地域に根ざし、専門性を活かした医療を届ける「まつもと内科・循環器内科」松本健佑院長インタビュー
2026.03.30
林 寛子 院長が描く、患者様の“幸せのゴール”に寄り添う医療
ジョイアクリニック京都
院長 林 寛子
ジョイアクリニック京都の院長を務める林寛子先生は、日本における形成外科の草分け的存在である冨士森良輔先生に師事し、その技術と精神を継承してきました。林先生が目指すのは、コンプレックスや老化による「喪失感」を、医療の力で「自己肯定感」へと変えていくことです。独自の再生医療「PRPF療法」の開発者としても知られる先生ですが、その根底にあるのは、常に目の前の患者様に寄り添うという温かな想いです。今回は、林先生の歩みや診療へのこだわり、そして未来への展望についてお話を伺いました。
—さっそくですが、林先生が医師を志されたきっかけについて教えてください。
実は、もともとはアートの世界に強い関心があり、ニューヨークでキュレーターになることを夢見ていました。しかし、将来を見据えて『手に職をつける』という道を選び、医学部への進学を決めました。今思えば、それが大きな転機となりました。
—そこからどのようにして「形成外科」の道を選ばれたのでしょうか?
医学部に入り、唯一「クリエイティブ」だと感じたのが形成外科だったんです。他の外科は、悪くなった部分を「切り取る」のに対し、形成外科は形を作り直す「再建」の医学です。私のアーティスト気質を最も活かせる分野だと確信しました。
—恩師である冨士森良輔先生との出会いについてお聞かせください。
大学病院の形成外科が閉鎖されるという不運な時期に、救ってくださったのが冨士森先生でした。先生は日本の形成外科を作られたパイオニアの一人です。冨士森先生の医院で9年近く修行させていただいた経験が、今の私の全ての礎になっています。
—形成外科において、先生が最も大切にされていることは何ですか?
師匠の冨士森先生から学んだのは、形成外科は「心療外科」であるということです。先天的な疾患や事故の痕を抱える患者様は、命に別状はなくても、非常に大きな精神的な重荷を背負っています。医師はその重荷を代わることはできませんが、患者様が人生という山を登る際、隣で手を引き、少しでも荷物を軽くするお手伝いをするのが私たちの役割です。
—美容外科の診療において、カウンセリングで意識していることはありますか?
患者様一人ひとりの「幸せのゴール」を慎重に読み取ることです。劇的に変わりたい方もいれば、誰にも気づかれずに自然に若返りたい方もいます。医師が良いと思う形を押し付けるのではなく、患者様が何を理想としているのか、0.1ミリ単位の繊細なニーズに応えるために、最低でも30分はかけてお話を伺うようにしています。
—「美しさ」を提供することは、患者様にどのような影響を与えるとお考えですか?
美容医療は「自己肯定感」、つまり生きる力を引き出すためのものだと思っています。老化やコンプレックスによる喪失感を解消することで、自分らしく前向きに人生を楽しめるようになる。その変化をサポートできるのが、この仕事の最大の魅力です。
—先生の代名詞とも言える「眉毛下皮膚切除術」について教えてください。
これは眉毛の下で皮膚を切除することで瞼の弛みを改善させる術式です。2008年に私が世界で初めて論文を発表し、その後数多くの論文や教科書に寄稿して参りました。今では多くのクリニックで行われるスタンダードな術式として知られています。デザインと切開縫合の高度な技術を要する術式で、私の「シグネチャー」と言える手術です。
—現在の美容医療業界の現状をどのように見ていらっしゃいますか?
残念ながら、最近は医療ではなく「ビジネス」に偏ったクリニックが増えていると感じます。派手な広告で集客し、経験の浅い医師が執刀したり、カウンセラーが無理に高額な契約を勧めたりする光景を耳にします。私たちは、そうしたトラブルで傷ついた患者様の修正手術も多く引き受けていますが、本来あるべき医療の姿を見失ってはいけないと強く感じています。
—ジョイアクリニック京都ならではのこだわりは何でしょうか?
執刀医である私が、カウンセリングからアフターフォローまで一貫して責任を持つことです。患者様の理想を理解している人間が最後まで診る、これは医療として当たり前のことですが、当院ではそれを徹底しています。嘘のない、誠実な医療を提供し続けることが、長年京都で続けてこられた理由だと思っています。
—2028年には大きな大役を任されていると伺いました。
はい、2028年の日本美容外科学会(JSAPS)の総会長を務めることが決まりました。一介の開業医がこのような大役を担うのは大変なことですが、若手もベテランも互いに学び合い活発に議論できるような新しい学会の形を考えているところです。
—学会の活動を通じて、どのような改革を行いたいですか?
これまでの上下関係が厳しい「ピラミッド型」ではなく、若手もベテランもニュートラルに学び合える「横のつながり」を大切にしたプラットフォームを作りたいです。年齢や性別に関係なく、お互いの優れた技術を共有し、高め合える環境を目指しています。
—林先生が描く、これからの美容医療の夢を教えてください。
日本の美容外科医が持つ繊細で高い技術力を、もっと世界に発信していきたいです。欧米の基準とは異なる、アジア人ならではの美しさや術式は世界に誇れるものです。次世代の優秀なドクターたちの背中を押し、日本が美容医療の分野で世界をリードしていけるよう貢献したい。それが、私の医師としての最後の大きな仕事だと思っています。
Profile
院長 林 寛子
1994年に国立滋賀医科大学医学部を卒業後、滋賀医科大学附属病院放射線科、1996年に大阪市立大学医学部附属病院形成外科にて研鑽を積む。1997年より冨士森形成外科医院にて、日本形成外科界の重鎮・冨士森良輔氏に師事。2005年、烏丸姉小路クリニックを開業。2008年には公的機関との共同研究により、自身の代表的な治療法となる「PRPF療法」を開発を行う。2020年、クリニック名を「ジョイアクリニック京都(Jóia Clinic Kyoto)」へと名称変更。現在も、形成外科・美容外科の第一線で患者様の人生を豊かにするための医療を提供し続けている。