Interviewインタビュー

いびきと睡眠時無呼吸症候群の専門医

清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック

院長 松浦 賢太郎

近年、いびきや睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome: SAS)といった睡眠に関する悩みを抱える方が増えています。しかし、その専門的な治療を受けられるクリニックはまだ多くはありません。 今回ご紹介するのは、2024年11月に東京都江東区に開院された「清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック」の松浦賢太郎院長です。長年の大学病院や総合病院での勤務経験に加え、「睡眠時無呼吸症専門外来」を多数担当されてきた松浦院長は、いびきと睡眠時無呼吸症候群に特化した深い専門知識と経験をお持ちです。 なぜ松浦院長はいびき・無呼吸の専門医を目指されたのか、そしてクリニックで大切にされていることは何か。患者様への思いや今後の展望について、詳しくお話を伺いました。

熟練の経験と患者ファーストの姿勢で地域の睡眠医療を支える–清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック 松浦 賢太郎 院長インタビュー

医療を身近に感じ、やりがいを求めて

先生が医師を志された、原点となるきっかけについてお聞かせください。

私の母が看護師だったこともあり、医療というものが比較的身近な環境で育ちました。将来の進路を考えていた高校生の頃、極力、「目に見えてやりがいがある」仕事に就きたいという思いがあり、その選択肢として医師という道を選びました。

「やりがい」という点で、医師の仕事に魅力を感じた具体的な理由はありますか?

患者様に喜んでいただいたり、「ありがとう」と言っていただけたりといった瞬間にやりがいを感じるだろうと想像していました。実際に医師になってみて、その通りだと実感しています。

医師としての喜びや、やりがいを感じる瞬間にどのような時がありますか?

患者様から「症状が改善して良かった」と直接おっしゃっていただける時ですね。例えば、鼻が全く通らなかった方が手術によって通るようになると、ものすごくスッキリしたと喜んでくださいます。また、睡眠時無呼吸の治療でCPAPという機器を導入した後、「すごく眠れました」とご報告をいただいた時も、心からやってよかったと感じる瞬間です。

自身の病気経験から、いびき・無呼吸の専門医へ

数ある診療科の中から、特にいびきと睡眠時無呼吸症候群を専門にされた理由は何でしょうか?

実は、私自身が中高生の頃からずっといびきをかいており、睡眠時無呼吸症候群だったことが大きな理由です。当時、授業中に居眠りばかりしていたのは、今思えば無呼吸症候群が原因だったのだろうと思います。

ご自身の病気が専門医を目指すきっかけになったのですね。

はい。医師になってすぐ、上級医の先生から「君は無呼吸だよ」と言われ、大変驚きました。当時は無呼吸症候群は体格の良い方がなる病気というイメージがあったので、まさか自分が、と。しかし、検査をしたらやはりそうだったのです。そこから一気にスイッチが入ったかのように、この病気について深く学び始めました。

耳鼻咽喉科を選ばれたのはなぜでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群の治療は内科的な治療がメインですが、外科的な治療で治る患者様も一部いらっしゃいます。そして、外科的な治療の判断は耳鼻咽喉科医にしか分からない領域でした。あらゆる治療の方向からこの無呼吸症候群を診られるようになりたいと考え、耳鼻咽喉科医を目指しました。今となっては、無呼吸症候群を治すために耳鼻咽喉科医になったという形ですね。

いびき・無呼吸の治療は専門的な知識と技術が必要となりますが、クリニックでの診療で特に意識されていることは何でしょうか?

患者様には「病気」について理解してもらうことが大切です。特にいびきは、ご本人は困っていないことが多いので、周囲の方に言われて受診されるケースが多いです。そのため、病気に対して自覚がない方が多いのですが、適切な知識と治療の選択肢をお伝えし、エビデンスに基づいた治療を誠実に行うことを常に意識しています。

「クリニック完結型」と「働きやすさ」の両立

2024年11月に開院された清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニックの経営において、最も大切にされている理念は何でしょうか?

大きく2つあります。一つは「患者様のお役に立つこと」、つまり「当クリニックに来て良かった」と心から言っていただけるクリニックを目指すことです。もう一つは、「スタッフがやりがいをもって、気持ちよく働ける職場であること」を大切にしています。

「クリニック完結型」の診療を目指されているとお伺いしました。その背景にはどのような思いがありますか?

私自身、勤務医時代に「これはクリニックで対応してほしい」と思うことや、遠方の病院へ行かされたり、長時間待ったのに一瞬で終わったりといった患者様の負担が大きい状況を数多く見てきました。患者様にご迷惑をおかけしないよう、採算度外視で可能な限りこのクリニック内で完結できる体制を整えたいと考えています。

治療を効率化し、患者様とスタッフの負担を減らすために導入されたシステムがあれば教えてください。

予約システムは、GMOさんのシステムを使っていますが非常に使いやすく重宝しております。また、自動会計システムも導入しました。受付での精査(特に現金精査)は時間がかかることが多いですが、この自動精算機を導入することで、受付業務が大幅に効率化され、スタッフの負担軽減に繋がっていると感じております。

実際に開業されて、現在はどのような層の患者様に来ていただきたいとお考えですか?

ありがたいことに想定よりも多くの方に来院いただいていますが、今後は特にお子様にもっと来ていただきたいと考えています。鼻風邪などを引いたお子さんは鼻水がひどくて夜眠れないことが多いですが、耳鼻咽喉科では鼻を吸ってあげたり、ネブライザーをしたりといった処置が可能です。これにより、鼻がすっきりして夜よく眠れるようになるので、お子さんの体調管理のためにも積極的に利用していただきたいですね。

睡眠医療の質の向上を目指して

開院されたばかりですが、今後の2~3年後を見据えたクリニックのビジョンについてお聞かせください。

まず、現在目指している「患者様のお役に立つこと」「スタッフの働きやすさ」、そして「クリニックでの治療完結」という3点が、今よりもさらに高いレベルで実現できている状態を目指したいです。そして、私を含めスタッフ全員が、精神的にも肉体的にも余裕をもって仕事ができるような環境を作りたいと考えています。

将来的に実現したい、具体的な目標などはありますか?

大変ありがたいことに、勤務医時代、恩師である東邦大学大森病院耳鼻咽喉科の和田教授をはじめ、多くのスペシャリストから手術治療についてご指導いただく機会に恵まれました。将来的には、この経験を活かしたいと考えており、経営的に余裕ができた際には、小手術ができるような設備を導入し、比較的安全性の高い手術については当院で行える体制を整えたいという理想を持っています。

最後に、これから開業を目指す先生方や、同じいびき・無呼吸の治療をされている先生方へメッセージをお願いします。

私自身、まだまだ開業経験は浅く、偉そうに言える立場ではないのですが、開業は想像以上に大変です。予想もしていなかったような問題に直面することも多いですし、やってみないと分からないことばかりだと思います。しかし、患者様のために貢献したいという強い思いがあれば、是非、その思いを貫いて頑張っていただきたいです。

Profile

院長 松浦 賢太郎

2011年に東邦大学医学部医学科を卒業後、東邦大学医療センター大森病院 耳鼻咽喉科へ入局。以来、国際親善総合病院、徳洲会湘南鎌倉総合病院など、複数の病院で耳鼻咽喉科医として研鑽を積まれました。東邦大学医療センター大森病院では助教、医局長を歴任。特に、2016年から2024年10月まで太田睡眠科学センター、2018年からは東邦大学医療センター大森病院 睡眠呼吸障害センターの「睡眠時無呼吸症専門外来」を長きにわたり担当されています。2024年11月、満を持して「清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック」を開院。現在も東邦大学医療センター大森病院の非常勤医師として勤務されており、長年の豊富な臨床経験に基づいた質の高い診療を提供されています。いびきと無呼吸の専門治療に情熱を注ぐ、松浦賢太郎院長にぜひご相談ください。

会社情報

医院名

清澄白河耳鼻咽喉科いびき・無呼吸クリニック

設立

2024年