Interviewインタビュー

地域に根ざし、スタッフと共に歩む。松山眼科クリニック・松山加耶子院長が紡ぐ「家族のような」医療のカタチ

松山眼科クリニック

院長 松山 加耶子

大阪府四條畷市、四条畷駅からほど近い場所に位置する「松山眼科クリニック」。院長の松山加耶子先生は、大学病院での豊富な臨床経験を経て、自身の地元であるこの地で開業されました。松山院長が大切にしているのは、高度な医療技術はもちろんのこと、患者さんやスタッフ一人ひとりに対する「温かなコミュニケーション」です。 インタビュー中、時折見せる柔らかな笑顔と、医師としての強い信念。そして、不意に登場したお子様との微笑ましいやり取りからは、一人の母として、そして地域医療を支えるリーダーとしての真っ直ぐな姿勢が伝わってきました。今回は松山眼科クリニックの歩みと、松山院長が描く未来のビジョンについて、4つの視点からお話を伺いました。

「一生、医者であり続けたい」松山眼科クリニック・松山 加耶子 院長が語る、スタッフと地域への想い

医師としての原点とキャリアの転機

まずは、松山先生が医師を志したきっかけを教えてください。

私の母が眼科医で、この近くの大東市で開業していたんです。そこで育ちましたので、幼い頃から母の働く姿を見てきました。母の手伝いをする中で、自然と「自分も将来は医師になるんだろうな」という想いが根付いていたように思います。

大学病院で長く活躍されていましたが、地元での開業を決めた理由は何でしょうか?

大学には約19年ほど在籍し、様々な研鑽を積ませていただきました。ただ、高齢での出産を経験したことが大きな転機となりました。大学病院での勤務を続けながらの子育ては、周囲への負担を考えると難しい面があると感じ、「それならば地元で地域医療に貢献しよう」と決意したんです。

先生の眼科医としての専門領域について教えてください。

主に糖尿病網膜症と緑内障を専門としています。これらは継続的な管理が非常に重要な疾患ですので、大学病院レベルの知見を活かしつつ、地域のかかりつけ医として患者さんに寄り添った治療を心がけています。

「働きやすさ」を追求した組織づくり

開業初期、特に苦労されたことはありましたか?

コロナ禍でのスタートだったので、スタッフの確保と運用には本当に苦労しました。当院は子育て中のパートスタッフも多いのですが、当時は感染拡大で休校や休園になると、スタッフが全員来られなくなってしまうこともあったんです。

その苦労を、現在はどのように乗り越えられているのでしょうか?

現在はあえて多めにスタッフを雇用し、誰かが急に休んでも現場が慌てない体制を整えています。人数に余裕があれば、一人ひとりの負担も減りますし、お互い様で自由に休みが取れるようになります。この「心の余裕」が結果として離職防止に繋がっています。

採用面でも、工夫されているポイントはありますか?

最初は求人サイトやハローワークなど、あらゆる手段を使いました。コストはかかりましたが、まずは人を集めて体制を盤石にすることを優先しましたね。スタッフが満たされていれば、それが自然と患者さんへの優しさとなって返っていくと考えています。

スタッフの皆さんと交流を深めるための取り組みはありますか?

福利厚生として、みんなで美味しいご飯を食べに行ったりしますよ。地元だと患者さんに「松山眼科クリニックのスタッフが遊んでいる」と思われてしまうかもしれないので、あえて電車で市内まで行って、リフレッシュするようにしています(笑)。

接遇と地域医療へのこだわり

スタッフ教育において、先生が最も厳しく指導されている点はどこですか?

スキル面は先輩が教えますが、私から唯一口酸っぱく言っているのは「言葉遣い」です。患者さんに対してはもちろん、スタッフ同士の会話も丁寧にするよう伝えています。院内の空気が荒れると、それは必ず患者さんにも伝わってしまいますから。

お子さんの患者さんに対して、特に意識されていることはありますか?

お子さんには必ず「丁寧な言葉」で接するように徹底しています。敬語でなくてもいいのですが、乱暴な言い方は厳禁です。親御さんはスタッフがどう我が子に接するかをしっかり見ています。「ここなら安心して任せられる」と思ってもらえる接遇を大切にしています。

地域での「集患」において、効果的だと感じている手法はありますか?

ホームページを整えるのはもちろんですが、意外と大切なのが「地方紙」への掲載です。このあたりだと『大東タイムス』さんのような地域密着の媒体ですね。地域の方々に「ここに眼科があるんだ」と認知していただく地道な活動が、信頼の第一歩になります。

デジタル化(DX)についてはどのようにお考えですか?

当院はコロナ禍に開業したので、電子カルテや予約システムなど、最初から新しいシステムを導入した状態でスタートしました。ITに強いわけではありませんが、患者さんの待ち時間短縮や利便性のために、必要なツールは積極的に活用しています。

未来へのメッセージと医師としての夢

松山先生が描く、これからの「夢」を教えてください。

私の夢は、リタイアするその日まで、今いるスタッフの誰一人欠けることなく、このメンバーで走り抜けることです。これはスタッフにも常に伝えています。「このメンバーで行こうな」と。家族のような絆で結ばれたチームであり続けたいですね。

これから開業を目指す医師の方々へ、アドバイスをお願いします。

「利益にばかりとらわれすぎないこと」でしょうか。私が尊敬する恩師は、経営の話ばかりになるのを嫌い、「僕は最後まで医者でありたい」と言って一線を退かれました。その言葉がずっと響いています。経営者である前に医師であることを忘れず、目の前のことに誠実に向き合ってほしいです。

最後に、地域の患者さんへメッセージをお願いします。

「諦めずに地道にやれば夢は叶う」と私は信じています。勉強が苦手だった私が医師になれたのも、地道な努力があったからです。目の疾患も同じで、地道な治療が将来の視界を守ります。不安なことがあれば、何でも気軽に相談しに来てください。

Profile

院長 松山 加耶子

平成15年に関西医科大学附属病院眼科へ入局された後、大阪赤十字病院眼科などを経て、平成21年に同大学院にて医学博士号を取得されました。その後、ネパールアイホスピタルへの留学や、関西医科大学眼科学教室での助教、診療講師を歴任されています。令和元年には関西医科大学総合医療センターの外来医長を務められるなど、眼科医療の最前線で豊富なキャリアを積んでこられました。 「糖尿病網膜症」や「緑内障」を専門とされており、高度な専門知識と豊かな人間性を兼ね備えた診療は、地域住民の皆様からも厚い信頼を寄せられています。現在は、ご自身の地元である四條畷市に「松山眼科クリニック」を開業されました。一児の母としての視点も大切にされており、スタッフが働きやすい環境づくりと、患者様に寄り添う温かな医療を実践されています。

会社情報

医院名

松山眼科クリニック

設立

2020年