Interviewインタビュー

医師を志した原点から開業の決意、そして地域医療への夢

かさゆき内科循環器内科クリニック

院長 笠行 典章

大阪府東大阪市にある「かさゆき内科循環器内科クリニック」の院長、笠行 典章先生のインタビュー記事をお届けします。 大学卒業後、長年にわたり東大阪の地域医療に貢献されてきた笠行先生。開業までの経緯や、医師としてのポリシー、そして今後の展望について詳しく伺いました。

地域医療の未来を担う–かさゆき内科循環器内科クリニック 笠行典章院長インタビュー

医師を目指したきっかけ

まずは、笠行先生が医師を志したきっかけについて教えていただけますでしょうか?

そうですね。特に大したきっかけがあるわけではないのですが、父は当初、阪大の理学部に進みたかったようなのですが、叶わず当時の府大(現在の大阪公立大学)の工学部に進学したようです。私自身も高校を卒業したての頃は父と同じく理学部に進もうと、阪大の理学部を受験しましたが、父と同じように不合格でした。 その後、一年浪人して、今度は母が目指していた医学部を志すことにしたんです。母も岡大の医学部を志望していたのですが、入れずに薬学部に進み、薬剤師になりました。ですから、母の果たせなかった夢を私が叶えようと思ったのが、一番のきっかけですね。

お母様の夢を叶えるために医師を目指されたのですね。ご両親の背中を見て育ったことが、今の先生の原点なのですね。

そうですね。ゼロではないと思います。母はつい最近まで薬剤師として仕事をしていたので、医療業界の大先輩として、影響を受けた部分はたくさんあると思います。

開業を決意したきっかけ

医師として長年勤められた後、開業医となることを決意された経緯を教えてください。

大学を出てからずっと勤務医として働いていましたから、開業は考えていませんでした。妻からは「開業してみたら?」と何度も言われましたが、当時は「いやいや、開業なんていい」と言って、ずっと勤務医でいこうと思っていました。 しかし、コロナ禍が転機となりました。 当時、私は石切生喜病院と香芝生喜病院を掛け持ちしていたのですが、体力的に無理があると感じるようになったんです。しかも、当時59歳だったので、60歳になるまでに決断しないと、銀行の融資も難しくなるという話も聞きました。 そこで、今後の医師人生を考えたとき、開業しかないのかなと思い、ギリギリ60歳になる手前で開業に踏み切りました。

地域の患者さまに寄り添う、専門性豊かなクリニック

笠行先生の専門領域について教えていただけますでしょうか。

私の専門は循環器内科です。循環器内科は、最近では細分化が進んでいて、虚血性心疾患、不整脈、心不全など、さまざまな分野があります。しかし、私はまだ細分化されていない時代からこの道にいますので、血管内治療、不整脈の治療など、幅広く対応することができます。 開業医となってからも、このライフワークはできる限り続けていきたいという思いがあります。

開業してから現在まで

開業されてから現在までの1年間で、一番苦労されたことや大変だったことはありますか?

特に苦しかった時期というのはないですね。ただ、勤務医時代は考えなくてよかった経営面も考えないといけないことと、やはりスタッフの確保には苦労しました。

スタッフの採用には、開業された多くの先生が苦労されていると聞きます。現在は、軌道に乗ってこられましたか?

はい、少しずつ落ち着いてきた感じはしますね。

どのようなときにやりがいを感じられますか?

自分がライフワークとしてずっと行ってきた治療が、目の前の患者さまにうまくできたときは、すごく喜びを感じますし、励みになります。

地域医療への貢献が夢

先生にとっての「夢」とは何でしょうか?

そうですね。私はこの東大阪市にある枚岡という地域に、大学院を出てすぐから25年以上います。この地域は、人情味のある方々が多く、私もこの地域を愛しています。ですから、この枚岡という地域に、できるだけ貢献したいという思いが一番強いですね。 また、2〜3年後には、心臓リハビリや在宅医療といった、より幅広い医療を提供できるようになりたいと思っています。特に、高齢化社会になり、通院が困難になる患者さまも増えてくると思いますので、在宅医療にも力を入れていきたいです。

最後に、これから開業医を目指す先生方や、同じ境遇の先生方にメッセージをお願いします。

「医師の原点」を忘れてはいけないと思います。 最近では、在宅医療が儲かるからといって、お金儲けに走る医師もいますが、やはり医療の原点を忘れては欲しくないですね。医療の原点があって初めて医師の仕事は成り立つものであって、それを忘れてしまうと、どこか違う道に行ってしまうのではないでしょうか。

Profile

院長 笠行 典章

「かさゆき内科循環器内科クリニック」の院長、笠行典章先生は、1990年に大阪市立大学医学部を卒業後、同大学院でさらに研鑽を積み、1996年に若草第一病院循環器内科医長として臨床に携わりました。その後、石切生喜病院で循環器内科部長、副院長を歴任し、2020年からは医療法人藤井会にて循環器内科統括部長 兼 香芝生喜病院副院長として幅広い診療に尽力。30年以上にわたり循環器内科の専門医として豊富な経験を積んでこられました。現在は「かさゆき内科循環器内科クリニック」の院長として、これまで培った知識と技術を地域に還元し、患者様一人ひとりに寄り添う医療を実践されています。

会社情報

医院名

かさゆき内科循環器内科クリニック

設立

2024年