Interviewインタビュー

安心して相談できる、女性のための婦人科を目指して

Mieruレディースクリニック

院長 柴田あずさ

女性のからだはライフステージごとに変化し、心身の悩みも年齢とともに移り変わっていきます。しかし、その悩みを誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。そんな女性たちにとって、安心して足を運び、気軽に相談できる存在でありたい──その思いを胸に診療を続けているのが、Mieruレディースクリニック院長の柴田あずさ先生です。 ご自身のキャリアの中で経験した就職活動からの進路変更、父のクリニックを継ぐ決断、そして妊娠・出産と重なった開業という大きな挑戦。そこには、患者様に寄り添い続けたいという揺るがない信念がありました。本記事では、柴田先生の歩みや診療に込める想い、そして未来へのビジョンについてお話を伺いました。

女性のライフステージに寄り添う婦人科医──Mieruレディースクリニック院長・柴田あずさ先生の歩み

就職活動から一転、医師を志した原点と開業ストーリー

柴田先生は、子どもの頃から医師を目指していたのですか?

実はそうではないんです。普通の大学に通い、就職活動もしていました。その時に初めて、自分の将来を真剣に考えるタイミングが来たんです。「一生をかけてやりたいことは何だろう」と自分に問いかけた時に、医師である父や祖母の姿が頭に浮かびました。医師であれば社会に貢献できるし、同時に親孝行にもなる。これが自分にとって大きな決め手になり、そこから医師を目指し、医学部に入りました。

大きな方向転換をされたのですね。開業に至ったのはどのような経緯ですか?

父のクリニックを継承する形でした。正直なところ、大学病院で勤務していた頃は「開業」を意識したことはほとんどなかったんです。研修医の時期はとにかく日々の業務で精一杯でしたし、臨床に打ち込む中で開業という選択肢は視野に入っていませんでした。でも、医師になって7年目に父が突然倒れてしまったんです。その出来事が私の人生に大きな影響を与えました。「医師になれば親孝行できる」と考えて進んだ道を思い出し、その時に父のクリニックを引き継ぐことを決めました。

女性のライフステージに寄り添う治療

現在は婦人科をご専門とされていますね。

はい、婦人科を専門としています。

診療では具体的にどんな症状を扱われていますか?

婦人科全般です。生理痛やピルの処方、更年期障害など日常的な悩みから、子宮内膜症、不正出血、子宮筋腫、卵巣嚢腫といった幅広い疾患まで対応しています。

大変さの先にある、開業医ならではの喜び

開業してから大変だったことはありますか?

渋谷という激戦区での開業だったので、まず集患に苦労しましたね。それに加えて、自分自身の妊娠・出産と開業の時期が重なったんです。出産後の体で開業を続けながら子育てもしなければならず、本当に忙しく大変でした。勤務医のように育休を取れる立場ではありませんから、体を休める余裕がなく、それでも責任を持って診療に臨む必要がありました。

その中で嬉しさを感じる瞬間もあったのではないでしょうか。

はい、ありますね。リピートで来てくださる患者様がいると「信頼していただけているんだ」と感じ、とても嬉しくなります。私自身が妊娠していた時には、患者様が「先生は何ヶ月ですか?」と声をかけてくださったり、出産祝いをいただいたこともありました。患者様とのつながりの温かさを実感する瞬間は、苦労を上回る喜びです。また、開業医は勤務医とは違い、経営という視点も含めて経験値が増えていきます。その成長を感じられるのもやりがいですね。

『病気が見える』クリニックを目指して

今後のクリニックの姿をどのように描いていますか?

「病気が見える」という意味を込めて「Mieruレディースクリニック」と名付けました。女性が抱える悩みを見える化し、治療や予防につなげることを大切にしています。今後もこのコンセプトを変えず、患者様にとって信頼できる場所でありたいと思います。

経営者としての姿勢についてもお聞かせください。

無駄をなくすことです。コストカットの意識を持ち、自分でできることは外注せずに取り組んでいます。効率よく動くことで、より患者様の診療に時間をかけられる環境を整えられると思っています。

幅広い世代の女性を支える診療への想い

患者層についてはどうでしょうか?

今は20〜30代の若い世代が中心ですが、更年期の症状で来院される40〜50代の方や、さらに年齢が上の方もいらっしゃいます。どの年代の方にも来ていただきたいですし、特に更年期で悩まれている方には積極的に相談していただきたいです。最近「高加齢学会」の認定試験にも合格しましたので、アンチエイジングや加齢に関する診療にも注力しています。人生100年時代と言われる中で、女性が長く美しく、そして自分らしく現役で過ごせるよう支えていきたいですね。

新しい取り組みで導入して良かったものはありますか?

オンライン診療です。忙しい方や遠方の方にも利用していただけますし、医療DXや電子処方箋と合わせて、これからますます大事になると感じています。

未来へつなぐ、医師としての夢

柴田先生ご自身の夢を教えてください。

家族の幸せや地域医療への貢献など色々思い描いていますが、一番の願いは「ずっと現役で医師でいること」です。自分の力が患者様のためになる限り、経験を積み重ねて自分を磨いていきたいです。そして、長く人の役に立ち続けられる医師でいたいと思っています。

最後に、これから開業を考えている先生方へ伝えたいことはありますか?

開業は想像以上に大変です。不安や壁に直面する場面は数えきれません。理想的にはご両親のクリニックに副院長として入り、準備段階を経て少しずつ学びながら進める形が一番良いと思います。ただ、実際にはそのような環境に恵まれる方は多くないでしょう。だからこそ「大変なことも多いけれど、その中で必ず楽しさややりがいを見つけられる」と伝えたいです。大変だけど楽しい世界です、と。

Profile

院長 柴田あずさ

取材を通じて感じたのは、常に「患者様に寄り添う姿勢」を大切にされている柴田先生の一貫した思いです。女性のからだとこころの変化に誠実に向き合い、一人ひとりの声に丁寧に耳を傾ける姿勢は、Mieruレディースクリニックが安心して相談できる場所として信頼を集めている理由そのものだと感じました。 ご自身の妊娠・出産と重なりながらも開業を続け、患者様の笑顔に支えられてきた経験は、医師としての力強さと優しさの両方を育んできました。「病気を見える化する」というクリニック名のコンセプトのもと、どんな世代の女性も安心して通える診療を目指す姿勢には、揺るぎない情熱が感じられます。 「ずっと現役の医師でいたい」と語るその言葉どおり、柴田先生の歩みはこれからも続いていきます。女性が自分らしく、いきいきと過ごせる未来を支えるMieruレディースクリニックの取り組みに、ますます期待が高まります。

会社情報

医院名

Mieruレディースクリニック

設立

2023年5月

従業員数

5名