—先生が歯科医師を志されたきっかけは何だったのでしょうか？

私の母親が看護師だったことが大きいです。身近に医療の仕事があったので、幼い頃から自然と医療の世界に興味を持つようになりました。

—数ある歯科治療の中で「矯正治療」を専門に選ばれたのはなぜでしょうか？

私自身が歯科大学の学生時代に矯正治療を受けた経験があるんです。自分の歯並びが改善し、笑顔に自信が持てるようになった経験から、「この素晴らしい治療を、自分も他の患者様にも提供してあげたい」という強い想いが芽生えました。これが、矯正治療を専門に選んだ一番のきっかけです。

—二子玉川駅前矯正歯科を開院された経緯についてお聞かせください。

歯科医師になった人のうち、約95%が開業すると言われていますので、私自身も開業することは当たり前のことだと考えていました。勤務医として働いている中で、より自分の理想とするクリニックを作りたいという気持ちが強くなり、開業を決意しました。理想とする治療環境や患者様への対応を追求していくうちに、自然と開業という目標が明確になっていったのだと思います。

—先生が日々の診療で最も大切にされていることは何ですか？

矯正治療は年単位の長いお付き合いになりますので、やはり患者様とのコミュニケーションが最も重要だと考えています。患者様が抱える不安や疑問をしっかりと感じ取り、解消して差し上げることが大切です。何を望んでいらっしゃるのかを正確に把握するために、丁寧な対話を心がけています。

—逆に、診療において大変だと感じられるのはどのような点ですか？

やはり患者様一人ひとりの要望や状態が非常に細かく、多岐にわたることです。特に矯正治療では、緻密な計画と繊細な技術が求められます。患者様のご要望に応えるためには、私たちもより繊細に、丁寧に治療を進めていく必要があり、そこに一番気を遣います。

—治療を通して「喜び」や「幸せ」を感じられる瞬間はどんな時ですか？

治療が完了し、装置を外した時に患者様から直接感謝の言葉をいただけた瞬間は、本当に嬉しいです。また、当院では小児矯正にも力を入れていますが、親御さんが非常に喜んでくださるのを見るのも、大きな喜びを感じる瞬間です。親御さんがお子様の将来の口元を心配され、その不安が解消されて心から喜んでくださる時が、最も報われる瞬間だと感じます。

—二子玉川駅前矯正歯科の矯正治療における「強み」や「他院に負けない点」は何でしょうか？

当院では、お子様からミドルエイジの方まで幅広い年齢層の患者様に対応できる点が強みです。そして、小児矯正から成人矯正まで、ワイヤー矯正、マウスピース矯正（インビザライン）といった多様な治療法に対応できる環境が整っています。

—先生のおすすめの矯正方法があれば教えていただけますか？

例えば、前歯が噛み合わず開いてしまう「開咬（かいこう）」の症状の場合、ワイヤーよりもマウスピース矯正（インビザライン）の方が圧倒的に有利に治せるケースが多いんですよ。

—開咬の治療でマウスピース矯正が有利なのは、どういった理由からでしょうか？

マウスピースは、奥歯を少しずつ沈み込ませる（圧下する）作用に優れているからです。奥歯がわずか1mm沈むだけで、前歯の隙間は3mmも閉じると言われています。開咬は奥歯の噛み合わせのバランスが原因の一つであることが多く、マウスピースであれば奥歯を効果的に沈み込ませ、前歯を閉じやすくすることができるのです。

—診療において、新しく導入して良かったシステムや機器はありますか？

3Dスキャナーですね。特に、最新のアイテロという機種を導入しているのですが、非常にスピーディーに歯型が取れるため、患者様の負担軽減にもつながっています。

—歯科医師として、また経営者として、先生が掲げられている「理念」は何でしょうか？

矯正治療は長期間にわたりますから、患者様とのお付き合いも長くなります。だからこそ、私自身が日々研鑽を積み、治療を最後まで責任を持ってやり遂げること、そして患者様一人ひとりと真摯に向き合い、高いレベルで治療を完了させることを理念としています。そのために、常に新しい知識と技術を学び続ける姿勢を大切にしています。

—未来のビジョンとして、どのようなクリニックになっていたいですか？

今後、患者様の層はさらに広がっていくと思います。そのため、あらゆる患者様のニーズや症例に対応できる柔軟な体制のクリニックになっていきたいですね。特に、当院は現在、小児矯正を全てマウスピース矯正で行っており、「今まで治らなかったような症例もマウスピース矯正で治せる」という実績をさらに積み重ね、小児矯正の分野でより多くのお子様の笑顔を創造していきたいです。

—最後に、これから開業を目指す、あるいは若手の歯科医師の先生方へ、先輩としてメッセージをお願いします。

私から伝えたいのは、「学びを止めずに、日々研鑽を積むこと」の大切さです。今の時代は、医療技術や世の中の変化のスピードが非常に速いです。私たち歯科医師も、立ち止まってはいけません。例えば、Zoomなどを使ったオンラインセミナーも多く、私も積極的に参加して最新の知識を取り入れています。学ぶことをやめず、常に新しいことへの挑戦し続ける姿勢を持つことで、モチベーションも維持でき、患者様により質の高い治療を提供できるようになります。この姿勢こそが、歯科医師として成長し続けるために最も重要だと考えています。