患者様を第一に考え、進化し続けるクリニックの未来図–Ariメンタルクリニック 田中 有咲 先生インタビュー
2025.10.31
患者様の幸せを追求する【Ariメンタルクリニック】院長の想い
Ariメンタルクリニック
院長 田中 有咲
Ariメンタルクリニックの院長を務める田中 有咲先生は、患者様一人ひとりに寄り添い、丁寧で質の高い医療を提供されています。特に「お待たせしない」診療スタイルと、時代に合わせた柔軟な予約システムの導入は、多忙な現代人にとって大きな安心感を与えています。今回は、そんな田中先生に、医師を志したきっかけから、クリニックの開業、そして未来の展望まで、多岐にわたるお話を伺いました。先生の患者様への真摯な思いや、医療に対する情熱を通じて、Ariメンタルクリニックが目指す理想のクリニック像に迫ります。
—さっそくですが、医師を志されたきっかけを教えていただけますでしょうか?
実を言うと、私自身が「お医者さんになりたい!」と願っていたわけでは全くなかったんです。高校生の頃は、英語の先生や通訳のお仕事に憧れていました。ただ、周りの友人たちに医学部を目指す人がとても多くて、「じゃあ自分も行ってみようかな」と・・。また両親からも背中を押してもらったこともあり、自然とこの道へ進むことになった、というのが正直なところです。
—医師の道を選ばれてから、学業で苦労されたことはありましたか?
私は理数系が特別得意ではなかったので、その辺は努力も要りました。ただ、勉強すること自体は好きでしたので、そこまで苦になることはありませんでした。また、大学時代も全診療科目を勉強しますが、暗記は得意だったので勉強で悩んだことはありませんでした。
—大学病院の医局に長くいらっしゃったと伺いました。開業を決意されたのはなぜでしょうか?
医局員時代は、部活みたいな職場で和気あいあいしていて、本当に楽しかったです。約7年間、大学病院の医局におり、本当に良くしていただきました。今も大学病院で非常勤で勤務しており、医局員と情報交換をするのが楽しみになっているんです。開業の決意として、年が近い先輩方が次々と開業していくのを見て、彼らが楽しそうに、そしてやりがいを持って働いている姿に憧れを抱いたのが、開業を決意した大きな理由です。
—クリニックの運営において、田中先生が最も大切にされている理念は何でしょうか?
最も大切にしているのは、患者様を「お待たせしない」ことです。病院で長く待つ時間は、患者様にとって大きな負担やストレスになると思っています。当院では、患者様に気持ちよく診察を受けていただくために、診察までの時間を短縮することを徹底しています。
—その「待たせない」理念を実現するために、どのような工夫をされていますか?
当院では、予約システムと事前問診システムが独自の強みになっています。予約システムを細かくチェックし、患者数が多くなりすぎないよう、受付を閉じたり開けたりと、緻密な調整を常に行っています。これにより、患者様を長時間お待たせすることなく、スムーズに診療を受けていただけるようになりました。
—開業地として蒲田を選ばれた理由は何でしょうか?
実は、もともと別の場所で開業する予定でしたが、直前にその計画が白紙になってしまいました。急遽、コンサルタントから提案されたのが蒲田だったのですが、ターミナル駅で人の往来が多く、お勤めの方や近隣住民の方など、様々な層の患者様が通いやすいという点に魅力を感じました。
—開業されてから、どのような時に医師としての喜びを感じられますか?
大学病院時代も嬉しかったですが、今は患者様が良くなっていく姿を見て、「自分自身の力で良い影響を与えることができた」と感じる瞬間が、何よりも嬉しいです。以前は人に頼ってばかりだと思っていましたが、今は自分のクリニックで実現できているという実感があります。
—精神科の患者様は継続的な通院が必要ですが、通い続けてくださる方がいることへの思いを聞かせてください。
本当に、定期的に通ってくださる患者様が増えたことが、非常に嬉しく、大きなモチベーションになっています。クリニックに来るのが億劫だと感じられる方もいらっしゃる中で、通い続けてくれるということは、当院がその方にとって良い影響を与えられている証拠だと感じています。
—開業してから、特に「やってよかった」と感じるサービスやシステムは何でしょうか?
やはり予約システムですね。電話予約よりも、患者様がスマートフォンなどで手軽に予約できるシステムにしたことで、「お待たせしない」診療スタイルが実現できています。これにより、患者様が「悩んだらすぐに受診したい」という気持ちに応えられるようになったと思っています。
—今後、クリニックとして特に力を入れていきたいと考えている分野は何でしょうか?
現在、カウンセリングを希望される患者様が多く、予約が取りにくい状況になっています。そのため、まずはカウンセリングの枠を増やしたいと考えています。予約が取れずに患者様のモチベーションが下がってしまうことは避けたいからです。
—数年後のスパンで、クリニックをどのように拡大していきたいというビジョンをお持ちでしょうか?
数年後には、休職されている会社員の方々を対象とした復職支援(リワーク)のプログラムを立ち上げたいという夢があります。また、診療体制をより充実させるために、医師の増員や、様々な心理士さんとの連携を深め、情報交換をしながら医療の質を高めていきたいと考えています。
—最後に、これから開業を目指す医師の方々へメッセージをお願いいたします。
私自身、開業は自分には向いていないのでは、と悩んでいた時期がありました。しかし、実際に開業してみて感じるのは、何よりもやりがいがあるということです。自分のクリニックを築き上げ、患者様から直接感謝や効果を実感できることは、大きな喜びです。大変なこともありますが、諦めずに頑張ってほしいと心から思います。
Profile
院長 田中 有咲
田中 有咲先生は、2018年に昭和大学医学部を卒業され、2020年に昭和大学藤が丘病院で初期臨床研修を修了後、昭和大学附属烏山病院精神神経科に入局されました。その後、2022年には昭和大学大学院医学研究科を修了され、2024年には昭和大学横浜市北部病院メンタルケアセンター助教としてご活躍されました。そして2025年、Ariメンタルクリニックを開院。現在は院長を務めながら、昭和医科大学横浜市北部病院メンタルケアセンターの兼任講師も務められています。流されるように医師の道へ進んだと謙遜されますが、実際は高い知的好奇心と努力で難関を乗り越え、現在は患者様の幸せを追求するAriメンタルクリニックの顔として、地域医療に貢献されています。