—まず、歯科医師を志されたきっかけについてお聞かせいただけますでしょうか？

私の父方の家系がずっと医師と歯科医師の家系なんですね。生まれてからずっと歯科医師と医師しかいない環境でしたので、その他の道は考えたことがありませんでした。自然と、将来は自分も歯科医師になるのだろうという意識で育ちました。

—そうだったのですね。その後、大学病院で口腔外科をご選択されたのには、何か理由があったのでしょうか。

将来、インプラント治療をマスターしたいという強い目標があったからです。インプラントには、解剖学的な知識や高度な外科的な技術が不可欠です。そのため、それらを専門的に学べる大学病院の口腔外科を選びました。社会の経験も積みたかったので、大学病院で4年間勤務し、専修医の資格を取得してから、父の医院を継ぐ形で一緒に働き始めました。

—「インプラントのスペシャリスト」として、特に力を入れている分野や専門性を教えてください。

現在は、インプラントの中でも、全ての歯を失ってしまった方や、残っている歯がボロボロになってしまった方に、1日で噛める歯を取り戻す「オールオン4（All-on-4）」を専門としています。この治療は、私の目指す歯科医療の集大成とも言えるものです。

—オールオン4という高度な治療に取り組む上で、意識されている点についてお聞かせください。

患者様の「将来を一生背負う」という覚悟を持って治療に臨んでいます。インプラント治療は、患者様の人生に深く関わる大きな治療です。だからこそ、絶対に妥協せず、患者様が満足のいくまで、アフターフォローも含めて完璧な治療を提供することが大切だと考えています。

—先生の医院では、歯科衛生士を雇用せず、少数精鋭の体制を敷かれていると伺いましたが、なぜこのような独自のスタイルを選ばれたのでしょうか？

最もストレスに感じるのは人間関係だと最初から分かっていたので、治療に集中するため、あえて歯科衛生士を一人も雇っていません。受付と助手、そして私という3人体制で全てを担っています。

—その体制で、どのように高品質かつ迅速な治療を実現されているのですか？

当院では、歯科技工士が必ず私の治療の隣にいます。インプラントや被せ物（上部構造）を作る際も、患者様、私、技工士の3人でリアルタイムに相談し、最高の形を追求します。トラブルがあった時も、作った人間がすぐに対応できるため、迅速に解決できますし、この体制だからこそ、上下顎でわずか1時間でオールオン4のオペを完了させるなど、圧倒的なスピードで治療を提供できるのです。

—過去の経験で、この体制を導入するにあたり、最も苦労された点は何でしょうか？

思い通りの治療を実現するには、知識、技術、設備投資の3つを高いレベルでバランス良く高めることが最も難しいと感じました。どれか一つでも欠けては、患者様の責任を負える治療はできません。この3つの要素を全て最高レベルに持っていくために、絶えず努力を続けてきました。

—先生の徹底した姿勢が、治療の質を支えているのですね。

はい。オールオン4は、中途半端に手を出したら「諸刃の剣」になりかねません。しかし、私たちは知識、技術、設備を最高レベルで備え、さらに最初から最後まで私自身が責任を持つ「覚悟」があるからこそ、高い水準の治療を提供し続けられるのです。

—先生のインプラント治療は、価格設定が非常にリーズナブルな上に、手厚い保証も付いているとお聞きしました。

はい。オールオン4の価格は、多分日本で一番安いと思います。それにもかかわらず、インプラント治療には全て10年保証を付けています。さらに、半年ごとのメンテナンス費用はもちろん、CT撮影やレントゲン代なども一切いただいていません。

—採算度外視のように感じますが、なぜこのような価格と保証が実現できるのでしょうか？

インプラントの品質は落とせないので、一本あたりの単価を下げるために、オールオン4に使用するインプラントを何百本と一括で大量に購入しているからです。その結果、仕入れ単価が下がり、その分を患者様に還元しています。また、少数精鋭の体制で運営しているため、無駄な人件費を抑えられていることも大きな理由です。

—メンテナンス費用なども無料にされているのは、驚きです。

はい。うちで治療した患者さんは、半年に一度メンテナンスに来ていただければ、10年間は何度でも無償でやり直します。なぜなら、10年以上インプラント治療をやってきて、私の手掛けたインプラントは、ほとんどダメになっていないという実績があるからです。結果的に、「これなら保証をつけても大丈夫だ」と確信しました。

—患者様は、どのような方が多いのでしょうか？

全般的にインプラントを求めている患者様であれば、最高の形で恩返しができると思っています。特にオールオン4に関しては、長年口元にコンプレックスを持ち、歯がない、思い切り笑えないといった悩みを抱えていた方に、人生を取り戻す機会を提供したいという思いが強くあります。

—先生の今後のビジョン、そして夢についてお聞かせください。

私は、近い将来、オールオン4の分野で日本一になると決めています。そして、将来的には世界的に「オールオン4なら荻原先生だ」と言われる存在になることが私の夢です。

—その目標を達成するために、今後どのような取り組みをされる予定ですか？

常に昨日の自分と戦い、成長し続けることです。また、課題も見えてきたので、今後はより効率よく、正確に治療を行うために、シミュレーションソフトを導入し、技工士と連携して活用していく予定です。これは、より多くの患者様に対応するための、品質向上と効率化を両立させる取り組みです。

—最近、開業を諦める若い先生も増えていると聞きます。夢を追う後進の先生方へ、メッセージをお願いします。

大学のオリエンテーションで「歯医者は儲からない時代だ」と言われたことがありますが、私はその真逆を言いたいです。別になんでもいいんです。 歯医者でなくても、どんな道でも、命がけで努力し、ベクトルを間違えずに頑張れば、必ず夢は叶います。

—最後に、成功するための秘訣を教えてください。

自分自身に自信を持つことです。ベクトルを間違えずに、誰よりも勉強して、誰よりも努力を重ねれば、何事も成功できます。もし、やり方が分からなければ、私に会いに来ていただければ、モチベーションを上げてみせますよ。私も、夢を追う人たちのためにも、日本一にならなければならないと思っています。