Interviewインタビュー

痛みと不安を取り除き、女性の健康と未来をサポートする【医療法人平治会 SALAレディースクリニック】院長の信念

医療法人平治会 SALAレディースクリニック

院長 桝田 充彦

女性特有のデリケートな悩みに寄り添い、質の高い医療を提供するクリニックは、地域社会にとって不可欠な存在です。今回ご紹介するのは、大阪市阿倍野区西田辺で、患者様の心と身体に優しい診療を追求し続ける医療法人平治会 SALAレディースクリニックです。院長の桝田 充彦先生は、長年の経験と深い知見を持つベテランの産婦人科医でありながら、従来のイメージを覆すような革新的なクリニック運営に情熱を注いでいます。 婦人科という、患者様が特に不安や抵抗感を抱きやすい診療科において、どのようにして「居心地の良い空間」を作り上げ、患者様との信頼関係を築いているのか。そして、一人の医師として、経営者として、どのような理念とビジョンを持って日々の診療に向き合っているのか。桝田院長の医師としての原点から、クリニック開業に至るまでのドラマティックな道のり、そして未来への展望まで、その熱い想いを伺いました。

婦人科診療に新たな風を吹き込む!SALAレディースクリニック 桝田 充彦 院長が語る「患者様のためのクリニック作り」

医師を志した原点と歩み

桝田先生が医師を志された、具体的なきっかけについて教えてください。

私が小学校3年生の時、約8ヶ月ほど入院した経験があります。それまでは電車やバスの運転手になりたいという夢を持っていたのですが、入院中にお世話になった主治医の先生の姿を見て、幼心に「将来、自分も医師の仕事をしたい」と強く思うようになりました。代々医師の家系ではありませんでしたが、その時の経験が私の進路を決める大きな転機となりました。

桝田先生の考える、理想的なクリニックスタッフの条件があればお聞かせください。

当院のスタッフは、私にとって家族のような存在だと考えています。開業以来11年になりますが、初期からいるスタッフもおります。採用の際は、私が必ず面接に同席し、人物を見ています。ありがたいことに、家庭の事情などで退職する方はいても、人間関係のトラブルや不満で辞めていった人は一人もいません。これは、スタッフ一人ひとりが努力し、知識と技術を身につけた上で、院長である私に頼らず、自分たちで考えて乗り切っていける自律性とチームワークを持っているからだと自負しています。互いに切磋琢磨し、仲良く楽しく仕事をしてくれている、私の誇れるスタッフたちです。

クリニック開業の経緯と理念

医師としてのキャリアをスタートされた後、婦人科クリニックを開業されるに至った経緯をお聞かせください。

奈良県立医科大学を卒業し、産婦人科教室に入局した後、最初の指導医の先生に「将来一緒に仕事がしたい」と伝え、3年間修行させていただきました。その後、10年以上の経験を積んだ後、その恩師が大阪の阿倍野区で院長として勤務されていた医療施設に、2人目の医師として加わることになりました。そこでは分娩や手術を多く行っていましたが、突然恩師が亡くなり、私一人では全ての業務を継続することが不可能となりました。そんな中、大学時代の医局長先生(現平治会理事長)から、阿倍野区での新規開業クリニックの院長として誘いを受けました。10年間阿倍野区で培った経験を活かせるこの機会をいただき、現在のSALAレディースクリニックの院長に就任しました。

クリニックを運営される上での、最も大切にされている経営理念は何でしょうか?

最も大切にしているのは、患者様にとっての「居心地の良い空間づくり」です。婦人科の受診は、患者様にとって最も見せたくない部分を見せに来る場所であり、痛みや恐怖心から受診を我慢してしまう傾向があります。私は、患者様が敷居を下げて、症状がなくてもふらりと立ち寄れるような、美容院やサロンのような雰囲気のクリニックを作りたいと考えています。そうすることで、病気が進行する前に予防的な診療や早期発見ができる機会を増やしたいのです。

診療の場面において、特に注意されていることは何ですか?

診察においては「痛くない、怖くない」ということを徹底的に心がけています。また、診察後、患者様が帰宅される際には「何かあったらまた来てください」という曖昧な言葉は使いません。そうではなく、「○○という目的で、いついつまでに来てください」と、必ず明確な次の来院目的と時期を伝えてお返しするようにしています。これは、患者様ご自身がご自身の健康に責任を持ち、次のステップを明確に把握できるようにするため、非常に重要なことだと考えています。

診療における専門性とこだわり

産婦人科の4つの主要な領域の中で、貴院が専門として注力されているのはどの分野でしょうか?

産婦人科は「分娩」「婦人科腫瘍」「不妊治療」「女性医学」の4分野に分かれますが、以前の病院勤務では分娩と手術が中心でした。しかし、SALAレディースクリニックでは入院・手術設備がないため、現在は一般不妊治療(人工授精まで)と、更年期障害などに対応する女性医学の分野に特化して診療を行っています。これまでのメイン業務とは異なる分野ですが、これを機に一から知識と技術を深めてまいりました。

専門領域を特化される中で、常に意識されていることは何ですか?

当院は、ただ患者数を増やす「ナンバーワン」を目指しているわけではありません。目指すのは「オンリーワン」です。ナンバーワンはいつかその座を譲る時が来ますが、オンリーワンは代わりがいません。患者様にとって「自分以外ではだめだ」と思っていただけるような、独自の価値を提供し続けることが大切だと考えています。そのため、他のクリニックがあまり注力していない分野に力を入れ、差別化を図っています。

治療を通じて、医師として最も喜びや幸せを感じる瞬間はどんな時ですか?

不妊治療をされていた患者様が、無事に妊娠された時や、遠方の病院で手術を受けた患者様が、術後の経過観察で「治りました」と当院に戻ってきてくださる時です。特に、妊娠・出産を終えた患者様が、赤ちゃんを連れて会いに来てくれたり、お礼の手紙をくださったりすることがあります。元気な赤ちゃんを抱いて報告に来てくれるというのは、医師として本当に嬉しい瞬間であり、この仕事の醍醐味だと感じています。

集患・経営に関する課題と展望

現在、クリニックの集患状況と、その中で最もご心配されている課題について教えてください。

現状、診察は常に予約で埋まっている状態です。午前・午後合わせて1日約100人の方が来院されており、予約は1ヶ月先まで埋まることもあります。ありがたいことに、ホームページなどを見て、京都、神戸、和歌山といった他府県からも多くの方が通院してくださっています。しかし、この集患状況が、逆に当日体調が悪くなった患者様を受け入れられないという最大の課題を生んでいます。これ以上、診療時間を増やしたり休診日を無くしたりせずに、いかに多くの希望される患者様を質の高い医療で受け入れるか、という点で非常に悩んでいます。

今後、クリニックのブランドをさらに強化するために、どのような点に期待をされていますか?

当院の診療スタイルや患者様との関係性が、ホームページを通して滲み出て、遠方からも「このクリニックに通いたい」と思っていただけているのだと感じています。今後は、さらに多くの患者様を診ていきたいという想いがある一方で、物理的な限界もあります。そのため、私たちが考える「患者様のための居心地の良い診療」という、オンリーワンのブランドイメージをより高め、多くの患者様から支持され続けるクリニックでありたいです。また、私の趣味であるドラム演奏を通じて、皆様に喜びをお届けする機会も増やしたいと思っています。

Profile

院長 桝田 充彦

医療法人平治会 SALAレディースクリニック院長の桝田 充彦先生は、長きにわたり女性医療の最前線で活躍されてきた経験豊富な医師です。1993年に奈良県立医科大学医学部医学科を卒業後、同大学附属病院の産婦人科研修医としてキャリアをスタート。その後、市立柏原病院での勤務を経て、奈良県立医科大学大学院医学研究科で産科・婦人科・麻酔科・新生児集中治療を深く研修されました。奈良社会保険病院(現JCHO大和郡山病院)産婦人科医長、一般社団法人至誠会産科婦人科副院長を歴任し、奈良県立医科大学の関連病院である平治会が大阪で新しくクリニックを開業するにあたり、その最初のクリニックとして医療法人平治会 SALAレディースクリニックの院長に就任されました。これまでの豊富な周産期医療(出産、手術)の経験を活かしつつ、現在は不妊治療や女性医学といった分野に専門領域を特化。地域に根差した、患者様にとって安心できる「オンリーワン」のクリニックを目指し、日々邁進されています。

会社情報

医院名

医療法人平治会 SALAレディースクリニック

設立

2014年