Interviewインタビュー

子どもたちの健やかな未来とお母さんの笑顔のために。「manaこどもの診療所」藤原安曇院長が紡ぐ、地域に根ざした温かな伴走

manaこどもの診療所

院長 藤原 安曇

兵庫県姫路市日出町にある小児科・アレルギー科「manaこどもの診療所」。2025年の開院以来、地域の子どもたちや保護者の健やかな毎日を支え続けています。院長を務めるのは、小児医療の前線で豊富なキャリアを積んできた藤原安曇先生です。「mana」という言葉に込められた生命エネルギーのように、子どもたちが本来持っている「生きる力」を大切にしながら、日々の診療にあたっています。今回は藤原先生に、医師を志したきっかけや診療へのこだわり、そして未来へのビジョンについて、定評のある温かなお人柄が伝わるインタビューをお届けします。

manaこどもの診療所・藤原安曇院長インタビュー「こどもの生きる力を信頼し、お母さんの心も晴れやかに」

医師・小児科医としての原点と歩み

藤原先生が医師を志した最初のきっかけは何だったのでしょうか。

もともと生物や生命の不思議に強い興味があったんです。学生時代に自分の頬の粘膜細胞を顕微鏡で見る実験があったのですが、「一人の人間がこんなに小さな細胞の集まりから成り立っているんだ」と、生命の神秘に深く魅了されたのが大きな原点ですね。それと、親戚に小児科医がいたことや、手塚治虫さんの漫画を読んだことも、素晴らしい職業だなと憧れを抱く大きな影響になりました。

そこから一度、他の進路を挟んでから医学部へ進まれたそうですね。

はい。実は最初は医師の道をすぐには選ばず、農学部に進学して1年半ほど過ごしていました。しかし、大学での時間を過ごす中で「やはり人と直接関わり、人と人として深く関わることができる仕事がしたい」という想いがどうしても強くなり、一念発起して再受験をして医学部へと進み直しました。ビクトール・フランクルの『それでも人生にイエスという』という本に出会い、どんな厳しい境遇でも生きる意味を見出す人間の姿に共感したことも、人の命や心に携わりたいという決意を後押ししてくれました。

小児科という専門を選ばれた理由や、そこへの想いをお聞かせください。

やっぱり、赤ちゃんや子どもたちが大好きだからです。生まれたての赤ちゃんや小さな子どもたちの持つ圧倒的な生命力、そして言葉はなくても周りを動かしていく素晴らしいエネルギーに、私自身がいつも元気をもらっています。病院に勤務していた時代からずっと変わらず、子どもたちの健康を一番近くで支える小児科医という仕事に誇りとやりがいを感じています。

診療にかける想いと、親子の不安に寄り添う環境づくり

日々の診察において、藤原先生が特に意識されていることは何ですか?

一番は、親御さんが「何でも質問しやすい環境」を作ることです。診察室での会話が、こちらからの問いかけに対して「はい」「いいえ」だけで終わってしまうような、クローズド・クエスチョンにならないよう意識しています。お母さんたちがリラックスして、本当に困っていることや日頃のちょっとした気がかりを話しやすい空気感を大切にしています。

お子さんたちへの接し方で心がけていることはありますか?

子どもたちにとって「信頼できる大人」でありたいなと思っています。病院を怖がらせず、安心してもらえるようなコミュニケーションを取ることで、子どもたち自身の力も引き出していきたいと考えています。診察を嫌がっていた子が、少しずつ自分から心を開いてくれるようになる姿を見るのは本当に嬉しいですね。

薬の処方、特にステロイド剤などについて不安を感じる親御さんも多いかと思いますが、どのように対応されていますか?

お子さんを大切にしておられるからこそ、薬に対して不安になるのは当然です。当院では、ただ薬を出すだけでなく、「これはこういう理由だから、もっとしっかり塗って大丈夫だよ」と、明確な見通しとアドバイスを伝えることで、親御さんの不安が少しでも軽くなればと思っています。

「manaこどもの診療所」が掲げる理念とアレルギー医療

クリニック名にもある「mana」という言葉を含め、診療所の理念を教えてください。

当院では3つの理念を大切にしています。1つ目は「チルドレン・ファースト」でお子さんの健やかな成長を真摯に願うこと。2つ目は親御さんの不安を少しでも軽くする「お母さんたちの心が晴れる小児科」であること。そして3つ目は、子どもたちの「生きる力をHugくむ」ことです。manaという言葉は、ハワイの言葉にもあるようですが、私の意図としてはマオリ族が大切にしていたとされる徳や品格を表す概念です。日本語の愛にも「まな」という読み方があるように、診療所が温かい場所となるようにと願ってつけました。子どもたちの生きる力を親御さんと一緒に支えていきたいという想いが込められています。

藤原先生が、日々の診療のなかで「一番大切にされていること」を教えていただけますか。

一番大事にしていることは、当院のホームページにも掲載していますが、「こどもの生きる力を信頼すること」です。本来、お子さん自身が自分で病気を治す力(自己治癒力)をしっかり持っています。私は、その子が持っている力をいかに上手にひきすことができるかを常に考えながら、日々の診察を行っています。

子どもの力を信頼する医療において、親御さんとの連携はどのように行っていますか?

医療としての介入が必要なときには、時期を絶対に逃さずに適切な検査を行ったり、お薬を処方したりします。ですが、最終的に病気をしっかりと治していくためには、お子さん本人やご家族の力が何よりも必要不可欠なんです。そのため、診察室でお薬を出すだけでなく、ご家庭に戻ってから親御さんが無理なく実践できるような「おうちでできるホームケア」についても、積極的にお伝えするよう心がけています。

地域とともに歩むこれからのビジョン

開院されてからこれまでを振り返り、どのような瞬間にやりがいや幸せを感じますか?

これまでにお世話になった大病院時代の先輩方や、かつて関わらせていただいた患者さんが、わざわざ開院のお祝いに駆けつけてくれたり、大きくなった姿を見せにきてくれたりする瞬間ですね。かつて新生児集中治療室で600グラムほどで生まれたお子さんが、立派に成長して会いに来てくれたときは、本当に小児科医をやっていてよかった、開業してよかったと心から感じました。こどもに関わる仕事ができて幸せだと思っています。

今後、新しく取り組んでいきたい活動などはありますか?

診察室の中だけではお伝えしきれない「食の大切さ」をお伝えする機会を作りたいです。保護者の方々を集めて、みんなで一緒に味噌作りをするような、温かいイベントやお話会を企画できたらいいなと考えています。将来的には、発達の課題や悩みを抱えるお子さんやその親御さんの専門的なケア・相談にも、より深く関わっていきたいと考えています。

最後に、これから開業医を目指す先生方に向けて、先輩開業医としてアドバイスやメッセージをお願いします。

もし将来的に開業を考えていらっしゃるのであれば、勤務医の時代から「経営者としての目線」を少しだけ持って日々の診療にあたることをお勧めします。例えば、現在の日本の医療制度における診療報酬の仕組みや算定のルールは、いざ自分が開業するとなると非常に重要になってきますが、勤務医時代にはあまり意識する機会がないかと思います。 「どのような病名に対してどういった算定がなされているのか」「カルテの記載方法や病名の付け方がどう経営や書類上の手続きに紐づいていくのか」を、勤務医のうちから少しずつ意識してチェックしておくだけでも、いざ開業したときの戸惑いが全然違います。当院でも経験豊富な事務スタッフにとても助けられましたが、医師自身が知識を持っておくことは強みになります。ぜひ、将来のビジョンを描きながら、今の勤務医としての経験をより広い視野で活かしていってください。応援しています。

Profile

院長 藤原 安曇

2006年大分大学医学部医学科卒業。同年、神戸大学医学部附属病院にて初期研修を開始。2008年より高槻病院の小児科・新生児科、2010年より姫路赤十字病院の小児科・新生児科にて、重症新生児医療を含む小児医療の最前線で研賃を積む。その後、野間こどもクリニック(2017年)、くろさか小児科アレルギー科(2020年)での勤務を経て、2022年に明石医療センター小児科の医長に就任。2025年、地域に密着した小児医療を提供すべく兵庫県姫路市に「manaこどもの診療所」を開院。自身の子育て経験を活かし、子どもたちの確かな成長と保護者の心に寄り添う丁寧な診療が、地域で厚い信頼を集めている。

会社情報

医院名

manaこどもの診療所

設立

2025年