女性の一生に寄り添う、一番身近な“かかりつけ医”を目指して・神谷町WGレディースクリニック尾西芳子院長インタビュー
2026.05.15
「医療のコンビニ」のように、困った時にいつでも頼れる場所でありたい。江北ファミリークリニック・杉村久理院長の挑戦。
江北ファミリークリニック
院長 杉村 久理
東京都足立区、江北駅からほど近い場所に位置する「江北ファミリークリニック」。温かみのある院内と、最新のIT技術を駆使したスムーズな診療体制で、地域住民から厚い信頼を寄せられているクリニックです。院長を務める杉村久理(すぎむら ひさみち)先生は、救急医療や産業医など、多彩な現場で経験を積んできた、まさに「全身を診るプロフェッショナル」。今回は杉村院長に、医師を志したきっかけや開業への想い、そしてこれからの展望についてお話を伺いました。地域に根ざした医療を実践する杉村先生の、等身大の言葉をお届けします。
—杉村先生が、医師を志した最初のきっかけは何だったのでしょうか?
原点は幼少期にあります。昔から生き物が大好きで、動物を育てたり観察したりすることに夢中でした。そこから生命への興味が広がり、次第に人間に貢献できる仕事がしたいと考えるようになりました。
—高校時代に進路を決定づける面白いエピソードがあったとお聞きしました。
そうなんです。高校2年生の時に受けた職業適性診断で、真面目に答えた結果「医師以外の仕事には適性がない」という極端な回答が返ってきたんです(笑)。もともと建築や芸術の道にも惹かれていたのですが、その結果を見て「これはもう運命かな」と神の啓示のように受け止め、医学部進学を決意しました。
—なぜこの「江北」の地を開業場所に選ばれたのですか?
以前、この近くにある別の病院に勤務していたという縁が始まりです。いざ開業を考え始めた時に、ちょうどこの地域の物件を業者の方から紹介していただきました。ある種、偶然が重なった「落下傘的」なスタートでしたが、結果としてこの地を選んで本当に良かったと思っています。
—開業から今日まで、経営面で苦労されたのはどんな点ですか?
やはり「人」に関する部分ですね。スタッフが辞めてしまう時は経営者として寂しさを感じますし、新しい仲間を迎えて教育し、チームを作り上げていく過程には多大なエネルギーが必要です。
—困難な状況に直面したとき、杉村先生を支えている考え方はありますか?
私のモットーは「死ぬこと以外はかすり傷」です。コロナ禍も含め大変な時期はありましたが、それを乗り越えたこと自体が今の自信や喜びに繋がっています。起きたことはすべて前向きに捉えるようにしています。
—これまでで、特に「医師になって良かった」と心から感じた瞬間を教えてください。
重いアレルギーを持つ女性の患者さんのケースが忘れられません。彼女は夢だった職業がありましたが、アレルギーのせいで周囲から「その仕事は無理だ」と言われていたんです。当院で共に治療に励み、症状をコントロールできるようになりました。後日、彼女が国家試験に合格し、「先生に診断書を書いてほしい」と笑顔で報告に来てくれた時は、自分のことのように嬉しくて涙が出そうになりました。
—クリニックの運営において、最も大切にされていることは何ですか?
「患者さんの視点に立つこと」を最優先にしています。自分自身がたまに患者として他院を受診すると、「もっとこうだったらいいのに」と気づくことがたくさんあります。その感覚を忘れないようにしています。
—江北ファミリークリニックが理想とする姿について教えてください。
私はクリニックを「医療のコンビニエンスストア」のような場所にしたいんです。「困った時はとりあえずあそこへ行こう」と思ってもらえる、地域のよろず相談所のような存在を目指しています。
—院内の雰囲気づくりで心がけていることはありますか?
「風通しの良い環境」です。スタッフ同士が笑顔でいられれば、それは必ず患者さんにも伝わります。面談や日々の声掛けを通じて、スタッフが意見を言いやすく、笑顔が溢れる現場であることを大切にしています。
—今後、クリニックとして特に力を入れていきたい診療領域はありますか?
最近は「咳」の症状が長引いて悩んでいる方が非常に多いと感じています。こうした身近だけれど辛い症状を、専門的な知見から一つひとつ丁寧に解決していける場でありたいと思っています。
—2年後、3年後を見据えた具体的なビジョンを教えてください。
規模を大きくすることよりも、より深く「地域に根ざし、必要とされる存在」であり続けることです。患者さんも、そして共に働くスタッフも、全員が「ここで良かった」と誇りに思えるような場所を追求し続けたいですね。
—最後に、これから開業を目指す後輩の先生方へ、アドバイスがあればお願いします。
自分のビジョンを明確に持つこと。そして、近隣の医療機関との連携を大切にすることです。今はクリニックを選別する時代ですから、自院にしかない価値、つまり「オンリーワン」の強みを磨く覚悟が必要だと思います。
Profile
院長 杉村 久理
産業医科大学医学部卒業。順天堂大学公衆衛生学教室研究員を経て、カナダ・マギル大学へ留学。帰国後、東京女子医科大学病院救命救急センターや東京北部病院外科などで研鑽を積む。その後、産業医科大学産業生態科学研究所での研究活動や、大手IT企業での産業医、パーク病院内科勤務などを経て、2013年に「江北ファミリークリニック」を開業。専門領域にとらわれず、患者の「心と体」をトータルで支える総合診療を実践している。