地域に寄り添い、三世代にわたって親しまれるクリニックを目指して–向中野あらかわ皮フ科 院長 荒川伸之インタビュー
2026.01.28
「楓みみはなのどクリニック」院長が語る「みんなが頼れる場所」への挑戦
楓みみはなのどクリニック
院長 中下 陽介
愛知県一宮市に位置する「楓みみはなのどクリニック」。温かな木漏れ日のような安心感を提供するこのクリニックを率いるのが、院長の中下陽介先生です。中下先生は、高度な専門医療の現場から、より患者様に近い「街のクリニック」へと舞台を移し、日々地域医療の向上に尽力されています。今回のインタビューでは、医師を志した意外なきっかけから、開業初期の苦労、そして「楓」という名に込めたスタッフや患者様への深い思いについて、じっくりとお話を伺いました。中下先生の誠実な人柄と、未来を見据えた熱いビジョンに迫ります。
—さっそくですが、医師を志したきっかけを教えてください。
実は、きっかけはテレビドラマだったんです。高校生くらいの時にドラマを見て「医者ってかっこいいな」と思ったのがスタートで、決して高尚な理由ではないんですよ(笑)。私の家系には医療関係者が一人もいなかったので、純粋な憧れから始まった挑戦でした。
—なぜ、この一宮市小信中島の地で開業を決められたのでしょうか?
前職で名古屋や岐阜の病院に勤めていたこともあり、このエリアは私にとって馴染みのある場所でした。以前ここにあった耳鼻科が閉院し、地域の方々が非常に困っているというお話を聞いたのが大きな決め手です。困っている人がいる場所でお役に立ちたいという「ご縁」を感じました。
—「楓(かえで)」という素敵なクリニック名にはどのような由来があるのですか?
開業地を探していた時期、ちょうど秋に美しい楓が目に留まったのがきっかけです。後で知ったのですが、楓の花言葉には「思いやり」や「謙虚」といった意味があるそうです。当院の指針である「みんなが頼れるクリニック」という理念にぴったりだと感じ、今ではこの名前に決めて本当に良かったと思っています。
—開業後の5年間で、特に苦労されたことは何でしょうか?
最も苦労したのはスタッフのマネジメント、つまり「人」の部分ですね。開業当初は経営者としての経験が浅く、組織がバラバラになってしまった時期がありました。開業半年で多くのスタッフが去り、一時は休診を考えざるを得ないほど追い込まれたこともあります。
—そのような困難な状況を、どのように克服されたのですか?
経営や教育について必死に勉強し、スタッフとのコミュニケーションの取り方を根本から見直しました。現在は、毎月の全員面談や、新入職員との3ヶ月間の交換日記を通じて、一人ひとりの不安や思いを共有するようにしています。事務長である妻のサポートもあり、ようやく風通しの良い組織に成長しました。
—これまでで最も心に残っている、嬉しかったエピソードを教えてください。
今年の5周年記念に、スタッフたちがサプライズで動画をプレゼントしてくれたことです。更地だった開業前からの軌跡と、最後に「院長ありがとう」というメッセージを見た時は、これまでの苦労が吹き飛ぶほど感動し、涙が出そうになりました。スタッフと心を通わせられたことが、何よりの喜びです。
—診療において、先生が特に大切にされているこだわりは何ですか?
患者様の時間を大切にすることです。当院では独自のハイブリッド予約システムやWEB問診、セルフ受付システムなどを導入し、徹底した効率化を図っています。これにより、1時間に30〜40人の診療を可能にしつつ、待ち時間を最小限に抑える「お待たせしない診療」を実践しています。
—設備面や検査手法でも、特徴的な取り組みはありますか?
指先からの採血1滴で、30分後には41種類のアレルギー結果がわかる「ドロップスクリーン」を3台導入しています。短時間で結果が出るため、お忙しい方や小さなお子様連れの保護者様にも大変喜ばれています。常に「自分だったらどんな医療を受けたいか」を基準に、新しいシステムを積極的に取り入れています。
—情報発信も非常に積極的ですが、どのような想いで取り組まれていますか?
ホームページ、SNS、YouTube、ブログなどをフル活用して、正しい医療情報を発信するよう努めています。最近はAI(ChatGPT等)も活用し、いかに分かりやすく、かつ親しみやすく当院の取り組みを知ってもらうかを日々模索しています。すべては、地域の方々に安心して受診していただくための土壌作りです。
—今後、クリニックとして目指している目標は何でしょうか?
まずは毎日医師2名体制で診療できる環境を整え、お待たせしない体制をより強固にすることです。また、現在は休診日である木曜日も診療を行い、週7日いつでも頼れる体制を構築したいと考えています。これらはすべて、採用と教育の強化にかかっていますね。
—開業を目指す後輩医師に向けたアドバイスがあればお願いします。
理念やビジョンを最初にしっかり固めることが重要です。どこに建てるかというハード面よりも、自分たちがどんな想いで医療を提供したいかという「マインド」が、最終的にはスタッフや患者様を引き寄せる力になります。私のこれまでのノウハウを、いつかコンサルティングのような形でお伝えできればとも考えています。
—中下先生の個人的な「夢」を教えてください。
医療従事者や患者様が集う、大きなコミュニティを作ることです。2026年1月には花粉症に関する書籍も出版予定ですが、そうした活動を通じて、診療の枠を超えて人々の健康を支えたいですね。これからもプレイヤーでありつつ、経営者として「人と人の輪」を広げ、地域医療をアップデートし続けていきたいです。
Profile
院長 中下 陽介
楓みみはなのどクリニックの院長を務める中下陽介先生は、関西医科大学医学部を卒業後、広島大学大学院にて博士号を取得された耳鼻咽喉科のスペシャリストです。 これまで広島大学関連病院や木沢記念病院の副部長、岐阜大学医学部附属病院の助教、中濃厚生病院の部長といった要職を歴任。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門医として、数多くの高度な手術を手がけ、確かな実績を積み重ねてこられました。 その後、名古屋駅前にある大規模クリニックの院長として研鑽を積み、2020年に満を持して「楓みみはなのどクリニック」を開院。「みんなが頼れるクリニック」という理念のもと、最新のITツールを活用したスムーズな診療と、一人ひとりに寄り添う温かなホスピタリティを融合させ、新しい時代の地域医療を形にし続けています。