患者さんと同じ目線で立ち、一生の伴走者へ。アトピースキンケアクリニック 古橋卓也院長が掲げる「伴走型医療」の真意
2026.02.20
子どもと家族に寄り添う医療のカタチ
ぱんだキッズファミリークリニック
院長 底田 辰之
滋賀県守山市のフレンドタウン守山2Fに、2025年12月1日、「ぱんだキッズファミリークリニック」が開院しました。院長の底田辰之先生は、大学病院で小児神経の専門医として最前線の医療に従事してきた一方で、地域に寄り添う温かな医療の重要性を感じ、この地での開業を決められました。 底田先生は3児の父でもあり、親御さんの不安に深く共感する姿勢が印象的です。「丁寧な説明」と「痛みの少ない検査」を軸に、お子さんとご家族がリラックスして通えるクリニックを目指されています。本記事では、底田先生が抱く医師としての原点から、これからの地域医療への想いを4つのテーマに分けてじっくりとお伺いしました。ぱんだキッズファミリークリニックが、守山の地でどのような未来を描いているのか、その情熱に迫ります。
—まず、底田先生が医師を志した最初のきっかけを教えてください。
母が看護師だったこともあり、幼い頃から医療という仕事には漠然とした興味がありました。決定的なきっかけは、従兄弟に障がいを持った子がいたことです。「なぜこの子はみんなと違う生活をしているんだろう」という疑問がずっとあった中で、大学進学の際に医療系の学部を選択することになりました。お恥ずかしいですが、なにか人の役に立つことをしたいと言う気持ちが強い思いとなり、医師になる決意に変わりました。
—なぜ、数ある診療科の中から小児科を選ばれたのでしょうか?
やはり、子どもの成長を長く見守れることに魅力を感じたからです。私は小児神経を専門としてきましたが、そこでは発達の課題を持つお子さんや難病のお子さんと、ご家族が二人三脚で歩まれます。その過程に医師として伴走できることは、何物にも代えがたいやりがいだと感じています。
—今回、大学病院での勤務を経て開業を決意された理由を教えてください。
大学病院で難病治療に携わるのも重要ですが、もっと身近な「町のお医者さん」として、風邪の子どもたちを診たり、お母さん方と日常の相談をしたりする診療の楽しさを大切にしたかったんです。私自身、3人の子を持つ父親でもあります。家族との時間を大切にしながら、地域のパパ・ママと同じ視線で医療を提供したいと考え、開業を決めました。
—診療の際、底田先生が特に大切にしている姿勢は何ですか?
「丁寧な言葉遣い」と「謙虚さ」です。私は患者さん(子ども)のご家族に対して、必ず敬語で接するようにしています。お母さん方が敬語なのに、こちらがタメ口というのはおかしいですよね。対等なパートナーとして、信頼関係を築くことを第一に考えています。
—「不要な薬や検査はしない」という方針を掲げられているのはなぜでしょうか?
子どもの風邪の多くは、本来自分の力で治るものです。不必要な抗生剤や検査は、お子さんの体の負担になることもあります。もちろん、必要な時はしっかり行いますが、そうでない時は「なぜ必要ないのか」を徹底的に説明します。今の医療制度を正しく理解した上で、お子さんにとって最適な選択肢を提案するのがプロの仕事だと思っています。
—親御さんへの「説明」にはかなり時間をかけていらっしゃいますね。
はい。安心感というのは「納得」から生まれるものです。薬を出さない場合でも、その理由を丁寧に話し、お母さんの不安を取り除くことに注力します。大阪のクリニックで働いていた時も、しっかり説明すれば皆さん納得して通ってくださることが分かりました。「ここに来ればちゃんと話を聞いてもらえる」という信頼を積み重ねていきたいですね。
—子どもにとって「病院は怖い場所」というイメージがありますが、工夫されていることはありますか?
どうしても必要でかつ痛みを伴う検査の場合は、どうやれば子どもに身体的、精神的なダメージが少なく済むかをいつも考えています。どうしても本人が嫌がる場合に、医学的な理由だけを優先したくはないので、本人と保護者とよく相談させてもらっています。小さい子どもでも真摯に話をすれば伝わることも多いと実感しています。痛い検査をされたけど、また来てもいいかなと本人に思ってもらえるのが理想です。
—クリニックの雰囲気作りで意識していることは?
子どもたちがリラックスできる空間作りです。診察室に入って5分もすれば、多くの子が置いてあるおもちゃで遊び始めます。そのリラックスした姿を見るのが、私にとっても一番嬉しい瞬間です。威圧感を与えず、子どもが主役になれる場所でありたいと思っています。
—「医師はおこがましい存在であってはならない」という言葉も印象的でした。
手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』にあるセリフで「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは思わないか」というのが出てきます。ブラックジャックは生死に関わる手術をする医師なのでもちろん私とは違うのですが、医師が病気を治しているのではなく、治る力を助けているだけ。だからこそ、子どもたちのパートナーとして横にいたい。そんな想いで、日々診察室に立っています。
—今後、クリニックで新しく挑戦したいことはありますか?
「病児保育」の実現です。働くお父さん、お母さんにとって、子どもが急に熱を出した時の預け先がないことは最大の悩みですよね。滋賀県でもまだ足りていないと感じます。行政との連携など壁はありますが、少しでも子育て世代の助けになれるよう、将来的にはぜひ取り組みたい事業です。
—「ぱんだキッズファミリークリニック」という名前に込めた想いと、今後の展開は?
あえて自分の名前を入れなかったのは、このクリニックを一つのブランドとして地域に広げていきたいからです。駅前に「ぱんだキッズ」があれば安心、と思ってもらえるように。滋賀の主要な駅に展開し、どこに住んでいても同じ質の温かな医療を受けられる環境を作るのが私の夢です。
—最後に、守山市や近隣地域の皆様へメッセージをお願いします。
私はこのクリニックを、単に病気を治す場所ではなく、「家族の笑顔を守る場所」にしたいと思っています。私自身も子育てに奮闘する親の一人です。医療の知識はもちろん、育児の悩みも含めて、何でも気軽に相談してください。地域の皆さんと一緒に、お子さんの健やかな成長を見守っていけることを楽しみにしています。
Profile
院長 底田 辰之
滋賀県守山市の「ぱんだキッズファミリークリニック」で院長を務めておられます。滋賀医科大学を卒業後、同大学附属病院をはじめ、大津赤十字病院、草津総合病院(現 淡海医療センター)、野洲病院、鳥取大学医学部附属病院、守山市民病院(現 済生会守山市民病院)など、数多くの拠点病院で小児神経疾患などの専門的な治療に携わってこられました。 その後、大阪府交野市の医翔会おがわクリニックこどもフロアでの勤務を経て、2025年12月1日に、利便性の高いフレンドタウン守山内にクリニックを開院されました。専門医としての高度な知見と、ご自身も3人のお子さんを育てる父親としての温かな視点を併せ持ち、地域の子育て世帯を多角的にサポートされています。