Interviewインタビュー

父から受け継いだ信頼を守りながら、新しい技術を取り入れ、未来へつなぐ歯科医療のあり方を語る

医療法人 早川歯科医院

理事長・院長 早川 大地

栃木市で40年以上にわたり地域の方々に親しまれてきた医療法人 早川歯科医院。その歴史を引き継ぎ、現在理事長・院長を務めるのが早川大地先生です。父の背中を見て歯科医師を志し、矯正治療を専門に学びながらも、一般診療や幅広い分野にも取り組んできた先生は、患者様一人ひとりに寄り添う姿勢を大切にしています。スタッフとの信頼関係や地域とのつながりを育みながら、経営者としても挑戦を重ねる日々。今回のインタビューでは、歯科医師を志したきっかけから医院のビジョン、そしてこれからの夢までをじっくりと伺いました。

地域に根ざし、世代を超えて愛される歯科医院へ ― 早川歯科医院 早川大地先生インタビュー

歯科医師を志した原点と開業までの道のり

先生が歯科医師を目指されたのは、どんなきっかけがあったのでしょうか。

一番大きかったのは父の影響です。父が歯科医師で、口腔外科を専門にしていて、さまざまな有病者の治療や手術を手掛けていました。その姿を身近に見て、自分も自然と歯科医師を志すようになりました。私はまず矯正歯科に進むことを目指し、東京医科歯科大学(現:東京科学大学)で矯正治療を学びました。矯正治療専門の道に進む人が多い中で、私は実家に戻って一般治療も担いたいと考えていたため、矯正治療と並行して一般治療についても学びを深めていきました。

実際に開業されるまでには、どのような経緯があったのですか。

繰り返しになりますが、父の影響が非常に大きかったです。父が長年、地域で患者さんを支えてきた姿を見て、自分もその流れを継ぎたいと考えていました。私は栃木市で生まれ育ったこともあり、地元に貢献したいという気持ちが強かったんです。父が約40年かけて築いてきたクリニックを引き継ぎ、愛着ある地域で診療を続けることを決意しました。

診療スタイルと専門分野の強み

ご自身の専門について、どのように捉えていらっしゃいますか。

私自身の一番の強みは矯正治療であると認識していますが、単に審美的な側面だけでなく、予防やその他全ての治療を含めた総合的な歯科医療を提供することに力を入れています。 また妻も歯科医師であり、自身の専門分野が「矯正治療」である一方、妻は「口腔外科」や「インプラント」を専門としています。これにより、幅広い層の患者に対応できることが強みだと思います。

診療科目についても教えていただけますか。

矯正治療歯科をはじめ、むし歯や歯周病、予防歯科、口腔外科、小児歯科、審美歯科、インプラント、ホワイトニングと、幅広く対応しています。

日々の診療で意識されていることはどんな点でしょう。

患者様一人ひとりに寄り添うこと、そして「ちゃんと伝わっているか」を確認しながら分かりやすく説明することです。地域密着のクリニックとして、長く通っていただける関係性を築くことを大切にしています。

働く仲間と人材の環境づくり

スタッフの採用や人材面はいかがでしょうか。

おかげさまでとても順調です。長く勤めてくれているベテランスタッフが多く、本当に助けられています。一度退職した方が戻ってきてくれたり、元スタッフが患者さんとして来院したりすることも少なくありません。現在は幅広い世代のスタッフがバランスよく在籍しています。先代の父が築いた「何を聞いても怒らないので、分からないことはしっかり聞きなさい」という方針が、働きやすさと定着率の高さにつながっていると実感しています。

経営を通して感じた喜びと難しさ

これまでで一番大変だったご経験を教えていただけますか。

継承当初は特に大変でした。長年父に診てもらっていた患者様の中には、父を「神格化」している方もいて、自分が治療する余地がないように感じたこともありました。自分自身の力で信頼を得るのに時間がかかりましたね。ただ一方で「息子さんなら信頼できる」と言ってくださる方も多く、それに支えられた部分もありました。

逆に、経営していて一番嬉しい瞬間はどんな時ですか。

患者様から感謝の言葉をいただいた時が一番嬉しいです。虫歯でボロボロだった歯がきれいになったり、矯正治療で整った口元を見て喜んでもらえた時には、大きなやりがいを感じますね。

経営の中で特に大変さを感じる点は何でしょうか。

やはり患者様に自分を認知していただき、信頼を積み重ねていくことです。その重要性は常に意識しています。

では改めて、医院としての経営理念を教えてください。

父が40年間かけて築いた信頼を引き継ぎ、さらに発展させていくことです。地域に根差し、患者様が安心して長く通える歯科医院であり続けたいと思っています。

数年後にはどんなクリニックを目指していらっしゃいますか。

家族みんなで通ってもらえるような、地域に根付いた歯科医院でありたいです。私の専門である矯正治療や、妻の口腔外科・インプラントをさらに強化しながら、治療後の予防やメンテナンスにも力を入れていきたいですね。

経営者としてのポリシーについても伺いたいです。

利益だけを追い求めるのではなく、患者様に寄り添った経営を大切にしています。治療の内容をしっかりと分かりやすく伝え、長く通っていただける関係性を築くことが目標です。ただし経営には利益の側面も不可欠なので、そのバランスに悩むこともあります。医療機関としてのあるべき姿を守りつつ、経営も少しずつ成長させていきたいと思っています。

地域の患者様とこれからの展望

どういった患者様に来ていただきたいとお考えですか。

特定の層に限らず、幅広い患者様を受け入れたいと思っています。

集患状況はいかがですか?

まだまだ患者様を増やせる余地はあります。

人材募集については現在どうされていますか。

今は特に募集はしていません。

経営の課題と新しい取り組み

経営者として直面している課題はありますか。

歯科医師としての考えと経営者としての考え方、そのバランスを取ることが難しいですね。

最近導入してよかったと感じるものはありますか。

デジタルスキャナーですね。非常に便利でおすすめです。ただし、電子カルテなどクリニック全体をデジタル化するとなるとコストも大きく、地方では紙で十分という現実もあります。そのバランスは悩ましいところです。

未来を担う先生方への言葉と描く夢

最後に、これから開業を目指す先生にメッセージをお願いします。

まず、先代の先生と真正面からぶつかることは避けたほうがいいと思います。意見を交わすことは大切ですが、対立にならないよう注意が必要です。そして患者さんに自分の存在を少しずつ認知してもらうことが大切です。週に一度でも顔を出していれば、安心感につながります。継承後も急な変化を避けて、ゆるやかに移行していくことが良いと思います。お互いにリスペクトし合う姿勢を持ち、患者さんやスタッフに「このクリニックは続いていく」と感じてもらえることが円滑な継承につながるはずです。

先生にとっての夢をお聞かせください。

技術の進化でできることが増えていますので、それを最大限に活用し、多くの方を助けたいです。そして父から受け継いだこの歯科医院を少しずつ大きく育てていくことが、私の夢です。

Profile

理事長・院長 早川 大地

医療法人 早川歯科医院の理事長・院長 早川 大地は、父の影響を受けて歯科医師を志しました。現在は、父が約40年間にわたり地域医療を支えてきた医院を継承し、矯正治療を中心に妻の専門である口腔外科・インプラントを組み合わせた総合的な歯科医療を提供しています。患者一人ひとりに寄り添った診療を大切にし、地域に根ざした歯科医院としての役割を担いながら、さらなる発展を目指しています。

会社情報

医院名

医療法人 早川歯科医院

設立

開業1986年・法人設立1990年