよく聞き、不安を和らげることを心がけています。特にお子さんの場合、初めての歯科医院は怖いという印象を持ちがちですので、安心してもらえるように丁寧に対応しています。
—先生の専門分野についても教えてください。
予防歯科と口腔外科、そして舌痛症の診療です。予防を軸にしつつ、まだ十分に情報が届いていない舌痛症への対応にも力を入れています。
—クリニック経営での展望や夢をお聞かせください。
予防と舌痛症診療を通じて、スタッフ全員の物心両面の幸せを追求したいと考えています。そして一人でも多くの患者さんに予防の価値を伝え、社会全体に広げていくことが目標です。舌痛症で悩む方はまだ多いため、情報発信も続けたいと思っています。
—開業から現在までで、特に苦労されたことはありますか?
予防歯科を軸とするために移転した際、患者数が大きく減ってしまったことです。当時は「予防」という考え方が浸透しておらず、応急処置後に予防を説明しても「そんなことしてたら潰れるぞ」と言われることもありました。説明に時間をかける方針についていけず、スタッフが辞めてしまうこともあり、本当に苦しい時期でした。
—それでも続けられたのですね。
はい。諦めずに続けたことで、今では予防目的で通院してくださる患者さんが多く、定期メンテナンスの予約で先まで埋まるようになりました。
—最後に、これから歯科医師を目指す方へメッセージをお願いします。
技術や知識は後から身につけられますが、コミュニケーションはそうではありません。人間関係を大切にすることが何よりも重要です。スタッフがいなければクリニックは成り立ちませんし、その関係性は家族や友人にもつながります。人との関わりを大切にすることが、最終的には患者さんとの信頼関係につながると思います。
Profile
院長 角田 智之
つのだデンタルケアクリニック院長・角田智之。実家が歯科医院という環境で育ち、大学病院で13年間にわたり臨床と研究に従事。予防歯科と舌痛症診療を専門に、地域医療に貢献したいとの思いから開業。診療では患者とのコミュニケーションを重視し、特に子どもや初診の方が安心できる環境づくりに力を注ぐ。現在は、予防の大切さを広める活動を続けながら、スタッフとともに患者と地域の幸せを追求している。