患者さんと同じ目線で立ち、一生の伴走者へ。アトピースキンケアクリニック 古橋卓也院長が掲げる「伴走型医療」の真意
2026.02.20
「仲間と共に、日本一の安心を届ける」Opus One Clinic 井柳俊紀院長が世田谷から発信する、情熱の在宅ケア
Opus One Clinic
院長 井柳 俊紀
住み慣れた自宅で自分らしく過ごしたい。そんな願いを叶える「在宅医療」の分野で、今注目を集めているのが東京都世田谷区にあるOpus One Clinicです。院長の井柳俊紀先生は、自身の専門である総合内科の知識を活かし、疾患だけを見るのではなく、患者様の生活や背景までをまるごと支える診療を行っています。「医療は体験である」と語る井柳先生の言葉の裏には、従来の病院のイメージを覆すような、温かく、そして力強い信念がありました。患者様やそのご家族にとって、訪問診療の日が待ち遠しくなるような、そんな温かい医療を目指す井柳先生の挑戦に迫ります。
—さっそくですが、井柳先生が医師を志したきっかけを教えてください。
実はドラマの『医龍』なんです。坂口憲二さんが演じる主人公が非常にカッコよく、当時は医者がカッコいいというよりも、組織に関係なく自分のやるべきことに突き進むプロフェッショナルな姿に憧れました。しかし親族に医師がいたわけでもなかったので、両親に医学部受験を伝えた際は「血を見て大丈夫なのか」と相当心配されましたね(笑)
—なぜ、専門として「総合内科」を選ばれたのですか?
初期研修先の東京医療センターで出会った片山充哉先生という恩師の影響です。それまでは総合内科という分野をよく知らなかったのですが、どんな疾患も診るという姿勢、そしてデータや論文を徹底的に調べ上げ、患者さんの生活状態までを総合的に判断して診療プランを立てる。その「何でも診る」という面白さに強く惹かれ、それが自分のベースとなりました。
—その後、在宅医療の道へと進まれた経緯を教えてください。
もともとは手を動かすことが好きで整形外科を志した時期もありましたが、伊豆での勤務などを経て、在宅医療や緩和ケアの分野に携わるようになりました。現在は、特定の診療科に限定せず「とりあえず断らない、何でもやってみる」ということ自体が自分の専門性であると考えています。
—診療にあたって、先生が最も大切にされている信念は何ですか?
常に「相手の立場になって考える」ことです。自分がこの患者さんだったら、あるいはこの家族だったら、どうしてほしいか、どんな言葉をかけてもらえたら嬉しいかを徹底的に考えます。医療行為を単なるサービスの提供ではなく、その人の人生における一つの「体験」として残るものにしたいと考えています。
—「体験としての医療」とは具体的にどのようなことでしょうか?
例えば、看取りの現場でご家族から「先生と一緒にいられてよかった」「この3ヶ月はあっという間だったけれど、走り抜けた感じがして良い思い出になった」と言っていただけることがあります。数年経っても「あの時、あの先生が来てくれてよかったね」と、まるで旅行の思い出のように語ってもらえるような診療を目指しています。
—在宅医療の現場で、特に難しさを感じる場面はありますか?
周囲から見て明らかにサービスが必要な状態であっても、ご本人が拒否されるケースです。そこからどうやって信頼を勝ち得て、自分たちのサポートを受け入れてもらうか。試行錯誤しながらコミュニケーションを取り、最終的に「先生になら任せられる」と思っていただけるまでのプロセスは、非常に重要であり難しい部分です。
—クリニックのスタッフの方々を「仲間」と呼ばれていますが、どのような組織像をお持ちですか?
イメージとしては『ONE PIECE』のようなチームです。私自身も完璧な人間ではなく欠点があります。だからこそ、得意なところを活かし、苦手なところを補い合える仲間と一緒にやっていく。院長とスタッフという上下関係ではなく、ビジョンを共有して対等に走れる関係性を理想としています。
—柔術の経験が組織運営に活かされているというのは、どういうことでしょうか?
私が通っている柔術道場、YAWARAの村田良蔵先生が仰る「なめられない、威張らない」という言葉を意識しています。パワーハラスメントのような形で力ずくで抑え込むのではなく、自分のビジョンをしっかり語り、自分の弱い部分もさらけ出す。そうして尊敬を勝ち得つつ、対等な仲間として接することが、組織の強さに繋がると信じています。
—医療従事者以外のスタッフも、重要な役割を担っているそうですね。
はい。あえて異業界から来たスタッフを雇用していますが、彼らの「感覚」が非常に役立っています。医療業界の固定観念に捉われないITスキルの活用や、他業界の知見を診療の仕組みに取り入れることで、より効率的で患者さんに寄り添った運営が可能になっています。
—これから開業を目指す先生方へ、まず取り組むべきアドバイスをお願いします。
一番は、開業コンサルに頼り切るのではなく、自分をよく知っている身近な先輩医師に相談することです。また、集客や経営について不安になる気持ちは分かりますが、あまり悩みすぎる人は開業しない方がいいかもしれません。最後は「なんとかなる」というマインドを持って、一歩踏み出す勇気が重要です。
—井柳先生ご自身は、開業時の不安をどう乗り越えられたのですか?
私も融資を受けましたが、もし患者さんが集まらず資金が溶けてしまったら、また必死にバイトをして返せばいい、くらいに開き直っていました。不安よりも「自分のやりたい医療を形にしたい」という情熱の方が勝っていました。迷っているなら行動してみることが大切だと思います。
—最後に、Opus One Clinicとしての最終的なビジョンを教えてください。
Opus One Clinicを「日本一のクリニック」にすることです。単に規模を追うのではなく、在宅医療といえばOpusだよね、と言われるような圧倒的な信頼を得たい。世田谷からエリアを広げ、より多くの患者さんとその家族に、人生の最後を「やり遂げた」と思ってもらえるような最高の医療体験を届けていく。それが、私と仲間の目標です。
Profile
院長 井柳 俊紀
2018年3月に金沢大学医学部を卒業後、同年4月より国立病院機構東京医療センターにて初期研修を開始し、総合内科医としての礎を築かれました。2022年4月には西伊豆健育会病院、2023年4月にはまるごと在宅ケアクリニックに勤務され、地域医療や在宅・緩和ケアの実践的な経験を積まれています。 そして2024年5月、世田谷区用賀にOpus One Clinicを開業。総合内科医としての高い専門性を活かし、疾患のみならず患者様の生活背景までに思いをはせる診療を実践されています。柔術道場で培った「なめられない、威張らない」という精神を組織運営に取り入れ、多職種の仲間と共に「日本一のクリニック」を目指して日々尽力されています。