Interviewインタビュー

「お腹とお尻の不安をゼロに」川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック院長に聞く、地域医療への情熱と未来への展望

川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック

院長 近藤 崇之

神奈川県川崎市川崎区に位置する「川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック」は、患者さんが抱えるデリケートな悩み、特にお腹(消化器)と、お尻(肛門)の不安を解消することに情熱を注ぐクリニックです。院長の近藤崇之先生は、「不安の段階」で気軽に受診できる環境と、高水準の専門医療の両立を目指し、地域医療の質向上に貢献されています。特に、早期がんの発見に繋がる内視鏡検査の普及や、恥ずかしさから受診をためらいがちな肛門疾患のハードルを下げる工夫は、多くの患者さんにとって希望となっています。本記事では、近藤先生が開業に至った経緯、診療にかける思い、そして目指す未来のクリニック像について、詳しくお話を伺いました。

患者さんの不安を「ゼロ」に!近藤崇之院長が目指す、地域に根差した理想の医療とは–川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック 近藤 崇之 院長インタビュー

医師を志したきっかけと開業への道のり

さっそくですが、近藤先生が医師を志されたきっかけについて教えていただけますか?

父が歯科医師として開業していたため、その姿を見て育ちました。病気で困っている人や、地域の人を治すというのは、本当に良い仕事だと感じていました。そこで、外科的な治療にも興味があったことから、全身を診られる医師の道を選びました。

勤務医としてのご経験が豊富ですが、クリニックの開業を決意されたのはなぜですか?

父のように地域に根差して、より密接に関わりながら地域医療を支えたいという思いが常にあったため、いつかは開業したいとずっと考えていました。また、以前は多くの大腸がんの手術を行っていましたが、どんなに手術をしても大腸がんが減らないという現実に直面しました。がんになる方を減らすには、内視鏡検査をもっと普及させるしかないと考えたことも大きな理由です。

開業されてから、特に苦労されたエピソードがあれば教えてください。

一番苦労したのは、開業当初のシステム作りですね。受付から診察、会計までの外来の流れ、そして内視鏡検査や肛門外科の術前・術後管理を含めた院内の流れを、すべてゼロから構築する必要がありました。特に当院では、コスト表などもすべてオリジナルで作成するなど、細部までこだわったため、スタッフ全員が未経験の中で、このシステムの整備が最も大変でした。最初の数か月は毎日、システムの改善を行っていたほどです。

診療における専門性と患者さんへの想い

クリニックの専門領域について、改めてお聞かせください。

消化器内科と肛門外科が専門領域となります。具体的には、胃や大腸の内視鏡検査・治療、そして肛門疾患の診断と手術治療を行っています。

特に内視鏡検査において、診療時に意識されている点や注意されていることは何でしょうか?

内視鏡検査は、食事制限など患者さんにご負担をおかけし、年数回や数年に一度しか受けない検査です。そのため、患者さんのご期待に応えられるよう、一例一例、病変の見落としが絶対にないように細心の注意を払っています。また、検査の苦痛を可能な限り減らせるよう、麻酔の調整や機器の選定にもこだわっています。

肛門外科の診療で、患者さんに寄り添うために工夫されている点はありますか?

肛門の悩みで受診される方は、不安や羞恥心から「本当は来たくない」と思っている方がほとんどです。だからこそ、いかに羞恥心に配慮し、「もっと早く来ればよかった」と思ってもらえるような環境を整えるかが重要です。当院では、肛門専用の超音波や圧力検査などの専門的な機器を導入し、診察のハードルを下げています。早期の段階で受診してもらえれば、手術に至らないケースも多いからです。

先生が、患者さんの「人生が変わりました」という言葉を聞いたエピソードは、特に印象的です。

内視鏡検査が楽だったと言って笑顔で帰る方や、肛門手術を終えて「人生が変わりました。ありがとう」と言ってくださる方が、本当に何人もいらっしゃいます。肛門の悩みは生活の質(QOL)に直結していますから、「人生が変わった」と言われると、この仕事をしていて良かったと心から感じますね。

経営理念と目指す未来のクリニック像

クリニックの経営理念について、改めてお聞かせください。

理念は「お腹とお尻の不安をゼロに」です。この理念に基づき、スタッフ全員が同じ方向を向いて日々の診療に当たっています。また、「大腸がんをゼロに」といった目標を掲げるクリニックもありますが、当院は「がんになる前の不安な段階で受診していいよ」という、敷居を下げる考え方を大切にしています。

理念を実現するために、スタッフの皆様と共有しているポリシーはありますか?

スタッフが幸せで、楽しんで働いていないと、患者さんに優しく接することはできません。どんな仕事でも楽しめるのがプロですから、スタッフ自身が楽しく働くことを重視しています。また、患者さんには当院を出る時に、「今日来てよかったな」と思って帰ってもらえるように、医療だけでなく、気持ちの良い挨拶や配慮といった、すべての面で満足してもらうことを大切にしています。

2〜3年後、クリニックをどのような存在にしていきたいですか?

川崎周辺に住んでいる人たちが、「お腹とお尻のことで困ったら、とりあえず川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックに行こう」と、皆がそう思ってくれるような、地域で圧倒的な存在になることです。そして、他のクリニックの先生方からも、「専門的なことはあそこにお願いしよう」と信頼され、地域医療連携の中心的な役割を果たしたいと考えています。

開業医を目指す方へのアドバイスと個人の夢

これから開業医を目指す若手医師の皆様へ、メッセージをお願いいたします。

まず、「開業した方が楽だろう」とは安易に思わない方がいいと思います。臨床に専念したい、医療の現場が心から楽しいという方は、経営やマネジメントのない勤務医の方が充実できるかもしれません。しかし、もし「今世の中にない最高の施設やシステム、理想の医療を自分の手で作りたい」という強い思いがあるなら、開業は非常にやりがいがあります。

開業にあたって、先生から特に伝えたいアドバイスはありますか?

「環境に徹底的にこだわるべき」ということです。私もかつて、尊敬する先生のいる病院で、ただ見学するだけでは足りないと思い、常勤で働くことを志願しました。同じ空気を吸うことで、先生方の意識していない日常の所作や、長年の経験から生まれる患者さんの変化への察知の仕方など、目に見えない学びを多く得ることができました。

最後に、先生個人の今後の夢や目標についてお聞かせください。

肛門外科の診療の敷居を下げ、啓蒙活動や情報発信を積極的に行い、多くの方が手術までいかずに済むようにしたいです。また、肛門外科はまだ発展途上の部分も多いので、学会活動にも積極的に参加し、この分野のレベルを底上げしたいという思いがあります。当院が、他の医療機関のモデルケースとなれるよう、今後も成長し続けたいと考えています。

Profile

院長 近藤 崇之

川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニックの院長を務める近藤崇之先生は、確かな実績と熱意を持つ消化器・肛門外科医です。2009年に東京都済生会中央病院でキャリアをスタートさせ、2011年には慶應義塾大学外科学教室(一般・消化器外科)に入局。その後、2016年に独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター、2018年に川崎市立川崎病院の外科医長として、地域の中核病院で数多くの大腸がん手術をはじめとする高度な医療に携わってきました。2022年には東葛辻仲病院で専門性を深め、地域医療への貢献という強い思いから、2024年4月に「川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック」を開業されました。その豊富な経験と、「患者さんの不安をゼロに」という理念に基づき、日々質の高い内視鏡・肛門医療を提供されています。

会社情報

医院名

川崎駅前大腸と胃の消化器内視鏡・肛門外科クリニック

設立

2024年