「人に感謝されることが、やりがいになる」──横浜駅西口歯科・大橋豪院長が語る、信念ある診療と組織づくり
2025.07.15
開業への助言と描くビジョン—子どもたちが才能を発揮できる社会を目指して
アイデス・クリニック
院長 池田 勝紀
発達障がいや自閉症のお子様を持つご家庭の中には、「どの治療や療育が最適かわからない」「子どもの特性に合った支援をしてくれる医師に出会いたい」と悩む方も少なくありません。アイデス・クリニックの院長・池田勝紀先生は、そんな不安を抱えるご家族に寄り添いながら、日々の診療と支援にあたっています。自身の経験や海外で学んだ知見をもとに、医療と療育を組み合わせた総合的なサポートを提供。クリニックは品川駅から徒歩圏内にあり、全国からアクセスできる環境を整え、遠隔診療も活用しながら、一人ひとりの可能性を引き出すことを目指しています。本記事では、池田先生の専門性や支援への想い、そして親しみやすい人柄に迫ります。
—先生が医師を志されたきっかけからお聞きしてもよろしいでしょうか。
特別な理由ではないのですが、祖父の代から医師をしていて、その姿を見て育ちました。父や祖父の背中を見て自然と「自分も」と思ったのが原点ですね。
—なるほど、ご家族の影響が大きかったんですね。では、開業されるまでにはどんな経緯があったのでしょう。
実は息子がASDと知的障がいを併せ持っていて、当時は施設で療育を受けていました。でも「もっと別のアプローチがあるのでは」と思い、海外で学んだ方法を日本で試してみたいと考えたんです。ちょうど近隣の先生がその治療を実践されていたので、そこで息子を診てもらったら効果が出ました。その経験から「困っている親御さんを助けたい」と思うようになり、最初は他のクリニックを間借りして小さく始めました。やがて患者さんが増え、2018年に自分のクリニックと施設を立ち上げることになりました。
—ご自身の専門分野はどんなところにあるのでしょうか。
大きく分けて三つあります。救急医学、アンチエイジング・キレーション療法、そして今いちばん力を入れているのが、自閉症や発達障がいのお子さんとご家族のサポートです。
—ちなみに、クリニックの診療科目も教えていただけますか。
内科・小児科・心療内科・精神科です。
—開業当初、患者さんに来てもらう点で苦労したことはありましたか。
思っていたほど大きな苦労はなかったと思いますね。最初は満尾クリニックさんで間借りしていたので、その患者さんがそのまま私の診療も受けてくださいましたし、発達障がい専門の施設を運営していたので、その利用者の方も来てくださいました。最近はWEBや書籍を見て来られる方も多く、九州から来られる方もいます。遠隔診療や検査はZoomで対応できるので、全国の患者さんに利用していただいています。クリニックは品川駅近くで新幹線や山手線でも来やすい場所なので、立地にも助けられています。
—では、逆に「これは大変だった」と思う出来事はありますか。
一番はコロナの時期です。待合室を個室にしていたので感染対策はできましたが、積極的に患者さんを増やす動きはできませんでした。また今も課題ですが、認知度をどう広げるかに苦労しています。キャッチーな言葉で広げるより、必要とされる方に正しい情報を届けたいので、その点が難しいところです。今は認知度向上を目指して、YouTubeで情報発信にも取り組んでいます!
—今後2〜3年後には、どんなクリニックにしていきたいとお考えですか。
「アイデス」という名前は「愛のアイ」ではなく、統合的発達サポートシステムの頭文字を取ったものなんです。教育的支援、心理的支援、社会的支援、テクノロジーを活用した支援など、総合的に発達障がいのお子さんやご家族を支えるクリニックを目指しています。2〜3年後には研究機関と連携して、診療や教育の在り方を提言できるような存在になりたいです。新しい知見を生み出す研究にも取り組みたいですし、今は木曜と土曜のみ診療しているので、診療日を増やして一人でも多くの方に対応できるようにしていきたいですね。
—経営者として大切にしている考え方もお聞きしたいです。
センセーショナルなことはしないことですね。そして、親御さんやお子さんに頭ごなしに言わないことです。悩まれている方が多く来られるので、一方的に押しつけるのではなく、寄り添いながら対応することを大切にしています。
—開業を考えている先生や、同じような境遇にある方へ伝えたいことはありますか。
開業のゴールを明確にすることが何より大事です。お金を稼ぎたいのか、自由な時間を持ちたいのか、理論を広めたいのか、人によって目的は違うと思います。私は自分の治療や教育の理論を広げることをゴールにしています。ちなみに、「自由な時間が欲しい」という理由だけはおすすめできません。やっぱり経営者にとってそれは難しいです(笑)。また、身内や信頼できる人に手伝ってもらうのも大切だと思います。開業は苦労が多いので、信頼できる人がそばにいるのは心強いですね。
—最後に、先生が思い描いている夢を教えていただけますか。
発達障がいのお子さんの中にはギフテッドな才能を持つ子がいますが、その力が潰れてしまうこともあります。その才能をしっかり発揮できる社会をつくりたいと思っています。また、ギフテッドでない子も含めて、それぞれが自分の力を発揮し、自立して生きていけるような世界を目指したいですね。
Profile
院長 池田 勝紀
池田勝紀先生は、自閉症や発達障がいのお子様とそのご家族への支援を専門とする医師です。内科・小児科・心療内科・精神科を幅広く診療し、海外で学んだ先進的な療育や医療を日本に導入しています。個々の特性に合わせた総合的サポートを提供し、親身で寄り添う診療を大切にして、子どもたちの可能性を最大限に引き出すことを目指しています。品川駅から徒歩圏内にあり、都内や全国からアクセスしやすく、遠隔診療も活用して多くの患者様に対応しています。