Interviewインタビュー

既成概念に囚われない医療--地域に根差し、未来の健康寿命を支える「くらげ整形外科」院長の挑戦

くらげ整形外科

院長 山崎 厚郎

今回ご紹介するのは、千葉市花見川区に位置する「くらげ整形外科」院長、山崎 厚郎 先生です。クリニック名にも込められた「既存の考えに囚われず、柔軟な発想で患者様と向き合いたい」という強い信念のもと、2020年に開業されました。地域に根差した医療活動を通じて、患者様の痛みを取り除くだけでなく、その先の健康寿命を延ばすことを見据えたトータルケアを提供されています。医師を志した原点から、開業に至るまでの経緯、そして今後のクリニックのビジョンについて、熱い思いを伺いました。

海の生き物のように自由な発想で挑む医療–くらげ整形外科 院長 山崎 厚郎 先生インタビュー

医師としての原点と開業への想い

まず、山崎先生が医師を志されたきっかけについてお聞かせください。

幼少期に医師であった従兄弟の存在が大きかったことと、彼が亡くなったことで、「代わりとなって医師になろう」という思いが芽生えました。また、進路選択の際には、ボランティア活動を通じて、資格がなければ目の前の人を救えないという現実を痛感し、「本当に人を救うには医師になるしかない」と決意しました。

勤務医から開業へと踏み切られたのは、どのような思いからでしょうか?

「既成概念に囚われない、型にはまらない治療を行いたい」という強い思いからです。整形外科医として、骨や関節という既存の枠を超えた、より自由な発想でのアプローチが必要だと感じていました。自分の理想とする医療を実現するためには、開業して自らが思い描く通りに治療ができる環境が必要だと考えたのです。

クリニック名「くらげ整形外科」に込められた意味について教えていただけますか?

「くらげ」は、骨も関節も持たない非常に柔軟な生き物です。既存の整形外科の持つイメージに縛られることなく、その柔軟な発想で患者様一人ひとりに合わせた治療を提供していきたいという願いを込めて名付けました。

開業地として、幕張を選ばれた理由は何でしょうか?

千葉大学の医局に所属しており土地勘があったことと、広範囲からアクセスしやすい場所である必要があったからです。当院では手の手術まで含めた治療を提供しており、高速道路のインターチェンジが近く、駅から徒歩5分圏内という立地は、遠方から来られる患者様にも便利だと考えました。

クリニック運営と組織づくりの哲学

開業されてから今日までで、「大変だ」と感じる課題は何でしょうか?

人材に関する課題が9割以上を占めます。具体的には、求職者の「自分のスキルアップのため」という目線と、入職後の「自分がここでどう貢献できるか」という周りや組織への視点のギャップを埋めていく部分で課題感を抱くケースがあります。

先生が求める人材像は、クリニックの組織にどのように貢献できるかを考える方なのですね。

はい。当院としては、入職していただくことで、私たちの組織にどのようなメリットをもたらしてくれるかという点を重視しています。採用の場面では、当院の組織に積極的に貢献できる方を優先して採用したいと考えています。

スタッフの教育や育成において、特に意識されていることはありますか?

OJT(On-the-Job Training)とOff-JT(Off-the-Job Training)を織り交ぜて行うことです。OJTだけにならないよう、事前にシミュレーションをしたり、チューターと一対一で指導を受ける時間を設けたりしています。振り返りの時間も勤務時間内に取るようにしています。

組織運営において、チームのパフォーマンスを最大化するために心がけていることはありますか?

ピラミッド構造に基づいて役割分担と階層構造を明確にし、管理職を無力化しない運営を心がけています。私自身が一番下のスタッフに直接指示を出すといった、管理職の能力を弱体化させるような行為は行わないよう徹底し、属人化しない運営を心がけています。

地域医療への貢献と未来

開業されてから今日までで、「開業してよかった」と感じるやりがいや、喜びについてお聞かせください。

地域に根差し、親しくなった方々から頼りにしてもらえることがやりがいです。また、自分の子どもたちが「パパが働いている病院だ」と、ちょっと誇らしげに話している姿を見るのも、医師として、そして親としてよかったと感じる瞬間です。

今後2〜3年を見据えたくらげ整形外科のビジョンについてお聞かせください。

現在の保険診療に加え、今後はコンディショニングやトレーニングなどの自費診療も含め、多角的に事業展開をしていきたいと考えています。最終的な目標は、「健康寿命を延ばす」ことです。

健康寿命を延ばすという目標に向けて、具体的にどのような事業を考えていますか?

病院の役割は、マイナスの状態にある人をゼロの状態に戻すことですが、そのゼロからさらにパフォーマンスを向上させ、より質の高いADL(日常生活動作)で生活していくことをサポートするものを構築したいと考えています。食事指導も含め、トータルで健康寿命を延ばすことを応援できるような事業を進めていきたいです。

開業を目指す医師、あるいは同じ境遇にある先生方にメッセージをお願いします。

これから開業される先生方には、最初の立地選定と初期の事業計画を特に重視していただきたいです。自分が提供したいオリジナリティのある医療にマッチし、その患者様が集まりやすい場所を選ぶことが大切です。

Profile

院長 山崎 厚郎

山崎 厚郎 先生は、「くらげ整形外科」(千葉県千葉市花見川区)の院長を務められています。 2010年に金沢大学医学部を卒業後、福井県立病院での初期研修を経て、2012年に千葉大学整形外科に入局されました。その後、千葉県がんセンター、千葉県こども病院、成田赤十字病院、聖隷佐倉市民病院、千葉市立青葉病院、君津中央病院など、地域の基幹病院にて数多くの経験を積まれました。 特に整形外科医として骨や関節の治療に携わる中で、既存の整形外科の枠を超えた、より自由で多角的なアプローチの必要性を感じ、2020年にくらげ整形外科を開業。専門性を活かした質の高い保険診療を提供しつつ、その先の健康維持・増進を見据えたサービス展開を目指されています。

会社情報

医院名

くらげ整形外科

設立

2020年