地域に根ざし、同業者も通いたい歯科医院へ──みずほ歯科 院長・佐藤隼先生インタビュー
2025.09.22
最高の医療を追求し、アカデミズムと臨床の壁を壊す--大内雅之アイクリニック院長の挑戦
大内雅之アイクリニック
院長 大内 雅之
今回は、京都市南区に位置する大内雅之アイクリニックの大内雅之院長に、医師を志したきっかけから、現在のクリニックを開業された経緯、そして今後の展望について、深くお話を伺いました。白内障手術、屈折矯正手術の分野で日本のトップランナーとして活躍され、常に医療技術の最先端を走り続ける大内院長。その探求心と、医療に対する真摯な姿勢は、多くの患者様からの信頼を集めています。大学病院では実現が難しい、自身の理想とする高いレベルの医療を地域社会に提供し続ける、その熱い想いと哲学に迫ります。
—さっそくですが、医師を志されたきっかけをお聞かせください。
高校生の頃、進路を決める際に特に強い志があったわけではなく、子供の頃から、銀行員の父に「医師か弁護士になったら良いよ」と言われていた中で、また私自身が理科系であったこともあり、成績が良かったら医学部を受けるという当時の風潮に乗った形で受験を決意しました。
—勤務医から独立し、開業を決意された主な経緯は何でしょうか?
私の専門である白内障手術は、技術や機器の進歩により、日帰りでもできるようになりました。その結果、大規模な病院よりも、開業医の方が遥かに良い手術ができる環境が整ってきたことが最大の理由です。殆どの大規模な病院は内科や外科のために作られており 、眼科、さらに白内障手術だけに傾注した設備を導入しづらい制約があります。自分の理想とする最高の医療とアカデミズムを両立するためには、自分で全てをコントロールできるこの場所が必要でした。
—クリニックの専門とされている手術を教えてください。
私の専門は白内障手術と屈折矯正手術(近視・乱視・老眼)です。
—開業医がより良い手術環境を持てるようになったのはなぜでしょうか?
私のクリニックは設計から人員配置まで全て白内障手術のために作られています。また、手術に必要な高額な機器に関しても、自分で稼いで自分で購入しているため、大学病院では導入が難しいような最高の機器を、予算時期や他科との関係に関わらず、直ぐに使うことができるからです。
—診療・手術を行う上で、最も意識されている点、注意されている点は何でしょうか?
最も意識しているのは、自分が診察し、自分が手術し、術後も自分が診るという、医師として当たり前のことを徹底することです。そして、収益目的の手術施設は忖度なく糾弾し、患者様にとって何が最善かを常に追求して、必要のない手術を避けることに注意しています。
—医師としての揺るがない信念、ポリシーについてお聞かせください。
私のポリシーは「トップ集団を走り続ける」ことです。それができなくなった時は、潔く辞めるという覚悟です。常に最高の技術と知識を追求し、医療の最前線を走り続けること、そしてこの哲学と技術を継承していくことです。
—ご自身の病院経営で喜びや幸せを感じる瞬間はどのような時ですか?
自分にとって普通の手術をしていれば、患者様は自然と来てくださり、それが自然と収益につながり、全てが上手く回っていく今です。良い手術をしてそれを講演/論文で発信していくということを普通にやっているだけで、全てが自分に返ってくるこの環境に大きな喜びを感じます。
—開業されてからこれまでで、最も苦労されたエピソードは何でしょうか?
一般的に開業医が悩むのは職員の問題だと言われますが、今、私のクリニックは能力と協調性のある人だけが残る環境が整っているため、その苦労はありません。強いて言えば、自分一人で全てを担っているため、自分の休みがなかなか取れないことです。
—経営者としてのお考えや、経営におけるポリシーがあれば教えてください。
経営に関しては、会計士に丸投げしています。医師は、本業である診療と手術に集中すべきで、そうでなければ、何かが間違っていると思っています。その分、自分の理想とする設備や人材への投資に全力を注いでいます。
—ご自身のクリニックの広告・集患について、どのようなお考えをお持ちですか?
集患のための特別な広告活動はほとんどしていません。お金をかけるのは、スポーツ選手のスポンサーなど、自分が楽しめることだけです。それよりも、私自身が良い手術を公開し、学術活動を通じて発信することで、患者様がそれを見て信頼し、自然と来てくれるという流れを大切にしています。
—今後のビジョンや、医師として達成したい夢についてお聞かせください。
私の専門分野である白内障・屈折矯正手術のレベルを向上させる次世代のリーダーを育成することです。白内障手術は件数が多いにも関わらず、それを専門とする若い医師が少なく、教育が手薄になっています。私たち世代が引退した後、日本の白内障手術のレベルが維持できなくなることを避けるためにも、この分野のリーダーとなる人材を育てたいと考えています。
—白内障手術の専門医が少なくなっている原因は何でしょうか?
最近の若い医師は、殆どの大学教授が緑内障、網膜の専門家になってしまったこともあり、これら失明につながる疾患の治療の専門医になることを目指す傾向が強いです。白内障手術は通過点と捉えられがちで、「ついでにやっている」医師が多くなっているのが現状です。
—これから開業を目指す先生方へ、アドバイスやメッセージをお願いいたします。
手術は手先の器用さではなく、頭でやるものです。なぜ上手くいくのかを論理的に理解し、知識と技術を身につけてください。学会などオフィシャルな舞台で「良い」と思われる医師になってから開業に踏み切らないと、これから先の時代は厳しくなっていきます。プロフェッショナルな実力を身につけてから、挑戦してください。
Profile
院長 大内 雅之
大内雅之アイクリニックの院長、大内雅之先生は、1990年に東京慈恵会医科大学をご卒業後、京都府立医科大学眼科学教室に入局されました。その後、1994年に公立南丹病院 眼科医長、2000年に京都府立医科大学大学院に進学され、眼科医療の知識と技術を深められました。それらの評価から2007年には京都府立医科大学 客員講師に就任、2016年には北海道大学の非常勤講師、2018年には大内雅之アイクリニックを開設。そして2021年には東京医科歯科大学 特命教授に就任されるなど、教育・研究機関においても重要な役割を担ってこられました。白内障手術、屈折矯正手術を専門とし、その卓越した技術と臨床経験、そしてアカデミックな知見を地域医療に還元し続けています。