患者さんと同じ目線で立ち、一生の伴走者へ。アトピースキンケアクリニック 古橋卓也院長が掲げる「伴走型医療」の真意
2026.02.20
地域医療への貢献を目指して--「溝の口おかもと糖尿病内科」院長の熱い想い
溝の口おかもと糖尿病内科
院長 岡本 芳久
神奈川県川崎市高津区溝口に開院された「溝の口おかもと糖尿病内科」は、糖尿病をはじめとする生活習慣病や、甲状腺疾患などの内分泌疾患に特化したクリニックです。長年にわたり大学病院や地域基幹病院で豊富な経験を積まれ、その知見を活かして地域医療に貢献されています。特に、専門性の高い「血管病」の診療に力を入れ、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせたオーダーメイドの治療を提供されています。今回は、院長の岡本 芳久先生に、医師を志されたきっかけや、クリニックの経営理念、そして診療にかける熱い想いについて、詳しくお話を伺いました。地域のかかりつけ医として、患者様と真摯に向き合う岡本先生の魅力に迫ります。
—医師を志されたきっかけについてお聞かせいただけますでしょうか?
中学生くらいの頃から、もともと医学そのものに興味があったんです。人間の体の仕組みはどうなっているんだろうか、というような好奇心がありました。それに加えて、将来どのような仕事に就こうかと考えた時、人の命を助けるという医師の仕事は、人々に貢献することが最もはっきりしている職業だと感じたからです。また、自分の興味ともマッチしていたため、医師を目指しました。
—数ある診療科の中から、糖尿病や内分泌の分野を専門とされたのはなぜでしょうか?
クリニック名にもあるように、私の専門は糖尿病が基本ですが、大学院時代に脂質研究室に所属し、コレステロールなどの脂質(油)の研究をしていました。そのため、動脈硬化に関する仕事にも長く携わっています。糖尿病だけでなく、脂質代謝や肥満症に関する研究をずっと続けてきました。
—先生の専門分野における強みは何でしょうか?
私は大阪大学のグループで、脂肪細胞から出るアディポネクチンというホルモンを発見したグループの一員でした。また、私の師匠は、日本でメタボリックシンドロームの概念を最初期に提唱した、内臓脂肪が悪影響を及ぼすことを解明した先生です。そのため、肥満症の方を診るということも、私の専門の一つとなっています。肥満症や脂質の専門医の資格を持っている医師は、学会で認定を受けている数でいうと、実はそれほど多くないんです。そこが、他の先生方とは違う、私の強みだと思っています。
—大学病院や基幹病院でご活躍された後、クリニックを開業されたきっかけをお聞かせください。
若い頃は、研究や診療に携わっていましたが、年齢を重ねるにつれて、診療部長や副院長といった管理職の仕事が増えてきたんです。そうなると、実際の患者さんと向き合う仕事ではない、病院の経営や人事、人のマネジメントなど、本来の医師の仕事ではない業務に時間を取られるようになりました。もちろん、管理職としての仕事もやりがいはありましたが、「いつまでもこのままの状態でいるよりも、もっと本来の医師の仕事をやりたい」という思いが強くなっていきました。
—開業という道を選ばれた決め手は何でしょうか?
開業しようと思った当時、私は50代半ばでしたので、タイミング的にもラストチャンスかなと感じました。開業に際しては、先に開業していた後輩医師たちからアドバイスをもらい、自分でも「まだやれそうだ」と思えたんです。何よりも、患者さんに近い場所で、自分のやりたい医療を自分のポリシーで実現できるという点が、開業を決意した一番の理由です。上から押し付けられた仕事をするわけではないので、大きなやりがいがあると感じました。
—開業から現在までに、最も苦労されたエピソードは何でしょうか?
開業したばかりの頃は、やはり患者さんが増えてくれるかという点が最も不安でした。私は以前勤めていた病院から遠いこの地で開業した、いわゆる「落下傘開業」だったので、最初から患者さんを引き継ぐことができなかったんです。しかし、幸いにも多くの方に支えられ、今ではゆっくりですが患者さんが増えてきています。また、慣れない経営的なことや、スタッフの採用・マネジメントなど、以前は経験しなかった業務も多く、そこは少し苦労しましたね。ただ、後輩たちの経験談を参考にしたことで、大きな失敗をせずに来られたのは幸いでした。
—逆に、開業されてから最も嬉しかったこと、やりがいを感じた瞬間をお聞かせください。
やはり、遠方からわざわざ私を頼って来てくださる患者さんがいることは嬉しいですね。以前、病院で診ていた患者さんが、1年以上経ってから「やっぱり先生がいい」と言って、遠い道のりにもかかわらず、当院まで通院してくださるケースがいくつかありました。時間をかけてでも、遠くから来てくれる患者さんがいることは、何よりも自分の喜びになります。自分を頼ってくれる患者さんの存在は、明日への活力になりますね。
—長いお付き合いとなる生活習慣病の診療において、特に意識されていることは何でしょうか?
糖尿病や高血圧、高コレステロール血症などの生活習慣病は、長期にわたって治療を続けていかなければならない病気です。ですから、まずは患者さんの話をよく聞くことを大切にしています。患者さん一人ひとりのライフスタイルを理解し、その方に合わせた治療プランを提案するように心がけています。一方的に「これをしなさい」と押し付けても、続かなければ意味がありません。持続可能なプランであることを大切にしています。
—クリニックの経営理念と、質の高い医療を提供するためのこだわりをお聞かせください。
当院の理念は、「血管病をちゃんと診る」ということです。糖尿病、高血圧、高コレステロール血症、痛風といった血管の病気に関連する疾患を見逃さないということを大切にしています。血糖値の数字だけを診るような診療ではなく、体全体を診るということを重視しています。そのため、他の糖尿病内科ではあまり導入しないようなレントゲンや、血管の検査をするための生理機能の機器など、血管病を見逃さないための基本的な機器は揃えているつもりです。
—診療の質を保つために、先生が徹底されていることは何でしょうか?
自分一人で抱え込まずに、適切な専門医や病院に紹介することも意識しています。当院は、私の専門分野については徹底的にやりますが、専門外の一般的な内科疾患については、初期治療は行いますが、手に負えないと思ったら、ためらわずに専門医や病院に送ります。患者さんにとって一番良い選択肢を提示することが、最終的に患者さんのためになるからです。できることは徹底的に、できないことには手を出さないというスタンスを貫いています。
—今後2〜3年後のクリニックのビジョンについてお聞かせください。
今の延長線上で、もっと多くの患者さんに来ていただけたら嬉しいですが、患者さんが増えすぎると、一人にかける時間が短くなってしまうかもしれないというジレンマがあります。出来るだけ多くの患者さんを受け入れて要望に応えたいという気持ちがある一方で、診療の質を落とすことは避けたいからです。今後はスタッフの充実や、診療フローの効率化を図ることで、手抜きにならない範囲で、最大限の診療ができるようなクリニックにしたいと思っています。質を落とさない範囲で最大化を目指すというのが、当面の目標です。
—先生にとっての「夢」とは何でしょうか?
やはり、「当院を選んでよかった」と思ってくれる患者さんが増えること、そして、継続して通院してくださる患者さんが、健康を維持して、元気に過ごしてくださることですね。アリキタリな言い方かもしれませんが、自分を頼って来てくれる患者さんがいることは、何よりも私の喜びです。
—最後に、これから開業医を目指す先生方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いいたします。
これから開業を目指す先生方には、なるべく多くの経験を積んで、自分を磨いてから開業してほしいと思います。若いうちに経験がないまま開業するよりも、しっかりと経験とエビデンス(根拠)に裏打ちされた知識を身につけてからの方が良いでしょう。そして、常に、「優しい医者、考える医者」であってほしいと願っています。これは、患者さんには優しく接すると同時に、その患者さんの病態を科学的視点で考えながら診療しなさいという意味です。自分の経験や知識を過信せずに、謙虚に学び続ける姿勢が大切です。
Profile
院長 岡本 芳久
「溝の口おかもと糖尿病内科」院長の岡本 芳久先生は、山形大学医学部をご卒業後、大阪大学大学院医学系研究科を修了され、医学博士の学位を取得されました。内分泌・代謝内科を専門とされ、社会保険紀南病院(和歌山県)での内科医長をはじめ、大阪大学医学部附属病院、米国ハーバード大学での博士研究員を経て、日本医科大学武蔵小杉病院や横浜市立大学附属市民総合医療センターで講師を務めるなど、最先端の医療現場でご活躍されました。その後、独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)横浜保土ケ谷中央病院の副院長に就任され、診療だけでなく組織運営にも深く携わられました。長年の臨床経験と研究成果を地域医療に還元したいという想いから、帝京大学医学部附属溝口病院の非常勤医を経て、現在、「溝の口おかもと糖尿病内科」を開院。患者様の健康維持に尽力されています。