Interviewインタビュー

「救えなかった悔しさを原動力に」ファミリークリニックひきふね院長が内視鏡検査で描く、地域医療の三つ星スタンダード

ファミリークリニックひきふね

院長 梅舟 仰胤

東京都墨田区、再開発が進む曳舟エリアで異彩を放つ医療機関があります。「ファミリークリニックひきふね」は、年間1万件を超える内視鏡検査実績を誇り、遠方からも患者が絶えないクリニックです。院長を務める梅舟 仰胤 先生は、東京大学医学部出身の専門医でありながら、「医療はサービス業」と言い切り、徹底した患者視点を追求しています。 「大腸がんで亡くなる人をゼロにしたい」という不変のミッションを掲げ、なぜこれほどまでに多くの支持を集めるのか。医師としての原点から、コロナ禍での決断、そしてスタッフ一丸となって取り組む「感動を呼ぶ接遇」の裏側まで、梅舟院長に詳しくお話を伺いました。

大腸がん死亡者ゼロを目指して–ファミリークリニックひきふね 梅舟 仰胤 院長が語る「感動医療」の真髄

医師としての原点と曳舟での開業

さっそくですが、先生が医師を志したきっかけを教えてください。

小学生の頃、親友を骨肉腫で亡くした経験が原点です。救えなかった悔しさが強烈な原動力となり、漠然と医師を目指すようになりました。その頃の想いが、現在の「一人でも多くの患者様を救いたい」という姿勢に繋がっています。

なぜ、この「曳舟」という地を選ばれたのでしょうか?

元々勤務していた東大病院との良好な連携を維持できるよう、距離的に近い場所を探していました。また、スカイツリーができてから人口流入が増え、活気ある下町の雰囲気と再開発による新しいエネルギーが混ざり合うこの場所に魅力を感じたからです。

開業当初、苦労されたことはありましたか?

最初は内視鏡に特化しようとしましたが、地域になかなか受け入れられず、患者様が1日に数名という時期もありました。まずは何でも診る「街の医者」として認知度を高めることに徹し、そこから段階的に内視鏡へとフォーカスを戻していくリブランディングを行いました。

「医療の三つ星」を目指す独自のサービス哲学

クリニックのコンセプトとして掲げている「ミシュラン三つ星」とはどういう意味ですか?

三つ星レストランは「そのために遠方から旅をする価値がある」場所です。私たちのクリニックも、多少遠くても「あそこに行けば安心だ」と選んでいただける価値を提供したいと考えています。適切な医療は前提として、その「前後」にあるサービスに徹底的にこだわっています。

患者様への接遇において、特に意識されていることは何でしょうか?

患者様がクリニックの扉をくぐった瞬間からサービスは始まっています。スタッフ全員にホスピタリティ溢れる接遇を求めており、もし満足いただけなかった場合は、私自らお電話を差し上げたり、お手紙を書いたりして改善に努めています。

具体的に、どのような仕組みで満足度を高めているのですか?

必ずアンケートを書いていただき、何が不満だったのか、何が良かったのかを細かく拾い上げています。マイナスの評価は決してそのままにせず、一人ひとりの声に真摯に向き合うことが、信頼に繋がると信じています。

公式LINEを活用した結果説明も、その一環でしょうか?

そうですね。LINEを通じてスムーズに結果を説明し、コミュニケーションを密にすることで、患者様の利便性を高めています。その結果、口コミの評価も非常に高くなり、現在は紹介による来院が8割を占めるまでになりました。

コロナ禍での決断と内視鏡検査への情熱

コロナ禍はクリニックにとってどのような時期でしたか?

大きな転換点でした。多くの病院が内視鏡検査をストップさせる中、私たちは感染対策を万全にした上で、あえて「内視鏡に全振り」するという決断をしました。検査を受けられずに困っている「検査難民」の方々を救いたいという一心でした。

その決断が、現在の圧倒的な検査実績に繋がったのですね。

はい。一般の患者様と動線を分けた「内視鏡センター」を立ち上げたことで、飛躍的に検査数が増えました。昨年には年間1万件を突破し、当初掲げていた目標を一つ達成することができました。

「早期発見」のために、先生が最も大切にされていることは?

啓蒙活動です。症状がないうちに検査を受けるハードルは高いですが、大腸がんは定期的な検査で防げる病気です。SNSでの発信や、実際に受診した患者様が「受けて良かった」と周囲に伝えてくださる流れを大切にしています。

女性専用のアネックス(分院)を新設された理由も、その啓蒙のためですか?

女性にとって内視鏡検査は心理的ハードルが高いものです。365日いつでも女性が安心して検査を受けられる専用フロアを作ることで、一人でも多くの女性に受診してほしいという願いから開設しました。

未来展望:大腸がん死亡者ゼロの社会へ

現在、クリニックが直面している課題はありますか?

ありがたいことに多くのご予約をいただいていますが、現在は「1ヶ月待ち」といった状況が出てしまっています。「早く受けたい」というニーズに応えられないのは申し訳なく、この待ち時間をどう改善していくかが今後の大きな課題です。

先生が描く、数年後のクリニックのビジョンを教えてください。

診療だけでなく、情報発信も含めてさらに力を入れていきます。曳舟近隣の方だけでなく、より遠方のエリアの方々にも「あそこのクリニックが言っているなら検査に行こう」と思っていただけるような、信頼の拠点にしていきたいです。

梅舟先生個人としての「夢」を教えてください。

私は仕事人間なので、クリニックの夢が自分の夢です。来年で10周年を迎えますが、やはり「大腸がんで亡くなる方をゼロにする」というミッションを完遂したい。誰もが当たり前に定期検査を受け、防げるはずの病で命を落とすことがない社会を目指します。

Profile

院長 梅舟 仰胤

東京大学大学院博士課程を修了された後、東大病院消化器内科や東京曳舟病院などで専門的な診療に従事されてきました。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、がん治療認定医、そして総合内科専門医の資格をお持ちです。 2017年に墨田区にて「ファミリークリニックひきふね」を開業されました。圧倒的な技術力と、ホテルさながらの接遇を融合させた独自のスタイルを確立され、年間1万件を超える内視鏡検査実績を築かれています。また、SNSを通じた積極的な医療情報の発信により、大腸がん予防の重要性を全国へと広められています。

会社情報

医院名

ファミリークリニックひきふね

設立

2017年