患者さんと同じ目線で立ち、一生の伴走者へ。アトピースキンケアクリニック 古橋卓也院長が掲げる「伴走型医療」の真意
2026.02.20
「肌の弱さは、あなたのせいじゃない」自分を責めない治療への第一歩
アトピースキンケアクリニック
院長 古橋 卓也
愛知県春日井市に新たに誕生した「アトピースキンケアクリニック」。その舵を取るのが、長年地域医療の最前線で研鑽を積んできた古橋卓也院長です。古橋院長は、春日井市民病院の皮膚科主任部長を務めるなど輝かしい経歴を持ちながら、なぜ今、アトピー性皮膚炎に特化したクリニックを開設したのでしょうか。自らもアトピー患者として苦しんだ経験を持ち、「患者さんと同じ目線で立ちたい」と語る古橋院長の情熱。そこには、従来の保険診療の枠を超えた、一人ひとりの人生に深く関わろうとする強い決意がありました。
—さっそくですが、医師を志したきっかけは何だったのでしょうか?
正直に言うと、高校生の頃に『白衣を着てみたい』という素朴な憧れからスタートしました。また、親から『手に職をつけなさい』と言われていたこともあり、自然と医療の道を目指すようになりました。
—なぜ数ある診療科の中で皮膚科、特にアトピーを専門に選んだのですか?
僕自身が中学生の頃からアトピーで、朝起きたら枕が血だらけだったり、体育の授業に出るのが恥ずかしかったりと、辛い思いをしてきた当事者だからです。自分の経験が最も活かせる場所だと確信し、この道を選びました。
—患者さんと接する際、ご自身の経験はどのように活かされていますか?
アトピーの方は、原因を自分に求めて責めてしまう方が多いんです。でも、目が見えにくい人が眼鏡をかけるのが普通なように、肌が弱い人がケアをするのも普通のこと。『それはあなたのせいじゃない、当たり前のことなんだよ』と、同じ目線で伝えられるのが僕の強みだと思っています。
—基幹病院の主任部長という要職を辞して、開業を決意された理由は?
大きな組織では多くの疾患を広く診る必要がありますが、僕はもっと一人ひとりのアトピー患者さんに時間を割きたいと考えました。従来の保険診療だけでは補いきれないスキンケアや心のケアに、もっと自由な立場で深く関わりたかったのです。
—「アトピーに特化」という看板には、どのような戦略や想いがありますか?
あえて絞ることで、本当に困っている方が『ここなら』とドアを叩ける場所にしたいと考えました。母数の多い悩みだからこそ、専門性を極めることで、他では救いきれなかったニーズに応えられると信じています。
—診療において、特にこだわっていることはありますか?
薬を出すだけでなく『聴く』ことです。スタッフにも『まずは患者さんの話を聴くことから始めよう』と徹底しています。患者さんが何を求めているのか、その背景にある生活まで含めて理解した上で治療を提案することを大切にしています。
—最新の薬の導入についてはどのようにお考えですか?
新しい治療法は積極的に、かつ迅速に取り入れていきます。大きな病院だと手続きに時間がかかることもありますが、クリニックなら僕の判断でいち早く患者さんに届けられるのがメリットです。
—美容皮膚科的なアプローチも取り入れると伺いました。
アトピーが落ち着いた後、今度は『ホクロを取りたい』『脱毛したい』という希望が出てくるのは自然なことです。一般的な美容クリニックでは断られがちなアトピー患者さんも、当院なら皮膚状態を診ながら安全に施術できる。そこまで含めたトータルな美しさをサポートしたいです。
—ビタミンAを用いた肌質の改善など、独自のケアも検討されているようですね。
はい。薬で炎症を抑えるだけでなく、化粧品なども活用して『荒れにくい肌』へとトレーニングしていく取り組みに挑戦したいです。医療の限界を超えて、いかに患者さんの日常を豊かにできるかを探求し続けたいと思っています。
—スタッフ採用で最も重視したポイントは何ですか?
一番は『笑顔』と『ファーストインプレッション』です。アトピーで悩んでいる方は心が沈んでいることも多いため、明るく温かな雰囲気で迎え入れ、居心地の良さを感じてもらえるチームであることを大切にしました。
—どのようなクリニックとして、地域に根付いていきたいですか?
『ここに来れば安心できる』という駆け込み寺のような存在になりたいです。単なる皮膚の治療場所ではなく、患者さんが自分を好きになり、笑顔で社会に戻っていくための拠点になれば嬉しいですね。
—今後の目標や、挑戦したい「夢」を教えてください。
アトピーに対する世の中の意識を変えたいです。『気合が足りない』とか『生活習慣が悪い』といった無理解な情報のせいで傷つく人をゼロにしたい。アトピーであっても堂々と、自分らしく笑顔でいられる社会。それを皆さんと一緒に作っていくのが僕の夢です。
Profile
院長 古橋 卓也
古橋院長は2006年に滋賀医科大学医学部を卒業後、地元である春日井市民病院で研修を開始されました。その後、名古屋市立大学皮膚科にて皮膚免疫学などの高度な研究や診療に深く従事し、医学博士号を取得されています。稲沢厚生病院皮膚科医長や、春日井市民病院皮膚科主任部長といった要職を歴任し、長年にわたり地域医療の最前線で研鑽を積んできた実力派の医師です。 専門医としての卓越した知見に加え、患者さんと同じ痛みを分かち合える経験者としての視点を併せ持っているのが最大の特徴です。単なる薬の処方のみならず、患者さんの日常や心に深く寄り添い、共に歩んでいく「伴走型医療」を提唱し、一人ひとりの笑顔を取り戻すための診療に情熱を注いでいます。