自然体で挑み続ける美容医療 ― CHINOWA CLINIC 則本翔先生インタビュー
2025.11.12
「がん治療中も、私らしく美しく」アピアランスビューティクリニックで紡ぐ心と外見の再生ストーリー
アピアランスビューティクリニック
院長 堀口 和美
がん治療における身体への負担は、数値やデータに現れるものだけではありません。脱毛や肌質の変化といった「外観の変化」は、患者さんの心に深く影を落とします。東京都豊島区に位置する「アピアランスビューティクリニック」の堀口和美院長は、乳腺外科医としての確かな経歴と美容外科での研鑽を融合させ、この「アピアランスケア」の普及に尽力しています。本記事では、アピアランスビューティクリニックを開院するに至った経緯から、堀口和美院長が大切にしている診療理念など伺いました。
—さっそくですが、医師を志したきっかけについて教えてください。
実は親も医師なのですが、直接的な影響はあまりありませんでした。きっかけは小学1年生の時に作った眼鏡です。その時の眼科の先生が私と同じ「かずみ」という名前で、6歳の私にとても優しく接してくれたことに感動し「こんな先生になりたい」と思ったのが始まりです。
—熊本から東京へ来られたのには、どのような経緯があったのでしょうか?
熊本大学の消化器外科で5年ほど働いた後、大学院進学のタイミングで教授から「がん・感染症センター都立駒込病院で乳癌に関する研究をするように」とアドバイスをいただいたのがきっかけです。そこでがん治療における最先端の医療に触れたことで、結果的に自分の視野が大きく広がりました。
—これまでの医療環境との違いをどのように感じましたか?
インターネットが普及した今でも、情報の密度やスピード感、患者さんのニーズに差があると感じることもあります。東京に来たことで、より高度で多様な専門家たちと繋がることができ、それが現在の診療の質の高さに直結しています。
—「アピアランスケア」を主軸に置いたのはなぜですか?
これまでのキャリアを活かして、がん治療によって外見にダメージを受けた方が、自分らしさを取り戻すお手伝いをしたかったからです。当院ではがん経験のない方に対する一般的な美容診療ももちろん行っていますが、メインはがん患者さんの外見ケアです。乳腺外科医としての知見と美容外科の技術、その両方を持って患者さんに寄り添うことが私の使命だと思っています。
—診療において、先生が最も大切にされていることは何ですか?
その人にとって「最も上質で専門性の高いもの」を提供することです。自分の専門外や、より優れた技術を持つ医師がいる場合は積極的に他院を紹介します。患者さんにとって最高の利益を生むために、プロとしてプロを選ぶ目を持つことを忘れないようにしています。
—患者さんとのエピソードで印象に残っていることはありますか?
多くの方が「こんな場所があるならもっと早く知りたかった」と言ってくださいます。そうしたお声は嬉しい反面、正しい情報がまだ必要な人に届いていないという課題も感じます。当院はポジティブに前を向こうとする患者さんが多く、私自身がパワーをいただくことも多いですね。
—現在は非常に少人数で運営されていると伺いました。
はい、私と看護師の2人だけで運営しています。受付から予約管理、レセプト業務まで2人で分担して行っています。信頼できるスタッフと阿吽の呼吸で動ける現在の環境は、非常に効率的で患者さんへの細やかな対応にも繋がっています。
—これまでに最も苦労されたエピソードを教えてください。
以前、スタッフの雇用関係で非常に苦心した時期がありました。個々は優れた人材でも、雇用となると経営者としてとても難しいことを痛感しましたが、その経験があったからこそ今は「誰とどう働くか」を極めて慎重に、かつ大切にするようになりました。
—集客面でのこだわりはありますか?
派手な広告は一切していません。学会発表や論文執筆といった地道な活動を通じ、がん診療拠点病院などの専門機関から信頼を得て、患者さんをご紹介いただく形がメインです。口コミの評価が高いのも真摯に専門性を追求してきた結果だと思っています。
—今後のクリニックのビジョンを教えてください。
がんになったら「まずはアピアランスビューティクリニックに相談しよう」と思ってもらえるような存在になりたいです。そして、一人ひとりの患者さんに届くケアの質を維持し全国の悩める方に希望を届けたいと考えています。
—堀口先生個人の夢や目標はありますか?
アピアランスケアをより一般的で質の高いものとして定着させることです。現在はオンライン診療を通じて遠方の患者さんとも繋がれるようになりましたので、さらに多くの患者さんが「自分らしく」生きるためのお手伝いを続けていきたいです。
—最後に、開業医を目指す先生へメッセージをお願いします。
収益を上げることは、当然ながら最も重要なことの一つですが、自分だけの専門性や信念を持ち、患者さんのために何ができるかを純粋に追求し続けることで、結果として後から自然についてくる気がしています。ご一緒に頑張りましょう!
Profile
院長 堀口 和美
1998年熊本大学医学部卒業。同大学附属病院第二外科、都立駒込病院乳腺外科などで外科医としてのキャリアを積む。美容外科での院長経験を経て、2020年にアピアランスビューティクリニックを開院。乳腺外科医としての専門知識と美容外科の技術を活かし、がん患者の外見をサポートする「アピアランスケア」の普及に尽力している。