医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
「当院でしかできない治療で、痛みに悩む人に笑顔を」井福ペインクリニック 井福正貴院長が貫く、誠実な医療と患者さんへの想い
井福ペインクリニック
院長 井福 正貴
京都御所西側の地に構える「井福ペインクリニック」。院長の井福正貴先生は、長年にわたりペインクリニックの第一線で実績を重ねてこられました。「当院でしかできない専門的な治療を提供し、患者さんの痛みを一日でも早く取り除きたい」と語る井福正貴先生。今回は、クリニックの診療方針や医療に対する深いこだわり、そしてスタッフとともに歩んできたこれまでの道のりについて詳しくお話を伺いました。
—医師を目指されたきっかけや、ペインクリニックを選ばれた理由をお聞かせください。
父も両祖父も医師という環境で育ち、幼い頃から「人から感謝していただける素晴らしい仕事」として医療を身近に感じていました。その中でもペインクリニックを選んだのは、強い痛みに苦しむ患者さんの症状を、神経ブロック注射などの専門的治療によって短時間で取り除くことができるからです。痛みが和らぎ、患者さんから直接感謝の言葉をいただける瞬間に、医師として大きなやりがいを感じています。
—2013年に「井福ペインクリニック」を開院されるまでの経歴について教えてください。
東京にある順天堂大学医学部付属病院のペインクリニックで研修や研鑽を積み、そこでペインクリニックの病棟医長や外来医長も務めさせていただきました。最先端の疼痛治療の専門的医療と向き合う充実したキャリアを積んでいきましたが、家庭の事情により2013年5月に京都の地で開院いたしました。
—開院の地に京都を選ばれたのには、どのようなご縁があったのでしょうか。
実は妻が京都の出身なんです。私自身はそれまで京都に住んだことはなかったのですが、家族とともに生活の拠点を京都に置き、腰を据えて地域医療に貢献したいという思いから、京都御所西側のこの地にクリニックを構えることを決めました。
—強い痛みを抱えて来院される患者さんに対して、診療時に意識されていることは何ですか。
「その日のうちに辛い痛みを取り除く」という強い意識を持って診療に臨んでいます。来院される方は、日常生活もままならないほどの激痛に耐えておられます。ですから、その日・その瞬間において自分ができるベストな治療を行い、少しでも早く苦痛から解放して差し上げることが私たちの何よりの使命だと考えています。
—的確な診断や治療を行うために、どのような検査・連携体制をとられていますか。
当院にはレントゲン設備がありますが、より詳細な病態把握が必要な場合は、連携している検査機関で当日のうちにMRI画像検査を受けていただける体制を整えています。長年の経験から原因の予測がつく場合も多いですが、画像診断による客観的な根拠と組み合わせることで、より安全で確実な治療を患者さんに届けています。
—患者さんへの「インフォームドコンセント」についてのこだわりを教えてください。
施術の技術と同じくらい、丁寧な説明の時間を大切にしています。ご自身の身体が今どのような状態にあり、なぜこの治療が必要なのかを分かりやすくお伝えし、心からご納得いただいてから治療に入ります。不安を取り除くことも、痛みを和らげるための大切な要素の一つだと確信しています。
—井福ペインクリニックが掲げる経営理念について教えてください。
当院の経営理念は、「当院だからこそ提供できる専門的な治療に全力を尽くす」ことです。単に鎮痛薬や湿布を処方するだけなら一般的な内科や整形外科でも対応可能です。しかし、難易度の高い神経ブロック注射や日帰り手術など、ペインクリニック専門医でしか行えない治療を求めておられる患者さんが全国から来院されます。そうした方々の期待に応えることが、当院の存在価値だと考えています。
—予約体制や患者さんの受け入れ方法にも工夫をされているそうですね。
はい。専門的なブロック注射や日帰り手術を必要とされる患者さんを優先してお受けできるよう、予約枠に傾斜をつけて調整しています。他院でも受けられる簡易な薬の処方のみをご希望の方よりも、「ここでしか治せない」と当院を頼ってくださる方に確かな医療を届けるための独自の診療体制をとっています。
—患者数を無理に増やさず、診療の質を保つ理由は何でしょうか。
丁寧な説明と高度な施術を行うには、どうしても一人当たりのお時間がかかります。かつては1日50人以上の患者さんを診ていた時期もありましたが、質を落とさず安全に治療を行うために、現在は1日40人までに制限し、充実性と満足度の高い医療を提供することに注力しています。
—クリニックのスタッフ採用や職場環境づくりで大切にされていることは何ですか。
当院のスタッフは、家庭や子育てを大切にしながら働いている方が多くいます。そのため、診療終了時間をしっかりと守り、残業が発生しない環境を徹底しています。スタッフ自身の生活や家庭が充実してこそ、患者さんにも温かい笑顔で接することができると考えています。
—開院から13年が経ちますが、これからの展望についてお聞かせください。
開院当初から13年間ずっと支え続けてくれているスタッフもおり、恵まれた環境に心から感謝しています。これからも地域の皆様や遠方から頼って来られる患者さんにとって「ここに井福ペインクリニックがあって良かった」と思っていただけるよう、更なる専門性を高めつつ、変わらぬ情熱と誠実さをもって専門的医療を提供し続けてまいります。
—最後に、これから開業を目指す医師や若手医療従事者へのメッセージやアドバイスをお願いします。
人材採用や集客など課題は多いかと思いますが、当院ではハローワークからIndeedの有料求人へと切り替えるなど、時代の変化に合わせたアプローチがスムーズな採用につながりました。そして採用以上に大切なのは、「自院の強み・他にはない専門性」を明確に打ち出すことだと自分は考えています。万人に広く対応する医療施設も当然大切ですが、これから小規模での新規開業をする場合であれば、「自分のクリニックだからこそ提供できる最高の医療」に特化し、スタッフの生活や働きやすさを大切に守っていく姿勢が、結果として長く愛されるクリニック作りに繋がると感じています。
Profile
院長 井福 正貴
久留米大学医学部卒業後、独立行政法人国立病院機構九州医療センターにて初期臨床研修を修了。その後、大分大学医学部附属病院麻酔科および大分県立病院麻酔科で後期臨床研修を積む。順天堂大学医学部付属病院麻酔科学ペインクリニック講座にペインクリニック専従医(同講座助手)として入局し、ペインクリニック病棟医長・外来医長(同講座助教)を歴任。2013年5月、京都府京都市上京区に「井福ペインクリニック」を開院。神経ブロック注射や日帰り手術など専門性の高い治療で、地域医療に貢献し続けている。