Interviewインタビュー

「コンビニ感覚で、気軽に」 松永和大院長が語る、苦痛を乗り越える内視鏡検査と地域貢献の夢

まつなが内視鏡・消化器内科クリニック

院長 松永 和大

本日ご紹介するのは、石川県金沢市にある「まつなが内視鏡・消化器内科クリニック」の院長、松永和大先生です。2025年11月に開院されたばかりの新しいクリニックですが、松永先生は、長年にわたり消化器内科医としてご活躍されてきました。特に、大腸カメラなどの内視鏡検査に対し、「苦しくてつらい」というイメージを持つ患者様の心理的なハードルを下げることに強い情熱を持たれています。 医師を志された原点から、開業に至るまでの道のり、そして地域医療における「楽に受けられる検査」への強いこだわり、さらには未来の医療に向けた夢まで、松永和大院長にじっくりとお話を伺いました。地域への深い貢献を目指す松永先生の、誠実で情熱的なお考えに迫ります。

「楽に受けられる内視鏡検査」が、地域医療への貢献に繋がる–まつなが内視鏡・消化器内科クリニック 松永 和大 院長インタビュー

医師としての原点--困難な経験から生まれた患者様への想い

さっそくですが、医師を志された最も大きなきっかけを教えてください。

私は子供の頃、小児ぜんそくで病院に通院していました。当時の病院での経験が、医師を志す大きなきっかけとなりました。

幼少期の闘病の経験が、原点にあるのですね。特に心に残っている出来事はありますか?

当時の病院では、診察の際に親とだけで話が進み、子どもである私と直接話をしてくれる先生が少なかったのです。注射(点滴)の際も、ただ黙って刺されるだけで、すごく嫌でした。そんな中、救急で運ばれた際に、小さなクリニックの先生が私と真摯に話し、大丈夫だよと声をかけてくれたことに感動し、患者と真剣に向き合う医師になりたいと思いました。

その思いは、現在の診療にも繋がっていますか?

はい。小児科医の夢は叶いませんでしたが、その経験から、患者様に寄り添い、不安や痛みを和らげる医療を提供することこそが、私にとって最も大切なことだと考えています。

開業への決意--地域医療の課題解決を目指して

勤務医としてご活躍される中で、開業医になろうと考えたきっかけは何ですか?

消化器内科医として内視鏡検査に携わる中で、大腸カメラを苦しいイメージで敬遠している患者様が非常に多いという現実を知ったことです。症状があっても検査を受けずに、がんが進行してしまうケースを多く見てきました。

大腸がんの早期発見・早期治療において、内視鏡検査のハードルを下げることは重要ですね。

その通りです。「大腸カメラは苦しい」という噂や、過去のつらい経験がトラウマになり、長い方であれば1年間ちかくも検査を我慢している方がいるのです。治療する側も重要ですが、検査を気軽に受けてもらい、早期発見に繋げることも、地域医療にとって非常に大切だと考えました。

まさに、苦痛のない検査を提供することが、松永先生の地域貢献なのですね。

はい。当クリニックで「楽に受けられる検査」を提供することで、検査を躊躇していた方々にも気軽に受診してもらい、がんの早期発見・早期治療に貢献することが、私の使命だと感じています。

クリニック運営--患者様に寄り添うための工夫とDX化

開業されたばかりとのことですが、人材採用は順調でしたか?

はい。11月に開院したばかりですが、オープニングスタッフは多くの方に応募いただき、採用で苦労することはありませんでした。今後は継続的な人材の確保と教育が課題になると考えています。

緊張して来院される患者様が多い中で、スタッフの皆様にはどのような点を意識して教育されていますか?

当クリニックの内視鏡検査は、患者様の不安や緊張が非常に強い状態で来られる方が多いです。ですから、受付も看護師も、まずは患者様に寄り添う態度を徹底し、安心感を提供できるような、基本的なことを徹底するよう伝えています。

医療のDX化について、実際に導入されて良かったシステムや工夫があれば教えてください。

はい。開業にあたり、クラウド型電子カルテや自動精算機など、最新のシステムは可能な限り全て導入しました。特にクラウド型電子カルテは使い勝手が良く、また内視鏡検査の精度向上のために、最新の内視鏡機器とAI診断システムも導入しています。患者様にとってプラスになるものは、積極的に取り入れています。

未来へのビジョン--「コンビニ感覚」で受けられる検査を目指して

短期的な2〜3年後のクリニックのビジョンをお聞かせください。

当クリニックの最大の目標は、地域に貢献できる内視鏡クリニックとして確固たる地位を築くことです。大腸カメラなどの検査に対し、「コンビニに行くような感覚で、気軽に受診できる場所」にしたいと考えています。

患者様が気軽に検査を受けられるようになるために、特に重要なことは何だとお考えですか?

検査そのものが「楽である」ことはもちろんですが、それ以外にも、予約のしやすさ、ホームページの分かりやすさ、そしてスタッフが不安な患者様に寄り添う態度など、来院から帰宅までの全てのプロセスにおいて、患者様の負担を軽減することが重要だと考えています。

最後に、内視鏡・消化器内科クリニック以外で実現したい夢はありますか?

長期的には、がんの早期発見だけではなく、残念ながら早期発見のための検査を受けられずにがん終末期を迎えた方々を受け入れられるホスピスのような施設も作りたいという夢を持っています。現在、ホスピスの数は非常に少なく、数ヶ月待ちという状況もあるため、「その日に受け入れ可能なホスピス」のような存在を実現したいと考えています。

Profile

院長 松永 和大

まつなが内視鏡・消化器内科クリニック 院長。松永和大先生は、東京慈恵会医科大学をご卒業後、同大学付属病院の内視鏡科助教として、高度な内視鏡診療に従事されました。その後、石川県立中央病院 消化器内科部長、金沢医科大学病院 消化器内科講師を歴任されるなど、長きにわたり地域の中核病院で消化器医療の発展に尽力されてきました。その豊富な臨床経験と高い技術力に基づき、2025年11月に「まつなが内視鏡・消化器内科クリニック」を開業されました。「苦痛の少ない検査」を通じて、これまで検査を敬遠していた患者様にも気軽に受診してもらい、がんの早期発見・早期治療に繋げたいという、地域医療への熱い思いを持った医師です。

会社情報

医院名

まつなが内視鏡・消化器内科クリニック

設立

2025年