医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
専門性と安心を両立した医療のカタチ
ふくちクリニック新橋
院長 福地 裕三
ビジネス街の喧騒の中にありながら、温かみのある医療を提供し続ける「ふくちクリニック新橋」。院長を務める福地裕三先生は、皮膚科・形成外科の知見をベースに、性感染症内科というニッチな分野で多くの患者様の悩みに寄り添ってきました。 本インタビューでは、福地先生が医師を志したきっかけから、新橋での開業に至るまでの経緯、そして「三方よし」を掲げる独自の経営理念について詳しくお話を伺いました。地域医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進しつつも、決して忘れない「人との繋がり」。福地院長の誠実な人柄が伝わるメッセージをお届けします。
—医師を志された最初のきっかけは何だったのでしょうか?
実はそれほど深いエピソードがあるわけではなく、もともと生物や「人」という存在そのものが好きだったことが大きいですね。理系に進んだこともあり、自分の関心の延長線上で、自然と医学の道を志すようになりました。
—皮膚科や形成外科を経験された後、なぜ性感染症をメインにされたのですか?
診療を続ける中で、性感染症は「どの診療科に行けばいいかわからない」と悩む患者様が非常に多いことに気づいたからです。皮膚科なのか、泌尿器科なのか、婦人科なのか。その隙間に落ちてしまっている方々を救うために、専門的な受け皿を作りたいと考え、この分野にシフトしました。
—現在の診療スタイルで、特にこだわっている部分はありますか?
性感染症の検査から治療までを一貫して行うのはもちろんですが、EDやAGAといった自費診療も取り入れています。これらは性感染症とも親和性が高く、患者様のライフスタイルに合わせた幅広いサポートができるよう努めています。
—開業当初、最も苦労されたのはどのような点でしたか?
やはり、集患が安定するまでが一番大変でした。最初から患者様が来てくださるわけではないので、しばらくは運転資金を切り崩しながらの経営でした。経営が軌道に乗るまでの序盤をどう耐え抜くかが、最大の壁だったと感じます。
—人材の採用についても、難しさを感じていらっしゃいますか?
そうですね。現在は仲介業者さん経由での採用がメインですが、コストもかかりますし、当院にマッチする方を直接募るのはなかなか難しいのが現状です。自分たちの足で探し、良い人材を確保し続けることは、常に経営の大きなテーマです。
—集客(集患)において、具体的に取り組まれている手法はありますか?
現在はリスティング広告などのWebマーケティングを積極的に活用しています。最初は試行錯誤で費用対効果が悪い時期もありましたが、自分たちで運用を調整していく中で、徐々に最適なバランスが取れるようになってきました。
—福地先生が掲げている経営理念について教えてください。
商売の基本である「三方よし」です。自分自身、スタッフ、そして患者様や取引先様。この全員がウィン・ウィンの関係でいられることが、クリニック経営においてベストな形だと信じています。
—スタッフ教育で工夫されていることはありますか?
開業時にしっかりとしたマニュアルを作り込みました。現在は、そのマニュアルを基にコアスタッフが新しいスタッフを教育できる体制が整っています。私がすべてを抱えるのではなく、教育の「流れ」が自律的にできていることが強みです。
—スタッフの皆さんの「幸せ」のために、取り組んでいることはありますか?
スタッフが楽しく充実して働けているかは常に気にしています。具体的には、冷蔵庫の飲み物を自由に提供したり、仕出し弁当のお昼を用意したりしています。小さなことですが、福利厚生を充実させて、現場に笑顔があることが私のやりがいにも繋がっています。
—Web問診などのデジタルツールを導入された効果はいかがですか?
Web問診は導入して本当に良かったです。事前に情報を入力いただくことで、来院後のミスマッチが減り、非常にスムーズな診療が可能になりました。患者様にとっても、待ち時間の短縮という大きなメリットになっています。
—今後、2〜3年後を見据えたクリニックのビジョンを教えてください。
近いうちに法人化を目指したいと考えています。法人化することで組織としての安定性が増し、スタッフがより安心して働けるようになります。また、患者様からの信頼もより厚いものになると確信しています。
—最後に、これから開業を目指す医師の方々へメッセージをお願いします。
最初はやるべきことが山積みで大変だと思いますが、数年経てば必ず安定してきます。もし開業を迷っているなら、早めにスタートを切ることをお勧めします。収支の心配を過度にしすぎず、医療の本質である「人のため」に注力できる環境を、ぜひ手に入れてほしいですね。
Profile
院長 福地 裕三
福地 裕三先生は、ふくちクリニック新橋の院長です。平成22年に山梨医科大学医学部を卒業後、平成25年より都内のスキンクリニックにて経験を積まれました。平成28年にはすぎなみ在宅診療所の院長に就任し、長らく地域医療の現場を支えてこられました。その後、令和3年に「THE N にじいろクリニック新橋」を開院し、令和7年、組織のさらなる発展のために「ふくちクリニック新橋」を設立されました。皮膚科・形成外科の専門知識を土台とし、性感染症内科のフロントランナーとして、迅速かつ丁寧な診療を実践されています。「三方よし」の精神を大切に、患者様とスタッフ双方の幸福を第一に考える医療経営を推進されています。