患者さんの心に寄り添う「優しさの医療」を。せたがや形成外科・美容外科クリニック院長・滝本磨理香先生が語る、形成・美容外科の無限の可能性
2026.06.04
「最期まで住み慣れた街で」小野田医院・小野田恵一郎院長が目指す、患者の人生を支える生涯のホームドクター。
小野田医院
院長 小野田 恵一郎
神奈川県川崎市宮前区馬絹で、長年にわたり地域住民の健康を守り続けている「小野田医院」。聖マリアンナ医科大学病院での勤務を経て、平成26年に院長へと就任したのが小野田恵一郎先生です。小野田院長は、消化器一般外科の専門医として培った高度な医療技術をバックボーンに持ちながらも、現在は「地域に根差したかかりつけ医」として、外来から訪問診療まで幅広く対応されています。今回のインタビューでは、小野田院長が医師を志した原点や、地域医療に対する熱い想い、そしてこれからのクリニックの展望について詳しくお話を伺いました。
—小野田先生が医師を志したきっかけからお聞かせいただけますか?
はい。私の父が外科医をしておりまして、祖父が産婦人科医をしていました。そういった医療、医師が身近にある環境で育ってきたというベースがまずあります。
—ご家族の姿を近くで見てこられたのですね。ご自身の中で「医師になる」と強く決意された具体的なエピソードなどはありますか?
私が小学生の時に、交通の事故で足の骨折をしまして。半年くらい養護学校に通ったことがあるんです。その時に、先天性の心疾患だったり、白血病だったり、てんかんだったり、そういった病気を持った子どもたちと一緒に学校に通ったり、入院生活を共にしたりする機会がありました。彼らと生活を共にする中で、「こういった子どもたちを直してあげたいな」と思ったのが、最初のきっかけですね。
—大学卒業後は消化器一般外科へ進まれ、数々の基幹病院で医長を歴任されています。数ある診療科の中で、なぜ「外科」を選ばれたのでしょうか。
私が医局を決める当時は、外科医というのは割と「花形」というか、病院の中でも注目される分野であったというのが一つあります。もう一つは、内科については自分で勉強すればできるようになるだろう、というちょっと生意気な感覚があったんです。実際にはそんな単純なものではないのですが、当時はそう思っていました。
—その後、お父様の後を継ぐ形で小野田医院の院長に就任されました。勤務医時代と比べて、開業医・経営者になってから大変だと感じる部分はありますか?
病院に勤めている時は医療だけをやっていればよかったのですが、開業するとカルテの入力一つとっても、初診料や再診料、各種管理料といった「コスト」をすべて自分で入れていかなければなりません。そこは事務的な作業として最初は慣れなくて大変でした。
—医療以外の事務的な業務も、すべて院長先生が把握して動かす必要があるわけですね。
はい。特にうちは電子カルテの導入がかなり早かったのですが、当時は今ほど機能が進化していなくて、病院用のシステムと比べるとおもちゃみたいに使いづらい部分もあり、初期はシステム上の苦労もありましたね。ただ、うちの場合は父の代からのスタッフが開業の仕組みをよく分かってくれていたので、ゼロから立ち上げる先生方に比べれば非常に恵まれていたと思います。
—周囲のスタッフのサポートが大きな支えになっているのですね。他に経営面で頼りにされている方はいますか?
開業当初は私の母親が、当院の医療事務や「事務長」としての役割をずっと担ってくれていました。現在は妻が事務長を継いでくれています。 人が少ないクリニックの経営において、そういった信頼できる身内が事務・実務の苦労を引き受けて、しっかりコントロールしてくれているのは大きいです。そのおかげで、私はより深く患者さんの診療に力を注ぐことができています。
—地域のかかりつけ医になってから得られた「嬉しさ」や「やりがい」について教えてください
やはり、患者さんと「長くお付き合いができること」です。大きな病院の外科にいた頃は、救急で来られた患者さんを緊急手術して、治ったら外来に1回くらい来てもらっておしまい、という関係がほとんどでした。あるいはがんの患者さんであっても、手術をして5年間再発がなければ、基本的にはそこで診療が終了してしまいます。
—病院では、ある程度「期限付き」の関わりになってしまうのですね。
そうなんです。さらに大学病院に所属していると、関連病院への出向や異動も多く、「せっかく自分を頼りにしてくれているのに、途中で主治医が変わってしまう」という心苦しさが常にありました。患者さん側も、主治医が変わることにがっかりされている姿をよく見てきました。
—それが開業医になられてからは、どのように変わりましたか?
小野田医院では、患者さんがお元気な時も、少し体調を崩された時も、ずっと継続して診て差し上げることができます。長く関わることで、その方のライフスタイルや「人柄」までしっかりと分かってくる。頼りにしてくださる患者さんを一生涯、最期までサポートし続けられる環境があることは、大きな喜びですね。
—現在の小野田医院の診療における強みや、特色について具体的に教えていただけますか?
当院の診療は、大きく分けて「3つの柱」で成り立っています。 1つ目は、風邪や生活習慣病などを幅広く診る「一般外来」で、来られた患者さんは断らずに診るというスタンスを大切にしています。 2つ目は、私の専門である「消化器疾患の精密な検査・診療」。胃カメラや大腸カメラ、カプセル内視鏡による小腸の検査まで、お口以外は食道から肛門まで消化管すべてを網羅して当院で検査が可能です。 そして3つ目が、今非常に力を入れている「訪問診療(在宅医療)」です。現在100人から120人ほどの患者さんを在宅で診ていますが、その約7割は、もともと当院の外来に通われていて、年齢と共に通院が困難になって在宅へ移行された方々です。外来の頃から気心が知れているので、お家に伺ってもスムーズに安心感を持っていただけます。
—最近、在宅医療をさらに手厚くするための新しい取り組みを始められたと伺いました。
はい、つい最近、患者さんを搬送するための「専用の車両」をクリニックで用意しました。例えば、訪問診療している患者さんがご自宅で転んでしまって動けないという時、うちの車(ストレッチャー対応車)でお迎えに上がって、クリニックに連れてきてレントゲンを撮る、といった急な病気への対応ができるようにしたんです。
—最後に、これから開業医を目指す若い医師や、同じ境遇に立つ先生方に向けたアドバイスやメッセージをお願いいたします。
ご自身で新しくクリニックを始める、あるいは継承するというのは、人事面も含めて本当に大変な苦労が多いと思います。しかし、開業しようと考えられている先生方は、ご自身の力に確かな自信を持ってスタートされるはずです。まずはその「自分の力」を信じて、粘り強く頑張っていただきたい。 それから、開業医はどうしても自分の殻にこもって孤立しがちになりますが、私は川崎市医師会の理事や、川崎市外科医会の会長、行政に関わる仕事など、様々な医師会活動を一生懸命やらせていただいています。なぜなら、そこには同じ思いを持った「仲間」がいるからです。困ったときに相談でき、アドバイスをもらえる人脈や仲間を地域の中にしっかりと作って、みんなで支え合いながら頑張っていければ良いのではないかと思っています。
Profile
院長 小野田 恵一郎
平成10年3月に埼玉医科大学を卒業後、同年5月に聖マリアンナ医科大学第1外科に入局。平成16年3月に同大学にて博士号を取得。その後、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の一般消化器外科医長、川崎市立多摩病院の消化器一般外科医長、衣笠病院の外科医長を歴任。平成21年8月からは聖マリアンナ医科大学病院の消化器一般外科医長を務める傍ら、火曜日には小野田医院にて勤務を開始。平成26年4月に小野田医院の院長に就任。現在は聖マリアンナ医科大学病院の消化器一般外科非常勤医師(木曜)を兼任しつつ、平成26年9月より医療法人社団昌慶会の理事長、令和元年7月からは公益財団法人川崎市医師会の理事としても精力的に活動している。