地域に寄り添い、共に歩む「けやきクリニック」の挑戦–けやきクリニック 伊藤 隼 院長インタビュー
2026.01.15
成城で紡ぐ、女性に寄り添う乳腺医療の形
成城乳腺クリニック
院長 志茂 彩華
東京都世田谷区、成城学園前駅からほど近い場所に位置する「成城乳腺クリニック」。2025年5月に開院した同クリニックを率いるのは、聖マリアンナ医科大学で長年乳腺外科の最前線に立ってきた志茂彩華院長です。 大学病院での高度な治療経験を活かしつつ、「もっと患者さんとゆっくり向き合いたい」という強い思いから開業を決意された志茂先生。乳がん検診の普及から術後のリンパ浮腫ケアまで、女性の生涯に寄り添う医療のあり方についてお話を伺いました。成城乳腺クリニックが、なぜ地域住民だけでなく遠方からも多くの患者さんに支持されるのか、その理由が志茂先生の温かな言葉から紐解かれます。
—先生が医師を志されたきっかけは何だったのでしょうか?
母が看護師をしており、医療が常に身近な環境で育ったことが大きかったと思います。医学部に進み、実際に進路を決める際、女性の生涯に深く関わることができる診療科に惹かれるようになりました。
—数ある診療科の中で、乳腺外科を選ばれた理由を教えてください。
学生時代はそれほど注目していた科ではありませんでしたが、現場に出てみると、乳腺の悩みを持つ女性がいかに多いかを痛感しました。20代から50代という、家族を支え社会で活躍する世代の女性たちが病に直面する場面を多く見て、「この方々を支えたい」と強く感じたことが決め手です。
—大学病院でのご経験は、今の診療にどう活かされていますか?
聖マリアンナ医科大学附属病院や多摩病院で、高度な外科治療の最前線に立ってきました。その経験があるからこそ、クリニックにおいても大学病院と同等の視点で精密な診断ができ、必要であればスムーズに高度医療機関へ連携できる体制を整えられています。
—大学病院という大きな組織から、成城での開業を決意されたのはなぜですか?
大学病院ではどうしても一人ひとりにかけられる時間が限られ、患者さんが焦ってしまう姿に心苦しさを感じていました。小田急線沿線の慣れ親しんだ成城という地で、患者さんが気を遣わずにのんびりと悩みを相談できる場所を作りたかったのです。
—実際に開業されて半年以上が経ちますが、現在の心境はいかがでしょうか?
患者さんとじっくり対話ができる今の環境には非常に満足しています。一方で、事務作業や備品管理、保険点数の仕組みなど、勤務医時代には知らなかった経営面での苦労もありましたが、それも含めて毎日が新鮮で楽しいですね。
—クリニックのスタッフの方々について、大切にされていることはありますか?
「専門知識よりもまずはお人柄」を重視して採用しました。乳腺というデリケートな悩みを扱う場所だからこそ、患者さんに寄り添える温かいチームを作りたいと考えました。現在、スタッフ全員が高いプロ意識を持って動いてくれており、非常に感謝しています。
—大学病院とクリニック、両方のホームを持つ先生ならではの強みは何ですか?
現在も大学病院で外来を担当しているため、最新の医療情報に基づいた診療が可能です。検査はクリニックでリラックスして受け、手術や高度な治療が必要な場合は信頼できる大学病院へ繋ぐという、一貫したサポートができるのが強みです。
—診療において、特に心がけているポイントを教えてください。
「対話」です。乳がんは治療期間が10年と長くなることもありますし、再発の不安を抱える方もいらっしゃいます。どんなに些細な世間話であっても、患者さんがリラックスして何でも話せる雰囲気を作ることで、心まで軽くなる診療を目指しています。
—術後の患者さんへのケアについても力を入れていると伺いました。
はい、特に「リンパ浮腫」のケアに注力しています。術後の浮腫みは一生付き合っていく必要があるものですが、十分にケアできる病院は多くありません。当院では、そうした長期的なケアも専門的に行える体制を整えています。
—地域における乳がん検診について、どのようにお考えですか?
世田谷区を含め、日本の検診率は海外に比べてまだ低いのが現状です。検診は「怖いもの」ではなく、早期発見で治る病気であることを伝え、働く女性や子育て中の女性が「成城なら行きやすい」と思える環境を広めていきたいです。
—今後、クリニックとしてどのような役割を担っていきたいですか?
大学病院の先生方の負担を減らす「受け皿」としての役割も果たしたいです。落ち着いた経過観察の方はクリニックで、急性期の治療は大学で、という役割分担を明確にし、地域全体の医療の質を底上げしていきたいと考えています。
—最後に、これからの目標や夢を教えてください。
乳腺の悩みだけでなく、心のお守りになるような場所であり続けたいです。患者さん、そしてスタッフも全員が「成城乳腺クリニックに出会えてよかった」と思えるような、笑顔の絶えないアットホームなコミュニティを築いていくことが私の夢です。
Profile
院長 志茂 彩華
聖マリアンナ医科大学を卒業後、同大学病院の乳腺・内分泌外科にて助教、医長、講師として長年研鑽を積まれました。また、附属多摩病院では副部長という重責を担い、数多くの外科手術や高度な治療の現場に携わってきた、確かな実績を持つ医師です。 2025年5月、「より患者一人ひとりに寄り添う医療を提供したい」という強い志のもと、世田谷区成城に「成城乳腺クリニック」を開院。高度な専門性を活かし、乳がん検診から術後のリンパ浮腫ケアに至るまで、女性の生涯をトータルで温かく支える医療を日々実践されています。