Interviewインタビュー

地域密着の診療で、患者様の悩みを解決へ導く

本駒込耳鼻咽喉科

院長 吉越 彬

東京都文京区本駒込にある「本駒込耳鼻咽喉科」は、地域の方々に寄り添った質の高い耳鼻咽喉科診療を提供されています。院長の吉越 彬先生は、親身な対応と丁寧な説明で、患者様の不安を和らげ、信頼関係を築かれています。大学病院や総合病院での豊富な経験を活かし、お子様からご高齢の方まで幅広い世代の耳、鼻、喉の悩みに対応。特に、生活習慣病や成長発達に関する耳鼻咽喉科的な問題にも注力し、患者様のより良い未来のための予防医療にも力を入れていらっしゃいます。今回は、吉越先生が医師を志したきっかけや、開業への想い、そして診療で大切にされていることなど、多岐にわたりお話を伺いました。先生の患者様に対する真摯な姿勢と、地域医療への熱い情熱が伝わるインタビューをぜひご覧ください。

患者様と真摯に向き合い、地域医療に貢献–本駒込耳鼻咽喉科 院長 吉越 彬 先生インタビュー

医師を志した背景と地域医療への想い

まず、先生が医師を志されたきっかけについて教えていただけますか?

私自身、親が医師で、仕事として医療に携わっている姿を身近で見ていたことが一番大きいですね。また、祖父や叔父も医師をしており、家族に医師が多いという環境で育ちました。そのため、医療という職業が非常に身近な存在であったことは、医師の道を志す上で大きな要因だったと思います。

大学病院などでのご勤務を経て、開業されるに至った経緯をお聞かせください。

開業を決めた一番の理由は、より地域に密着した、患者様一人ひとりの背景に合わせたきめ細やかな診療を提供したいと考え、地域医療に貢献したいという想いからです。

開業されてから、今年で6年目に入られたとのことですが、開業当初、最もご苦労されたエピソードがあればお聞かせください。

開業したのが2020年で、ちょうど新型コロナウイルスが流行し始めたタイミングだったことです。3月に開業し、4月には緊急事態宣言が出されました。病院は開いていても、患者様の足が遠のき、来院患者数が非常に少ない時期が長く続きました。ただ、その苦労があったからこそ、医療面だけでなく、経営面やマーケティング(SNS活用など)についても真剣に学び、様々なことに挑戦するきっかけになり、今のクリニックの安定につながっていると思います。

患者様への寄り添いと質の高い診療へのこだわり

診療される上で、特に意識されていること、注意されている点は何ですか?

患者様に対しては、できる限り専門用語を使わず、わかりやすい言葉で説明することを心がけています。噛み砕いて説明しつつも、診断名については、しっかりとお伝えするようにしています。

「風邪」と診断された場合でも、より詳しく説明されるのでしょうか?

はい、「風邪」と一言で言っても、原因は様々です。単なる風邪で済ませず、「副鼻腔炎の疑いがある風邪」「ウイルス性の感染」など、できる範囲で具体的な説明を加えています。患者様に「なぜそうなったのか」「どうすれば治るのか」「再発を防ぐにはどうすれば良いのか」といった、診断だけでなく、予防医学的な観点からの説明も大切にしています。

新しい医療機器やシステムで、導入して良かったものはありますか?

最近導入したものでは、めまいの検査機器が良かったですね。大学病院などでないと難しかった、より詳細なめまいの検査ができるようになりました。今までモヤっとしていためまいの原因が、例えば中枢性(頭の病気)の可能性など、より明確に特定できるようになったため、患者様へ客観的な根拠に基づいた説明や、適切な専門医への紹介ができるようになり、不安解消に役立っています。

逆に、クリニック経営をされていて、「嬉しい」「幸せだな」と感じる瞬間はどのような時ですか?

やはり、患者様の病気が解決に向かった時や、抱えていた悩みが解消された時です。特に、これまで原因がわからず不調だった方が、当院に来て納得のいく説明を得られたり、治療の方向性が定まったりした時は、心から嬉しく思います。地域医療として、患者様の困り事を解決に導くことが、私たちの仕事だと考えています。

安定した経営基盤とスタッフの環境整備

クリニックの経営理念や、大切にされていることは何でしょうか?

当院では、「一人ひとりに丁寧で質の高い医療を届ける」ことを大切にしています。数をこなす診療ではなく、じっくりと向き合う診療を通じて、患者様にご納得いただける結果を提供したいと考えています。必要な検査をしっかり行い、その内容や結果を丁寧にお伝えすることで、安心と信頼を感じていただける医療を目指しています。その積み重ねが、結果として診療の価値を高めることにつながると考えています。

質の高い医療を支えるスタッフの方々への配慮として、どのようなことをされていますか?

医療の質を高めていくことは、他のクリニックとの差別化につながると同時に、スタッフ一人ひとりの協力が欠かせません。そのため当院では、賃金面の見直しに加え、働きやすい環境づくりにも力を入れています。たとえば、美容医療(フォトフェイシャルなど)をスタッフが割引価格で受けられる制度や、宿泊施設をお得に利用できる仕組みを導入しています。スタッフが安心して長く働ける環境を整えることが、結果的に質の高い医療の提供につながると考えています。

スタッフの採用について、大切にされていることはありますか?

当院は現在、私を含めて12名のスタッフで運営しています。採用に関してはやはり簡単ではないと感じていますが、できるだけお互いにとって良いご縁となるよう努めています。特に女性スタッフが多い職場のため、採用面接には看護師である妻にも同席してもらい、男性だけの視点に偏らないよう心がけています。そのおかげで、入職後のミスマッチも少なく、長く勤務してくれるスタッフが多いのは嬉しい点です。

開業を目指す医師へのメッセージと未来への展望

これから開業を目指す先生方へ、アドバイスがあればお願いします。

今後は、保険診療のみでクリニックを安定的に運営していくことが、次第に難しくなっていく可能性があります。医療費の抑制が進む中で、保険診療の環境は厳しさを増すことも考えられます。そのためこそ、「自分は何のために開業するのか」という目的や理念を明確に持つことが、これからの時代により大切になっていくと感じています。

開業する上で、どのような対策を講じるべきでしょうか?

保険診療の中で今後どう対応していくかを考えることも大切ですが、それとあわせて自費診療をどのように取り入れていくかという視点も重要になってきます。当院でも、美容医療の一部を導入することで、自費診療を通じて経営の安定化を図っています。保険診療にとらわれず、自分が目指す医療の形や患者様のご要望に合わせて、自費診療を柔軟に取り入れていくことが、これからのクリニック運営において一つの選択肢になると考えています。

最後に、吉越先生のこの先の夢や目標についてお聞かせください。

私の目標は、未来を担う子どもたちが健やかに成長できるよう支えていくことです。特に、子どものうちに抱える不調が将来の生活に影響を及ぼさないよう、予防の観点から医療に取り組んでいきたいと考えています。 たとえば、睡眠時無呼吸症候群やアレルギー性鼻炎などは、学習や成長にも影響を与える可能性があります。こうした症状に対しては、保護者の方々にも正しい知識をお伝えし、早期に適切な対応ができるようサポートしていくことが大切だと思っています。未来ある子どもたちが健やかに日々を過ごせるよう、医師としてできる限りの支援を続けていくことが私の願いです。

Profile

院長 吉越 彬

吉越 彬先生は、2007年に東京慈恵会医科大学医学部をご卒業後、千葉大学附属病院や国保旭中央病院にて初期研修を積まれました。その後、東京慈恵会医科大学附属病院の耳鼻咽喉科に入局され、厚木市立病院、東京慈恵会医科大学 柏病院、東京臨海病院、同愛記念病院など、複数の病院で耳鼻咽喉科医としての経験を重ねられました。2019年から2020年には金町脳神経内科耳鼻咽喉科に勤務され、2020年より「本駒込耳鼻咽喉科」の院長として、地域医療に貢献されています。ご家族に医師が多いという環境で育ち、幼い頃から医療を身近に感じていたことが、医師を志す大きなきっかけの一つになったそうです。保険診療の枠に留まらず、美容皮膚科的なアプローチも取り入れ、多角的な診療を目指されています。

会社情報

医院名

本駒込耳鼻咽喉科

設立

2020年