こころに寄り添い続ける医療を–こころサポートクリニック 平山 貴敏 院長インタビュー
2025.10.29
則本先生が大切にする「自然さ」と「夢を持たない」という哲学
CHINOWA CLINIC
院長 則本 翔
目元を中心とした若返り治療で注目を集める「CHINOWA CLINIC(シノワクリニック)」。その中心に立つのが、院長の則本翔先生です。開業に至るまでの経緯や、独自の経営哲学、そして医師として大切にしている信念について伺いました。率直で飾らない言葉の中に垣間見えるのは、患者様に寄り添いながらも常に前を向き、成長を続ける姿勢です。現状に満足せず挑戦を続けるその姿は、同じ医療従事者はもちろん、これから開業を目指す方や経営者にとっても大きな示唆となるでしょう。
—さっそくですが、医師を志されたきっかけについてお聞かせいただけますか?
最初から強い志があったわけではなく、振り返れば自然な流れの中で医師の道に進んでいました。高校生の頃、親から医学部受験を勧められたことが大きなきっかけですが、結果的にその選択が今の自分につながっていると感じています。
—ご自身の意思というより、ご家族の影響が大きかったのですね。
確かに親の勧めは大きな要素でした。ただ、もともと美容師やメイクアップ、ファッションといった美容の分野に強い関心がありましたので、医学を学んだ後に美容医療を選んだことは、ごく自然な流れでした。医師としての知識と、美容への関心が重なり合って、今の専門領域にたどり着いたと思っています。
—先生の専門領域と、診療で大切にしていることを教えてください。
専門は、目元を中心とした若返り治療です。患者様は40代以降の方が多いですね。大切にしているのは「自然さ」です。昔の自分を思い出せるような、自然な仕上がりを目指しています。施術後、笑顔で経過を見せに来てくださる時が、私たちにとって一番の喜びです。
—経営理念についてもお聞かせください。
理念は「All For You」です。患者様はもちろん、スタッフ同士もお互いを思いやるという意味を込めています。自分たちが満たされて初めて、他人を幸せにできると考えているんです。自分たちが幸せであることが、患者様や環境に良い循環を生むと信じています。
—スタッフが満たされるために、具体的にどのような取り組みをされていますか?
一般的な福利厚生はもちろんですが、美容クリニックならではの特典もあります。たとえば、施術を社員価格で受けられる制度です。原価に近い価格で自分自身も綺麗になれるのは、大きな魅力だと思います。他にも、誕生日には施術をプレゼントしたり、売上目標を達成した際には社員旅行やインセンティブを用意しています。
—スタッフの満足度がとても高そうですね。離職率はいかがでしょうか?
開業して7〜8ヶ月ほどですが、正社員の離職はまだ一人もいません。
—今後のクリニックのビジョンについて教えてください。
実は、私はあまりビジョンを描かないタイプです。目標を掲げると疲れてしまうので、目の前のことを全力でやり、その結果として皆が楽しく幸せでいられれば十分だと考えています。ただし、組織には目標が必要なので、具体的な数字よりもスタッフがワクワクできるような「楽しみ」を用意することを大切にしています。
—ご自身の「夢」についても教えてください。
私のポリシーは「夢を持たない」ことです。夢や目標を持つと、そこに縛られて面白さが失われる気がするんです。達成した時の喪失感も味わいたくありません。その時々で楽しいと感じる方向に向かって走り、気づけば楽しい場所にいる。それが、私にとっての夢かもしれません。
—開業を目指す医師にとって「やった方が良いこと」は何でしょうか?
とにかくSNSを徹底的に活用することです。保険診療でも自由診療でも、今の時代はSNSの発信力が全てだと思います。
—逆に「やらない方が良いこと」はありますか?
リスクを考えすぎないことですね。もちろん計画は必要ですが、恐れすぎて動けなくなるのは非常にもったいないことです。
—最後に、成功の秘訣についてメッセージをお願いします。
まず、自分のリーダーシップのタイプを理解することです。ひとつは、カリスマ性で引っ張る「ワンマンリーダー」。もうひとつは、細かい部分まで把握する「細心リーダー」。私は前者ですが、細かい部分はシステムやスタッフに任せています。自分のタイプを誤解して行動すると、組織は崩壊します。客観的に自分を理解し、そこから組織づくりに取り組むことが成功の鍵だと思います。
Profile
院長 則本 翔
則本翔先生は2013年に東海大学医学部を卒業後、同大学病院にて形成外科・皮膚科を中心に研鑽を積み、美容外科医として必要な臨床経験と技術を習得されました。2016年に湘南美容クリニックへ入職し、翌年には町田院の院長、2019年には東京エリア統括ドクター、2020年には銀座院院長を歴任。幅広い症例経験とマネジメント力を培ってこられました。2021年にはNEXUS CLINICを設立し、2024年にはCHINOWA CLINICを開院。常に「自然な美しさ」を大切にし、患者様に寄り添う美容医療を追求し続けています。