こころに寄り添い続ける医療を–こころサポートクリニック 平山 貴敏 院長インタビュー
2025.10.29
沖縄の耳鼻咽喉科難民を救う!くくるの森みみはなのどクリニック院長の挑戦と優しさの秘密
くくるの森みみはなのどクリニック
院長 吉田 真也
沖縄県宜野湾市嘉数に2025年開院した「くくるの森みみはなのどクリニック」は、地域の子どもたちとその家族にとって、頼れる医療の灯台となっています。開院からわずか1ヶ月で、多くの患者さんに支持される理由は何でしょうか。それは、院長である吉田真也先生の地域医療への強いコミットメントと、患者さん一人ひとりに寄り添う温かい姿勢にあります。吉田先生は、なぜ遠く離れた沖縄で開業を決意し、どのような想いで日々の診療にあたっているのでしょうか。そして、先生の目指す未来のクリニック像とは。この記事では、吉田先生の医師を志したきっかけから開業に至るまでの道のり、そしてクリニックの運営哲学に迫ります。
—医師を目指された、原点となるきっかけについて教えてください。
私は福井県の山間部の村で育ちました。当時は内科のクリニックが1~2軒しかないような過疎地域で、風邪や怪我の際には、必ずそこのかかりつけの先生のところへ行っていました。地域で頼られる先生の姿を見て、「いつか自分も医師になりたい」と、子どもの頃から強く憧れていました。
—ご自身の専門分野について教えていただけますでしょうか?
大学時代は金沢大学の耳鼻咽喉科・頭頸部外科に在籍し、主に頭頸部腫瘍の教室で、中耳炎の研究などをしていました。ただ、大学や総合病院での勤務を通じて、特定の臓器だけを診るわけではなく、耳鼻咽喉科全般の診療を幅広く行ってきました。
—沖縄県で開業を決意された、一番の理由は何でしょうか?
沖縄県に来るまで医療事情を全く知らなかったのですが、実際に勤務すると、子どもの患者さんが非常に多く、かつ「風邪をひいたら内科ではなく耳鼻咽喉科へ行く」という県民性があるため、耳鼻咽喉科がかなり混雑しているという現状を知りました。予約が取れず困っている「耳鼻咽喉科難民」のようなお子さんやご家族の助けになりたいという強い思いから、開業を決めました。
—先生が日々の診療で特に大切にされていることは何でしょうか?
当院の経営理念でもありますが、「患者さんが言えない一歩先のことを考えて診療する」ということです。耳鼻咽喉科の診療は流れ作業的になりがちですが、そうではなく、患者さんの思いをしっかりとお聞きし、不安を取り除いた上で、先回りした対応をすること。これは私だけでなく、スタッフ全員に徹底してもらっています。
—開業されてから、どのような時に医師としての喜びを感じられますか?
総合病院時代は成人の患者さんがメインでしたが、今は患者さんの6割から8割がお子さんです。当初からの「子どもの診療をしたい」という思いが実現し、子どもたちの診察ができることに大きな幸せを感じています。また、適切な治療でしっかり治り、患者さんやご家族が喜んでくれるのも大きなやりがいです。
—開業されてから、特に苦労されたエピソードがあればお聞かせください。
開院当初から予想を上回る患者さんにご来院いただき、おかげさまで大変ありがたいのですが、順番予約システムがまだ地域の方に浸透しきれていないこともあり、時間帯によっては患者さんが一度に集中し、待合室が満席になってしまったことです。待ち時間をできる限り減らすことが、今の最大の課題だと感じています。
—院長という経営者として、スタッフ採用などで大切にされているポリシーは何でしょうか?
能力や経歴は二の次で、最も重視しているのはその人の人柄や道徳心です。人柄の良いスタッフが集まることで、患者さんにとっても、働く私たちにとっても良いクリニックになると考えています。
—2~3年後のクリニックのビジョンについて教えてください。
今は私自身が事務作業も兼任しているため、どうしても診療に時間がかかってしまい、お一人にかけられる時間に限りが出てしまっています。今後は事務作業を担うスタッフを増やし、私が患者さんと向き合う時間を最大限に確保できるようにしたいです。診療の質を落とさずに、より多くの患者さんを診て、待ち時間のない診療を目指したいです。
—先生の個人的な夢や目標があれば教えてください。
現役の間は地域医療に貢献するため、全力で診療に取り組むつもりです。そして、将来的に引退したら、1年くらいかけてゆっくりと船で世界一周の旅をしたいという夢があります。多忙だった人生の後半は、穏やかな時間を過ごしたいですね。
—これから開業を目指す同業の先生方へ、特に伝えておきたいメッセージは何でしょうか?
開業準備におけるコンサルタントや内装関係の業者さんの選定は、非常に重要で、最初のスタートで間違えると後々ずっと大変になるので、ものすごく慎重に行った方が良いです。
—業者さん選びで失敗しないためのポイントはありますか?
特に、報連相(報告・連絡・相談)がしっかりできる、信頼できる業者さんを選ぶことです。私の場合は、私が考える一歩先、二歩先までちゃんと考えて、色々と手配をしてくださる素晴らしい業者さんに出会えたので、本当に助けられました。
—開業前の忙しい時期を乗り越えるためのアドバイスがあればお願いします。
開業前の1ヶ月間は想像を絶する忙しさになりますが、開業して1ヶ月くらい経つとだいぶ落ち着いてくるので、この2ヶ月間を頑張り抜けば大丈夫です。最初の苦労を乗り越えれば、理想とする診療環境が待っています。
Profile
院長 吉田 真也
吉田真也先生は、沖縄県宜野湾市にある「くくるの森みみはなのどクリニック」の院長です。福井県のご出身で、2008年に金沢大学医学部を卒業後、福井県立病院での臨床研修を経て、2010年より金沢大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科に所属されました。2014年には石川県立中央病院 耳鼻咽喉科で研鑽を積み、2016年には金沢大学医学部 博士課程を卒業されています。その後、本土での総合病院勤務を経て、2022年に沖縄の沖縄の南部徳洲会病院 耳鼻咽喉科へと赴任。そして、地域医療への貢献という強い思いから、2025年に「くくるの森みみはなのどクリニック」を開院されました。大学時代は頭頸部腫瘍を専門とされていましたが、総合病院での勤務を通じて、耳鼻咽喉科全般の診療に幅広く対応されています。特に、開業のきっかけとなった沖縄の「耳鼻咽喉科難民」を減らしたいという熱い志のもと、今では多くのお子さんの診療に尽力されています。