医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
「医療法人鳳應会 FRAISE」近澤 徹理事長が語る、医療×ITの融合と地域医療の新たな未来
医療法人鳳應会 FRAISE
理事長 近澤 徹
医療のDX化やオンライン診療が急速に浸透する中、現場の効率化と患者への真摯な向き合い方を両立させ、新しい医療のあり方を提示しているのが「医療法人鳳應会 FRAISE」です。理事長を務める近澤徹先生は、医師としての専門性を軸にしながら、ITやAIを積極的に活用した先進的なクリニック運営を行っています。本記事では、近澤徹先生が医師を志した原点から、診療や組織運営におけるこだわり、そしてこれからの地域医療や介護・福祉分野を見据えた将来のビジョンについて、定評のあるお取り組みやお考えを詳しく伺いました。
—先生が医師を志したきっかけや、原点について教えてください。
私の祖父がもともと心臓外科医で、日本で最初の心臓移植を行ったチームにいたんです。子供心にもそのインパクトは非常に大きく、自然と医学の道を志す影響を受けましたね。
—学生時代からビジネスやITにも関心があったとお聞きしました。
そうなんです。医学部での学びと並行して、ITやビジネスの世界にも非常に興味がありました。単に医療を提供するだけでなく、テクノロジーと掛け合わせることで新しい価値を生み出したいと考えていました。
—専門領域として精神科・心療内科を選ばれた理由は何でしょうか?
精神科領域は、採血データなどの数値だけで割り切れない難しさがあります。表情や声のトーンといった定性的な変化が重要なため、そこにAIやITを掛け合わせることで、不調になる手前で予測できるようなアプローチが可能になると考えたからです。
—日常の診療で、最も大切にされているポリシーを教えてください。
患者さん一人ひとりのバックグラウンドや悩みの深さは全く異なります。ですから、いきなり本題の問診に入るのではなく、まずは一人の人間としてしっかりと信頼関係を築くことを意識しています。
—具体的にお互いの緊張をほぐすために意識していることはありますか?
雑談や日常会話を適度に変えながら、リラックスできる空気感を作ることですね。お互いに話しやすい雰囲気を作った上で、少しずつ本音を話していただけるようなアプローチを心がけています。
—診療時の対応において、マニュアル化と独自性のバランスはどう考えていますか?
丁寧な接客や基本対応はマニュアルで均一化しつつも、患者さんの表情や声の震えを感じ取るような「人にしかできないコミュニケーション」を評価し、適材適所で強みを活かせるようにしています。
—スタッフの採用において、最も重視している条件は何ですか?
職種やスキルに関わらず、「人としてしっかりとコミュニケーションが取れるか」という点です。ここが一番外せないポイントですね。
—スタッフの教育やモチベーション管理で工夫されている点はありますか?
小さくても成功体験を積んでもらうことです。仕事を任せつつ、失敗しても組織に大きなダメージが出ない範囲で責任を持たせ、うまくいった時はしっかりと褒める。その繰り返しで成長を促しています。
—他のクリニックにはない「医療法人鳳應会 FRAISE」の最大の強みは何でしょうか?
電子カルテやレセプト請求システムなどの業務効率化ツールを、他社に頼らず自社内で開発・完結できている点です。余計なコストをかけず、自分たちの現場に最適化されたシステムを迅速に構築できています。
—今後2〜3年先に見据えている事業ビジョンをお聞かせください。
高齢化が進む日本において、都市部だけでなく地方や地域医療、さらには介護・福祉の現場へもITと融合した医療インフラを広げていきたいと考えています。
—介護や福祉の現場へのアプローチを強化したい理由は何ですか?
介護や福祉の現場は、まだ紙での業務が多く残っている領域だからです。医療・介護・ヘルパーさんたちがITを通じて一体となり、スムーズに連携できる仕組みを作っていきたいですね。
—最後に、これから開業を目指す若い医師の方々へメッセージをお願いします。
医学部では経営を学ばないため、開業時には経営者視点が不可欠になります。自分一人で抱え込まず、頼れるコンサルタントや先輩医師に早めに相談し、アドバイスをもらうことが成功への近道です。
Profile
理事長 近澤 徹
祖父が日本初の心臓移植チームに携わっていた影響を受け、自然と医学の道を志す。医学部在学中から起業やIT分野に関心を持ち、医療とテクノロジーの融合に強い可能性を見出す。精神科・心療内科を専門領域として選んだ後は、AIを用いたメンタル不調の予測モデル構築や、業務効率化を推進する自社システム開発など、独自のキャリアを展開。現在は「医療法人鳳應会 FRAISE」の理事長としてクリニック運営やシステムDXを牽引する傍ら、将来的には地方や介護・福祉分野への医療インフラ拡充を目指して挑戦を続けている。