Interviewインタビュー

「発熱外来で命をつなぐ」小川医院・小川 滋彦院長が語る医療の原点

小川医院

院長 小川 滋彦

石川県金沢市笠舞にある「小川医院」。長年、地域の身近なクリニックとして親しまれてきた当院で、患者一人ひとりと誠実に向き合い続けているのが院長の小川滋彦先生です。消化器内科医としての豊富な経験を持ちながら、近年はコロナ禍をきっかけに発熱外来に力を入れ、急性疾患の早期発見や救急医療への架け橋として大きな役割を果たしてきました。「患者様を助けることこそが医師の醍醐味」と笑顔で語る小川滋彦先生に、これまでの歩みや医療に対する熱い想い、そして小川医院が目指す未来の姿について詳しくお話を伺いました。

地域に寄り添い、どんな病気も見逃さない。「発熱外来」で見出した医師としての真のやりがいとは。小川医院・小川滋彦院長インタビュー

医師としての原点と「小川医院」継承への歩み

小川滋彦先生が医師を目指されたきっかけについて教えていただけますか?

父親が開業医をしていましたので、幼い頃からその背中を見て育ち、「自分も将来は自然と医師になるのだろうな」と特に疑問も持たずに思っていました。何か強い出来事があったというよりは、ごく自然な流れでこの道を志しました。

大学卒業後はどのような医療に携わっていたのでしょうか?

消化器内科の医長として、主に内視鏡を用いた治療や検査に携わっていました。当時は内視鏡技術がどんどん進化していた時期で、非常に面白く、病院での勤務にやりがいを感じていました。

その後、在宅医療にも関わるようになり、クリニックを継承されたそうですね。

病院で胃ろう造設の手術をした患者様がご自宅へ戻られた際、たまたま訪問して診させていただく機会があったんです。病院では「患者」でしかなかった方が、ご自宅ではご家族に囲まれ、一人の人間としての居場所があることに深い感銘を受けました。まだ「在宅医療」という言葉自体が浸透していない1990年代半ばのことでしたが、「これはやる価値がある」と感じ、1996年に父のクリニックへ戻り、2001年に小川医院を正式に継承いたしました。

コロナ禍で迎えた転機と「発熱外来」での気づき

地域医療に携わる中で、近年クリニックの役割に大きな変化があったそうですね。

元々は高血圧や糖尿病などの持病を持たれた高齢の患者様が中心のクリニックだったのですが、コロナ禍をきっかけに「発熱外来」を本格的に受診できる体制へと大きく舵を切ることになりました。

発熱外来をスムーズに運用できた理由は何だったのでしょうか?

幸いなことに当院の隣の敷地を取得できており、コンビニ並みの広い駐車場を確保できていたんです。そのため、お車の中で待機していただきながらドライブスルー方式で検査や診察を行う体制を素早く整えることができました。他院で受診を断られて行き場を失った方々を積極的に受け入れました。

発熱外来を通じて、どのような気づきがありましたか?

熱が出ている患者様を詳しく調べていくと、原因がコロナやインフルエンザだけではないことに気づかされました。当院では指先の少量採血で白血球数やCRP(炎症反応)をすぐ測定できるのですが、検査してみると実は「急性虫垂炎(腹膜炎)」を起こしていたり、白血球数が極端に少ない「急性白血病」が見つかったりすることが何度もありました。

良好なチームワークを育む「採用と教育」の姿勢

現在、多くのクリニックがスタッフの採用に苦労していますが、小川医院での状況はいかがですか?

当院のスタッフは非常に定着率が高く、長年勤めてくれています。現在、受付事務が4名、管理栄養士が1名、看護師がパートを含めて3名ほど在籍しており、皆が医院を温かく支えてくれています。

スタッフを採用する際や教育する上で、最も大切にされている基準は何ですか?

一番大切にしているのは「患者様に対してどうか」ということ以上に、「スタッフ同士でお互いに思いやりを持てるかどうか」ということです。面接でも「周りと協力して良好な関係を築けるか」という点を重視しています。

なぜ「スタッフ同士の思いやり」を最優先にされているのでしょうか?

一緒に働く仲間をリスペクトし、助け合える良好な人間関係がベースにあってこそ、それが結果として患者様への親切で温かい対応に繋がるからです。おかげさまで院内の雰囲気も良く、スムーズな診療を行えています。

未来へつなぐ小川医院の展望

多くの患者様に頼られる存在となりましたが、今後のクリニックの展望について教えてください。

実は現在、消化器内科医である私の長男が大学病院などで研鑽を積んでおり、近いうちに当院へ戻ってくる予定なんです。息子が戻ってくることでより専門的な検査も提供できるようになりますし、私自身も引き続き発熱外来を含めた地域の「駆け込み寺」としての役割を果たし続けていきたいと考えています。彼が得意とする大腸内視鏡検査などを本格的に行えるよう、検査スペースの拡充やクリニックの改修・増築などを検討しています。

これから開業医を目指す先生方へメッセージをお願いします。

勤務医時代とは異なり、開業医になると自分の診療や判断がダイレクトに地域の患者様の安心や命に繋がっていきます。大変なことも多いですが、目の前の患者様や困っている声に愚直に向き合い続ければ、必ず「医師になってよかった」と心から思える瞬間に出会えます。ぜひご自身の理想とする医療を目指して、一歩を踏み出してください。

最後に、地域の患者様へメッセージをお願いします。

時代や環境が変化しても、「地域の方々が困ったときに真っ先に頼れる存在でありたい」という想いは変わりません。熱が出たときも、体調に不安があるときも、どうぞ気軽にご相談ください。これからも金沢の皆様の健康を全力で守ってまいります。

Profile

院長 小川 滋彦

昭和59年に岐阜大学医学部を卒業後、勤務医として研鑽を積む。平成2年より石川県済生会金沢病院の消化器内科医長を務め、消化器内科分野を中心に高度な医療に貢献。平成13年に「小川医院」を継承し、院長に就任。地域に密着したホームドクターとして、内科全般から発熱外来まで幅広く対応し、患者一人ひとりの安心と健康を支え続けている。

会社情報

医院名

小川医院

設立

2001年(継承)