Interviewインタビュー

「胃がん・大腸がんで苦しむ人をなくしたい」 未来を見据えたクリニック運営への熱意

千里丘内視鏡クリニック

院長 松村 晋矢

「胃がんと大腸がんで苦しむ人がいない未来を創る」というミッションを掲げ、2025年8月に大阪府摂津市に開院した千里丘内視鏡クリニック。松村晋矢院長は、消化器内科医として長年の経験を積み、特に内視鏡検査においては高い技術と安全性を追求されています。クリニックの場所選びから、未来を見据えた経営戦略、そしてスタッフへの想いに至るまで、そのすべてに一貫して「未来志向」の考え方が貫かれています。今回は、松村院長に開業の経緯やクリニックの運営にかける熱い想いを伺いました。内視鏡検査へのハードルを下げ、働き盛りの世代や子育て世代にも積極的に検査を受けてもらうための取り組みは、地域医療における新たな希望となるでしょう。千里丘内視鏡クリニックが目指す、患者さんにとって「負担が少なく、質の高い」医療の形に迫ります。

未来志向の医療で安心を提供–千里丘内視鏡クリニック 松村 晋矢 院長インタビュー

開業の動機と「未来志向」の経営理念

クリニックを開院されたのはいつで、どのようなミッションを掲げられていますか?

当クリニックは、2025年の8月に開院いたしました。「胃がんと大腸がんで苦しむ人がいない未来を創る」というミッションを掲げています。

そのミッション達成のために、特にどのような患者さんに検査を受けてもらいたいとお考えですか?

特に働き盛りの世代や子育てをしている方など、一見すると検査を受けなさそうな層にこそ、質の高い内視鏡検査を受けていただきたいと考えています。これまで診てきた中で、忙しさや「まだ大丈夫」という思いから検査を遅らせ、手遅れになってしまう患者さんを多く見てきたからです。

開業地として、千里丘駅直結のこの場所を選ばれた最大の理由は何でしょうか?

鎮静剤を使った内視鏡検査を多くの方に受けてもらうため、車での来院が向かないという点から、駅に近い場所が絶対条件でした。ここは駅直結で、まさに私がやりたい内視鏡の形に適していると考え、この場所での開業を決めました。

効率と安全性を高めるクリニックの設備戦略

鎮静剤を使った内視鏡検査を推進される上で、患者さんの負担を軽減するために工夫されていることはありますか?

当クリニックでは、患者さんの身体的な負担だけでなく、来院に関する心理的な負担も減らすことを目指しています。例えば、内視鏡検査を楽に受けていただくための鎮静剤の使用や、来院回数を極力減らせるような診療体制、そして後ほどお話しするAIを活用した業務効率化などでハードルを下げています。

開業準備の際、導入して良かったと感じる設備はありますか?

はい、完全キャッシュレス決済の導入を決めたことです。これにより、高額な釣り銭機やレジなどの現金管理設備が不要になりました。結果的に初期投資を抑え、現金を扱う手間や衛生面の問題も解決できました。これは未来志向のDXとしても重要だと考えています。

内視鏡検査の質の維持・向上という点で、院長が特にこだわられた点はありますか?

やはり、高い安全性と質の高さを両立することです。私自身、これまで多くの総合病院や大学病院で内視鏡検査を経験してきましたが、その技術とノウハウを活かし、患者さんに安心・安全で、苦痛の少ない検査を提供することを最も重視しています。

開院直後のリアルな現状と喜び

開業されてからの約3ヶ月で、最も苦労された点と、逆に嬉しかった瞬間をお聞かせください。

苦労したのは、駅前の再開発の影響もあり、近隣の方以外には当院の認知度がなかなか進まないという点です。しかし、来院してくださった患者さんから「楽だった」「来てよかった」という感想をいただけること、そして口コミでご家族やご友人が来院してくださる輪が広がっていることが、非常に嬉しいですね。

スタッフの採用と教育において、特に大切にされている考え方はありますか?

私自身が目指す「未来志向」の実現のため、スタッフには「常に未来志向でいよう」という共通認識を持ってもらっています。また、少子化という未来を見据え、子育て中のスタッフが働きやすい環境を整えることを重視しています。

その子育て中のスタッフの方々との間で、どのようなチームワークを築いていますか?

子育てをしている方が多いので、例えばお子さんが急に熱を出した時などには、お互いに協力して代わりに出勤し合うといった、相互扶助のスタンスで協力し合える環境を整えています。スタッフが仕事を楽しんでくれていることが、経営者として最も嬉しく、安心できることです。

開業成功への秘訣とAI活用の具体策

これから開業を目指す先生方に向けて、開業前に「これは絶対にやっておくべき」というアドバイスはありますか?

私が最も役立ったと感じるのは、ChatGPTなどの生成AIとの「壁打ち」です。開業の準備から戦略構築まで、AIと徹底的に議論することで、情報提供業者からの高額な「情報サービス」などがほとんど不要になりました。情報収集や初期の戦略作りにおいて、AIの活用は強力な武器になります。

AI活用に関して、クリニックのウェブ戦略を強化するために、今後どのような対策が重要になると思われますか?

これからは、Google検索などで生成AIが回答を出す「AIオーバービュー」に引用されることが重要になってきます。そのため、ウェブサイトのコンテンツを「結論ベース」で記述することや、FAQ(よくある質問)ページを設け、専門性の高い用語の解説ページを充実させることが、AIに引用されやすくなる対策として必要です。

最後に、松村院長ご自身の今後の夢や目標についてお聞かせください。

個人的な夢としては、70歳になっても、楽しく仕事(医療)をしていたいという思いがあります。そこから逆算して、今からできることを一つずつ実現し、「胃がんと大腸がんで苦しむ人がいない未来」を創るというミッションを達成したいと考えています。

Profile

院長 松村 晋矢

千里丘内視鏡クリニック院長の松村 晋矢先生は、2011年3月に島根大学医学部医学科を卒業後、松江赤十字病院での初期研修を経て、京都第一赤十字病院 消化器内科、京都府立医科大学附属病院 消化器内科にて経験を積まれます。その後、2021年4月からは京都中部総合医療センター 消化器内科 医長として、消化器内視鏡の分野で多くの症例を担当されました。長年培った高度な内視鏡技術を活かし、「胃がんと大腸がんで苦しむ人がいない未来を創る」という強い信念のもと、地域の方が安心して検査を受けられるよう千里丘内視鏡クリニックを開院されました。患者さんの負担を軽減し、質の高い検査を提供することで、早期発見・早期治療に貢献されています。

会社情報

医院名

千里丘内視鏡クリニック

設立

2025年