医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
心臓外科で培った、妥協なき精密な技
博多もへじのクリニック
院長 村田 将光
福岡・博多駅前に位置する博多もへじのクリニック。SNSでの親しみやすい発信で注目を集める一方で、その中核にあるのは、元心臓血管外科医という異色の経歴を持つ村田将光院長による、極めて精緻で妥協のない医療です。大手美容外科の院長や理事を歴任した村田院長が、あえて自らの理想を追求するために選んだのは、広告に頼らず技術と紹介で成り立つ「本物」の場所でした。「人生は人のために生きる」という揺るぎない信念のもと、美容医療業界の現状に一石を投じ、患者様一人ひとりと真摯に向き合う村田院長の情熱。技術への誇りと、医療の本質に迫るインタビューをお届けします。
—さっそくですが、先生が医師を志したきっかけを教えてください。
家に医学書がある環境で育ち、小学校の図書室でも病気の本を読み耽るような子供でした。中学生の頃にはすでに、自然と医学の道を志していましたね。
—なぜ心臓血管外科という過酷な分野を選ばれたのでしょうか?
実は「命を救いたい」という感情的な理由よりも、「誰よりも手術が上手くなりたい」という技術への探究心が強かったんです。30代半ばまで、誰よりも早く、正確に、納得のいく手術を完遂することに心血を注いできました。
—技術へのこだわりが、今の美容外科での診療にどう繋がっていますか?
心臓外科医として「一分一秒を争い、ミスが許されない現場」で培った繊細な切開・縫合の技術は、私の絶対的な武器です。美容医療においても「出血させない、傷を最小限にする」という当たり前を、異次元のレベルで提供できる自負があります。
—大手美容外科での輝かしいキャリアを経て、独立された理由は?
組織にいると、どうしても自分の思い通りにいかない部分が出てきます。40歳を機に、自分のペースで、自分が本当に良いと思える医療を追求したいと考え開院を決めました。
—「博多もへじのクリニック」という名前は非常に親しみやすいですね。
美容クリニック特有の「気取った雰囲気」を払拭したかったんです。スタッフと一緒に考えた名前ですが、何より「地域に開かれた、何でも相談できる場所」であることを表現しています。また、SNSではナースたちが企画してくれる動画を発信しており、一見遊んでいるように見えて、根本には「正しい医療知識を知ってもらいたい」という思いがあります。美容医療に不安を感じている方が、一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいですね。
—独立して2年、現在どのような運営スタイルを大切にされていますか?
大手のように広告費をかけるのではなく、技術と結果による「紹介」で成り立つ運営を目指しています。現在、スタッフ6名と私が同じ視座で、「九州一のクオリティ」を自負して日々の診療にあたっています。
—美容医療において、村田先生が考える「上手い手術」とは?
出血を最小限に抑え、組織を傷つけないことです。私の手術はとにかく血が出ません。それが術後のダウンタイムの短さや、仕上がりの自然さに直結するからです。
—他院での手術後の修正相談も多いとお聞きしました。
非常に多いですね。他院で納得いかなかった方が「ここに来てよかった」と笑顔になる瞬間は、何物にも代えがたい喜びです。私は修正費用をあえて取らず、美容医療の質を守るためのセカンドオピニオンとして機能したいと考えています。
—カウンセリングも先生自らが行うことにこだわっているそうですね。
当院に「カウンセラー」はいません。受付が病歴などを伺いますが、治療方針の提案や医学的判断はすべて私が直接行います。入口から出口まで責任を持つ、それがプロとしての最低限の礼儀だと思っています。
—先生が掲げる「人生は人のために生きる」という理念について詳しく教えてください。
文字通り、自分の技術を人の役に立てること自体が私の人生の目的です。儲けに走るのではなく、スタッフや患者様に喜んでもらうために還元していく、その循環を大切にしています。
—今後のクリニックの展望についてお聞かせください。
理想は「美容の救急病院」を作ることです。他院でトラブルが起きた際に、どこへ行けばいいか分からず困っている方を差別なく救えるシステムを構築したいと考えています。
—最後に、開業を志す先生方へアドバイスやメッセージをお願いします。
何よりもまず『技術』を磨いてください。広告や集客、利益を優先するのではなく、一分の隙もない技術を追求し、医師自らが責任を持って患者様に向き合う『当たり前』を徹底することが重要です。利己的な欲ではなく、患者様やスタッフのために尽くすことで信頼が積み重なり、結果として経営もついてきます。ぜひ広告に頼るのではなく、確かな腕で選ばれる医師を目指してください。
Profile
院長 村田 将光
2001年に熊本大学医学部を卒業。その後、熊本大学病院第一外科を皮切りに、人吉総合病院外科、済生会熊本病院、榊原記念病院などの心臓血管外科で研鑽を積まれました。 2007年には新山手病院の心臓血管外科医長、2012年にはJR東京総合病院の心臓血管外科主任医長を歴任。心臓血管外科医として15年以上にわたり命の最前線で執刀を続けられた後、2017年に美容医療の世界へ転身されています。 都内美容外科での院長経験を経て、2019年には大手美容外科の福岡天神院院長および理事に就任。そして2024年、理想の医療を実現するために「博多もへじのクリニック」を開院されました。