医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
「あさと整形外科リウマチ科」院長が目指す、患者さんに寄り添う医療とは?
あさと整形外科リウマチ科
院長 谷 亜諭
2025年6月、名古屋市中村区に開院した「あさと整形外科リウマチ科」。緑の芝生が広がるカフェのようなスタイリッシュな外観は、建築士であるお父様が設計を手掛けられたそうです。今回は、若くして分院長の経験を積み、満を持して地元での開業を果たした谷 亜諭(たに あさと)院長にお話を伺いました。ご自身がラグビーで負った怪我の経験から医師を志した経緯や、手術以外の選択肢である「保存療法」を重視する診療方針、そしてスタッフや地域への温かい想いについて、たっぷりと語っていただきました。
—さっそくですが、谷先生が医師を志したきっかけについて教えてください。
一番のきっかけは、私自身が高校時代にラグビーをしていて大怪我をしたことです。膝を痛めてしまい、手術を受けることになりました。その時にお世話になった執刀医の先生への憧れや、自分のようにスポーツで怪我をした人を治したいという思いが強く芽生えまして、その時点で「将来は医師になり、整形外科に進む」と心に決めていました。
—ご実家が医療家系というわけではなかったのですね。
ええ、全く違います。家族などに医療関係者は一人もおらず、ゼロからのスタートでした。高校3年生の引退時期まで部活漬けの毎日でしたから、現役での合格は難しくて(笑)。そこから2年間浪人をして、必死に勉強しました。「整形外科医になる」という明確な目標があったからこそ、ゼロからでもモチベーションを維持して、医学部に合格することができたのだと思います。
—医学部に入学されてからもスポーツは続けられたのですか?
はい、大学では野球部に所属し主将を務めました。ラグビーは助っ人として練習や試合に出るなどラグビー部のお手伝いをしていました。
—そこから迷いなく整形外科の道へ進まれたのですね。
そうですね。初期研修を終えてすぐに昭和大学藤が丘病院の整形外科に入局しました。学生時代からの目標が変わることはありませんでした。やはり、機能回復を通じて患者さんのQOL(生活の質)を直接的に高められるこの分野に、一番のやりがいを感じています。
—勤務医時代を経て、若くして分院長も経験されていますが、そこで得た学びは何でしたか?
専門医取得の後に医局を退局し、自ら志願し青葉台整形外科リウマチ科に就職しました。大学病院ではどうしても手術がメインになりますが、クリニックに来る患者さんの多くは「手術まではしたくない」「手術以外で治したい」という方々でした。そこで、手術以外の治療法である「保存療法」がいかに大切かを学びました。
—具体的な治療方針について教えてください。
昔ながらの整形外科だと、レントゲンを撮って骨に異常がなければ「湿布を出して様子を見ましょう」で終わってしまうことも少なくありません。でも、患者さんは痛いから来ているわけですよね。当院では、「様子を見る」だけで終わらせず、レントゲンには映らない筋肉や靭帯の状態をエコー(超音波)やMRIを使ってしっかり検査します。痛みの原因を可視化し、患者さんに納得していただいた上で、リハビリや注射などの治療を提案しています。
—リウマチ診療についても経験がおありだそうですね。
はい。分院長時代にリウマチ専門の先生と一緒に働く機会があり、多くの症例を経験しました。リウマチは早期発見・早期治療が非常に重要です。整形外科的な視点だけでなく、内科的な薬物療法も含めてトータルで診ることができるのは強みだと思っています。
—どのような患者さんに来ていただきたいですか?
「他の病院でレントゲンは異常ないと言われたけれど痛みが続く」という方や、スポーツでの怪我に悩む学生さんなど、幅広くご相談いただきたいです。もちろん手術が必要な場合は適切な病院を紹介しますが、まずは保存療法でできる限りのことを尽くして、痛みのない生活を取り戻すお手伝いをしたいと考えています。
—2025年6月に名古屋市中村区で開業されましたが、この場所を選ばれた理由は?
やはり「地元」というのが一番の理由です。実家もこの近くで、自分が生まれ育った街に医療で貢献したいという思いはずっとありました。土地探しには苦労しましたが、運良く大通りに面した広い土地が見つかり、ここなら地域の皆さんが通いやすいクリニックが作れると確信しました。
—建物のデザインがとても印象的ですが、こだわりを教えてください。
実は、父が建築士をしておりまして、建物の設計は父にお願いしました。「あまり病院らしくない、温かみのある雰囲気にしてほしい」とオーダーしたところ、広い芝生を設けたり、内装を木目調で落ち着いた空間にしたりと、様々な工夫を凝らしてくれました。父と一緒に仕事ができたという意味でも、非常に思い入れのあるクリニックになりました。
—患者さんからの評判はいかがですか?
「カフェみたいで入りやすい」「リラックスできる」といった嬉しいお声をいただいています。特に待合室は天井を高くして開放感を持たせているので、圧迫感がなく過ごしやすいと言っていただけることが多いですね。
—開業されてから嬉しかったエピソードはありますか?
患者さんのリアルな口コミで、新しい患者さんが来てくださることですね。「あそこに行ったら良くなったよ」「先生がよく話を聞いてくれるよ」と、ご近所の方やご友人におすすめされて来院される方が増えてきて、それが本当に一番嬉しいですし、励みになります。
—院内のスタッフや雰囲気づくりについて意識されていることはありますか?
「アットホーム」な環境を大切にしています。採用の時点でも、スキル以上にコミュニケーション能力や人柄を重視しました。私が細かく指示を出さなくても、スタッフ同士で話し合って自発的に動いてくれる素晴らしいチームができています。
—最近はネット上の口コミなども気になるところかと思いますが、どう向き合われていますか?
Googleの口コミなどは、AIなども活用しながら、できる限り丁寧に返信するようにしています。中には事実と異なる厳しいご意見をいただくこともありますが、真摯に受け止めつつ、事実無根なことには毅然としつつも、基本的には「見てくれている人への誠意」として返信を行っています。そうした姿勢も含めて、信頼していただければと思っています。
—今後のクリニックの展望や課題について教えてください。
おかげさまで多くの患者さんにご来院いただいていますが、待ち時間が長くなってしまうことが現在の課題です。予約システムの改善やDX化を進めて、よりスムーズに受診いただける環境を整えていきたいです。
—最後に、地域の方々へメッセージをお願いします。
今後はスポーツ整形にもさらに力を入れ、近隣の高校の部活動のサポートなども積極的に行っていきたいと考えています。怪我の予防から治療、復帰までトータルで支えられるクリニックを目指しますので、体のことでお困りの際は、ぜひ気軽にご相談ください。
Profile
院長 谷 亜諭
谷 亜諭(たに あさと)先生 あさと整形外科リウマチ科 院長 2017年3月に新潟大学医学部医学科を卒業後、新松戸中央総合病院での初期臨床研修を経て、2019年4月より昭和大学藤が丘病院整形外科に入局。整形外科医としての研鑽を積む中、2023年7月からは医療法人社団やまびこ 青葉台整形外科リウマチ科の院長を務め、地域医療の経営と診療の最前線で経験を重ねました。2025年6月、生まれ育った名古屋市にて「あさと整形外科リウマチ科」を開業。スポーツ整形やリウマチ診療を中心に、地域住民の健康を支えています。