Interviewインタビュー

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長に聞く「胃がん・大腸がん予防への熱い想い」

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック

院長 安江 千尋

昨今、日本人の二人に一人が罹患すると言われる「がん」。特に消化器がんは早期発見が極めて重要とされています。しかし、「内視鏡検査はつらそう」「忙しくて病院に行く時間がない」といった理由から、検査をためらう方も少なくありません。そんな中、患者様がより気軽に、そして安心して検査を受けられる環境を提供しようと、大阪・天王寺に天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックを開業した安江千尋院長。かつては国内トップクラスの癌専門病院で、数多くの進行がん患者様と向き合ってきた安江院長が、いかにして現在のクリニックを開院し、どのような医療を目指しているのか。その経歴と熱い想いを伺いました。クリニックの先進的な取り組みや、経営におけるポリシーについても深掘りします。

「がんの早期発見・早期治療」の重要性を痛感した経験が原動力–天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック 安江 千尋 院長インタビュー

医師を志したきっかけと、がん専門病院での経験

まず、安江院長が医師を志すことになったきっかけをお聞かせいただけますでしょうか?

大それた理由があるわけではないのですが、幼い頃に風邪をひきがちで小児科の先生にお世話になることが多く、点滴一本で楽にしてくれる姿が、スーパーマンのようにすごい人に感じたことが、漠然とした憧れとなっていました。もちろん、最初から医師になると強く思っていたわけではありませんでしたが、勉強していく中で成績もついてきて、目指せる位置になった時、「やはり人の命を救う、人の役に立つ立派な仕事だ」と、幼い頃の憧れを思い出し、医師の道を決めました。

その後、がん研有明病院などの専門性の高い病院でご経験を積まれました。特にがん専門病院でのご経験で、クリニック開業へと繋がる転機はありましたか?

大学卒業後、自衛隊医官として自衛隊の病院に勤務していましたが、個人的には消化器内科に非常に魅力を感じ、内視鏡の検査や治療の習得に励みました。しかし、自衛隊という組織では、2年ごとの転勤があり、専門に特化して深く追求することが難しい環境でした。 そのため、癌の専門病院で働きたいという思いが強くなり、最終的に国内でもトップクラスのがん研有明病院に勤務することになりました。そこでは主に早期がんの内視鏡治療に邁進する日々でした。しかし、がん研有明病院は「最後の砦」のような病院です。進行がんとなり、もはや手の施しようがない患者様が、藁をもすがる思いで来院されるケースを多く目の当たりにしました。

進行がんと向き合う中で、どのような思いを抱かれたのでしょうか?

なぜもっと早く検査を受けてくれなかったのか、検診をサボっていたのか、症状のサインを見逃していたのか。進行がんになってからでは、我々がん専門病院の医師であっても、非常に治療が難しくなります。 この経験から、「治療」はもちろん重要ですが、「入り口(予防・早期発見)」の段階がいかに大切かを痛感しました。進行がんになる前に、いかにハードルを低く内視鏡検査を受けてもらい、早期で発見し、早期で治療を完了させるか。これが癌による不幸を減らすために最も必要なことだと確信しました。

その強い思いが、開業という決断に結びついたのですね。

はい。がん専門病院で治療を続けるよりも、もっと早い段階で癌の予防や啓蒙活動を行い、がん撲滅に貢献したいという思いが強くなりました。

そして、奥様が関西出身、安江院長も兵庫県明石市のご出身というところで、関西に戻って来られるというタイミングが重なったと。

その通りです。妻の「東京はもう無理、親元に戻りたい」という強い意向があり、関西に戻るタイミングで、「じゃあ今だ!」と。これまでの経験と、早期発見・予防への強い思いを活かして、関西の地でクリニックを開業することを決意しました。

医療の質を追求し、地域に根差したクリニック経営

開業されて約1年が経過しましたが、開業当初から今まで、特に苦労されたエピソードはありますか?

開業当初から今までで最も苦労したのは、医療以外の“経営”や“組織づくり”の部分です。 診療そのものは医師として長年積み重ねてきた経験がありますが、経営者としては全くの初心者でしたので、スタッフが増えるにつれて組織をまとめる難しさを感じる場面もありました。 また、保険医療制度や診療報酬など、これまで深く関わってこなかった事務的な分野にも向き合わなければならず、その点でも苦労しました。ただ、今ではすべてが良い学びとなっています。

人間関係の課題に対しては、どのような対策をとられていますか?

開業当初から、ワンオンワン(1対1の個人面談)は定期的に行っています。診療中は忙しくて個々のスタッフと深く話す時間が取れないため、月に1回、遅くとも2ヶ月に1回は面談時間を設け、仕事の悩みだけでなく、プライベートなことまで含めて話を聞くようにしています。これは、スタッフのガス抜きや、抱えている問題を早期に察知するためにも非常に重要だと考えています。

スタッフの定着率が高いのも、その手厚いサポートの賜物ですね。他に、スタッフへの福利厚生で意識されていることはありますか?

派手な福利厚生ではありませんが、誕生日にはスタッフ全員でお祝いしたり、インフルエンザの予防接種や健康診断もクリニックで無料で行っています。大事な部分にはケチらず、コストをかけることで、結果的にそれがスタッフへの還元や、より質の高い医療に繋がると信じています。

経営面で、特に役立っているシステムやサービスはありますか?

予約システムは、内視鏡検査に特化したクリニックで導入実績の多い「GMOメディカル革命」を利用しています。また、診察の効率化には、AIが患者様との会話を自動でカルテに記載してくれる「メディモ」というAIカルテサービスを導入しました。これにより、診察時間が短縮され、スタッフの業務負担が減っただけでなく、患者様と顔を見合わせてしっかり会話する時間が増え、コミュニケーションの質が向上したと感じています。

圧倒的な集患力と、今後のビジョン

天王寺という競争の激しいエリアにもかかわらず、貴院はWeb集客において非常に成功されています。Webマーケティング戦略で特に重視されている点は何でしょうか?

現代において、特に医療機関の集患においてWebマーケティングは全てだと思っています。内視鏡検査やがん検診を必要とする患者様は、まずスマートフォンで検索します。そのため、当院では専門業者と連携し、ホームページのSEO(検索エンジン最適化)対策、Googleマップでの露出を高めるMEO対策、そしてSNSでの情報発信を徹底しています。

実際にSNSからの効果も感じていますか?

はい。実はInstagramは患者様の集患というよりも、スタッフからの求人応募に大きな効果を感じています。 クリニックの明るい雰囲気や、スタッフ同士の温かいコミュニケーション、働きやすい環境を日々発信することで、 「ここで働いてみたい」と応募してくださる方が確実に増えました。 また、クリニックの雰囲気が伝わることで、患者様にも“安心して受診できる場所”と感じていただけるようになった実感もあります。 ウェブを軸に多角的に情報発信を行い、求職者や患者様が検索した際に、当院の姿がしっかり伝わるよう努めています。

今後の目標として、どのようなビジョンをお持ちでしょうか?

開業したからには、まずは次の目標として「大阪」という大きなエリアで一番の内視鏡・消化器内科クリニックを目指します。これは単に件数だけでなく、患者様からの「信頼」や「リピート率」も含めてです。まだまだ道半ばですが、これからも患者様のために質の高い医療を追求し、地域医療に貢献していきたいと考えています。

最後に、これから開業を目指す先生方、そして同じ医療に携わる先生方へ、熱いメッセージをお願いします。

正直に申し上げると、今の医療情勢を考えると、開業には不安も伴います。しかし、もし「自分はこういった医療がしたいんだ」という確固たる信念とビジョンを持っている先生であれば、私は心から応援したいです。 私自身、勤務医時代よりも今の生活は正直しんどいです。ですが、自分がやりたかった「癌の予防・撲滅」に直結する医療ができているというやりがいが、そのしんどさを凌駕しています。 また、開業する場所の選定も重要です。当院は、内視鏡検査・治療に特化したかったため、都心を選びました。ですが、先生によっては「地域に寄り添い、幅広い医療を提供したい」という思いもあるでしょう。ご自身の描く理想の医療に合わせ、慎重に開業エリアや戦略を練っていただきたいと思います。

Profile

院長 安江 千尋

安江 千尋 院長は、消化器内科・内視鏡専門医として、がんの予防と早期治療に情熱を注いでいます。2009年に防衛医科大学校を卒業後、防衛医科大学校病院、自衛隊横須賀病院、国立がんセンター東病院などで臨床経験を積まれました。その後、自衛隊舞鶴病院、大阪府立成人病センター(現 大阪国際がんセンター)を経て、2017年からはがん研有明病院下部消化管内科にて医員、2020年からは副医長として勤務。国内トップクラスの癌専門病院にて、特に早期がんの内視鏡治療に携わってこられました。この経験から「予防・啓蒙の重要性」を痛感し、2024年に地元関西である大阪府大阪市天王寺区にて天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックを開業。患者様が気軽に検査を受けられる環境づくりと、質の高い内視鏡検査・治療の提供を目指しています。

会社情報

医院名

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック

設立

2024年