「人に感謝されることが、やりがいになる」──横浜駅西口歯科・大橋豪院長が語る、信念ある診療と組織づくり
2025.07.15
信頼してくださる患者さんには、とことん向き合う。それが私の医療の原点です
医療法人 大西内科クリニック
院長 大西 幸作
医師にかかるとき、多くの方が「信頼できる先生に診てもらいたい」と感じていると思います。大西内科クリニックの院長・大西幸作先生は、まさにその「信頼」を何より大切にしています。 先生は、患者さんが本気で自分を信じて任せてくれるなら、全力で向き合うと決めています。その一方で、信頼関係を築けない状況では最善の医療は届けられない、と考えています。だからこそ、誠実に向き合える関係を重視し、しっかり診療に取り組んでいるのです。 消化器内科を専門としつつ、循環器や生活習慣病など幅広く診療してきた大西先生。学びを怠らず地域に根差して患者さんを支え続ける姿勢からは、医師としての責任感と人としての真摯さが感じられます。 本記事では、そんな大西先生の歩みと診療への思いをお伝えします。
—先生はお父さまもお医者さまだったと伺いました。やはりその影響は大きかったのでしょうか。
そうですね。父は循環器内科の医師でした。小さいころからその姿を見ていたので、自然と「自分も医師になる」と思っていました。
—なるほど。では、クリニックを継がれることになった経緯についてもお聞かせください。
父が急逝したことで、2018年の12月から院長を引き継ぐことになりました。当院は1994年から続いており、多くの患者さんがいらっしゃいます。 長年通っている患者さんから「20年以上ここに通っている、なんとか継続して欲しい」との声も多く、両立は難しいとも言われましたが、多方面からのご支援を受け、なんとか現在も大阪労災病院と当院をかけ持ちして診療を続けています。
—ご専門は消化器内科だとうかがいました。普段はどんな患者さんが多いのですか?
循環器疾患や糖尿病や高血圧などの生活習慣病の方も多いですね。全身をしっかり診られる内科医でありたいと思っています。2019年には院内を改装して内視鏡室を作り、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と大腸内視鏡検査も順に導入しました。鎮静剤を使うことで苦痛の少ない検査を提供しています。大腸がんは死亡率の高い病気ですから、排便時の出血や便秘・下痢・便が細いなど些細でも症状がある場合、安易に考えず一度は検査を受けていただきたいです。
—幅広い診療をされている印象があります。クリニックで対応している内容を改めて教えていただけますか。
高血圧や糖尿病などの生活習慣病を基本とした内科全般に加えて、専門である内視鏡検査、花粉症やアレルギー、睡眠時無呼吸症候群、EDやAGAに対する自費診療、予防接種など幅広く対応しています。
—幅広い診療の中で、先生が特に大事にされている考え方はありますか?
「EBM(根拠に基づく医療)」です。感覚や経験だけでなく、エビデンスに基づいた医療を提供することを常に意識しています。学会や研究会には積極的に参加していますし、座長や演者として講演を担当させて頂くこともあります。学んだことをそのまま患者さんに還元することが大事だと思っています。
—スタッフの採用や人材面については、どのように取り組まれていますか?
父の代から長年勤めてくれている優秀なスタッフが居てくれるのでとても助かっています。新たなスタッフは主にジョブメドレーなどで採用してきました。事務スタッフや看護師などのコメディカルも、チーム医療を行うために必要な人材であることを常に伝えるようにしています。医師だけでは医療は成り立ちません。
—採用後の教育や定着に関してはどうですか?
医療事務は一般の事務と比して医療の専門知識も必要とし、毎年変化する医療行政や新たな薬剤などの情報にもキャッチアップしていく必要があります。定期的な勉強会を行ったり、実務以外での知識の習得のために、講習を受けて頂く費用や書籍代などは積極的にサポートしています。
—経営の中で、特に大変だったことを挙げるとしたら?
やはりコロナ禍が挙げられるでしょう。未曾有のパンデミックの中、感染対策やワクチン接種など様々な対応が必要となりました。コロナ禍を一緒に乗り越えた仲間と、またこれから新たに加わってくれるスタッフも一丸となりチーム医療で診療を行っていきたいと思っています。
—先生が「やっていて良かった」と思う瞬間はどんなときですか?
他院で診断がつかなかった方に、当院で診断・治療ができたときはとても嬉しいですね。がんを初期で発見できたときも強いやりがいを感じます。やはり早期発見・早期治療が何より大切です。
—先生の診療理念についても教えていただけますか。
保険医として適切な保険医療を提供することです。複数の医院で重複した薬剤を処方されてる際には他院との情報共有を行い是正に努めます。本来は不要な薬剤を患者さんが要求されるがままに漫然と処方してしまう医師がいることも事実ですので、公費が投じられている保険医療であることをしっかりと認識し、理解されていない方には指導を行います。そのためにはやはりEBMを基本とした診療を行い、医療DXも積極的に進めていく必要があると考えています。
—どういった患者さんに来ていただきたいとお考えですか?
当院を信頼して下さる患者さんを大切にしたいと思っています。医師も患者さんも人間ですから相性もあります。私はどちらかと言えばはっきりとモノを言うタイプで、それが良いと仰る方もいますし、言い方がキツいと仰る方もいます。限られた時間で的確な医療面接を心がけていますのでゆっくりと時間をかけて話を聞いてほしい、という方には合わないかも知れません。
—現在の患者数についてはどうでしょう。まだ余裕はありますか?
医師が4人在籍していますので、増やすことは可能です。他院とは異なり、循環器と消化器の二つの主要な内科医師が在籍しているのが当院の強みです。どの医師も先進医療に携わっている専門医です。
—最近導入してよかったシステムなどはありますか?
父の代は紙カルテでしたから継承にあたり電子カルテを導入し、画像システムや検査オーダーなどを全て連携させました。WEB予約や自動精算機も導入し患者さんの利便性向上にも努めています。
—今後2〜3年で目指すクリニックの姿を教えてください。
日本の保険医療は高齢化社会に伴い非常に厳しい状況になっています。世の中のニーズに応え、多様化する医療にもしっかりと対応していきたいと思います。
—最後に、先生ご自身の夢や、これから開業を目指す先生へのメッセージをお願いします。
日本の医療が世界に誇れるものであって欲しいと思っていて、そのためには国民全体の意識改革が必要だと思います。高齢化社会という現実においては健康寿命をいかに伸ばせるかが大切です。『生』の絶対肯定では無く『死』も生物として当たり前のものだということを踏まえ、いざとなった時に戸惑ったり慌ててしまわないように、普段から患者さん達にも終活の勧めを行うことも大切だと思っています。開業を目指す先生にお伝えするとしたら、若い間にできるだけ救急医療や厳しい修羅場を経験しておくことをお勧めします。また開業してからも新たな医療知識の習得に常に努めていかなければ、開業しても経営はかなり厳しいものになるでしょう。
Profile
院長 大西 幸作
大西幸作先生は、大阪労災病院で消化器内科医として研鑽を積み、2018年より大西内科クリニック院長を務めています。専門は消化器内科ですが、循環器や生活習慣病、睡眠時無呼吸症候群など幅広い内科診療を手がけています。2020年からは大腸内視鏡検査も導入し、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査で大腸がんの早期発見にも尽力。医療理念として「EBM(根拠に基づく医療)」を掲げ、常に学術活動で知識を更新し、信頼してくれる患者さんに真摯に向き合う診療を実践しています。