地域医療への貢献を目指す–浜松歯科 中野 陽平 院長の経営と情熱
2026.02.17
「すべての人を幸せに」つるがや1000年クリニック・秋山健一が目指す、人生の最期まで一貫して支える理想の医療
つるがや1000年クリニック
院長 秋山 健一
宮城県仙台市宮城野区に位置する「つるがや1000年クリニック」。その舵を取るのが、院長の秋山健一先生です。秋山院長は、腎臓内科・透析のスペシャリストとして高い専門性を持ちながらも、何より「患者さんやそのご家族の人生の幸せ」を第一に考えた温かい診療を行っています。大学病院や総合病院での豊富な経験を経て、なぜこの地域での開業を決意されたのか。そしクリニック名に込められた強い想いとは。今回は秋山院長に、医師を志した原点から、地域医療にかける情熱、そしてこれからのクリニックの展望まで、じっくりとお話を伺いました。
—先生が医師を志したきっかけから教えていただけますか?
私には1つ下の妹がいるのですが、彼女は幼少期からひどいアトピー性皮膚炎を患っていました。当時は地元の福島県から東京や新潟など、全国の病院を回る日々で、小学生の低学年の頃には一人で入院していたこともあったんです。その姿を間近で見ていて、「病気を治せるお医者さんという職業は素晴らしいな」と興味を持ちました。できれば自分の手で、妹のように苦しんでいる人を治してあげたいと思ったのが最初のきっかけですね。
—学生時代はサッカーでも素晴らしい実績を残されたと伺いました。
はい、福島の磐城高校時代にサッカーで全国大会に出場しました。実は小学校の頃は太っていてディフェンスをやっていたのですが、中学に入って痩せたらフォワードに転向しまして。高校2年生の時にはスターティングメンバーとして全国の舞台に立つことができました。
—勉強とスポーツの両立において、苦労や抵抗感はありませんでしたか?
それが、私の地元はいわゆる田舎でしたので、東京のように小さい頃から塾に詰め込まれるような環境ではなかったのが幸いしました。小学校の高学年から週1回や夏期講習だけ塾に通い始め、サッカーも全力で続けました。勉強も運動も「やればやった分だけ成果がついてくる」という成功体験があり、それがすごく面白かったんです。この「努力は報われる」という実感が、その後の厳しい受験勉強や医師としてのベースになっています。
—サッカーのプロではなく医学の道へ進まれ、そこから「腎臓内科」を専門に選ばれた理由は何でしょうか。
最初は漠然と内科系かなと考えていたのですが、初期研修で腎臓内科を回った際、その奥深さに惹かれました。腎臓が悪くなる原因は、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病から、膠原病、あるいは腎炎など、実にさまざまです。あらゆる疾患が最終的に腎臓の悪化につながるため、腎臓内科を学ぶことは、総合的に内科全般を診る「総合内科」や「総合診療」に非常に近いと感じたんです。
—総合病院や大学病院での勤務を経て、なぜ「開業」という選択をされたのですか?
大学病院などの大きな組織にいると、診察以外にも多くのタスクがあり、外来で2〜3時間お待たせして実際の診察は3分だけ、という「3分診療」にせざるを得ない現実が多々ありました。しかし、私が本当にやりたかったのは、患者さんの話にじっくり耳を傾け、病気だけでなくその方の家庭環境や生活背景まで踏まえた医療だったんです。自分が理想とする診療スタイルを実現するには、自分でクリニックを立ち上げるしかないと考えました。
—開業にあたって、勤務医から経営者になることへの不安や怖さはありましたか?
もちろん、大きな資金を動かすわけですから不安はありました。ただ、そこはサッカー部で培ったチームプレイや、キャプテンとして集団をまとめた経験といった「マネジメントの強み」が活きると信じていました。また、幸いにも先に開業して成功していた同級生から信頼できるコンサルタントを紹介してもらい、地元の主要銀行さんともスムーズに話を進めることができたため、強力なバックアップのもとで安心して一歩を踏み出せました。
—「つるがや1000年クリニック」というお名前には、どのような想いが込められているのでしょうか。
この鶴ケ谷という土地にご縁があったこともありますが、「鶴は千年」の言葉通り、地域の皆さんの「健康寿命を延ばしたい」という強い想いを込めています。日本は長寿国ですが、実は「亡くなる年齢」と「健康でいられる年齢」の差が大きい国でもあります。寝たきりでの延命ではなく、亡くなる直前まで自分の足で歩き、身の回りのことができて、人生の質(QOL)を保ったまま人生を全うしていただきたい。そのためのサポートを、このクリニックで全力で行っていきたいと思っています。
—実際に開業されてから、嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
近くにお住まいの80代の女性患者さんのことです。高血圧と高脂血症をお持ちで、以前の病院では顔もほとんど見られず、ただルーティンでお薬を出されるだけの診察が続いていたそうです。当院に来られてじっくりお話を伺ってみると、実は娘さんがうつ病で引きこもりがちだという大きな悩みを抱えていらっしゃることが分かりました。そこで、患者さんご自身の治療はもちろん、娘さんがどうすれば現状を解決できるかという社会的な背景まで一緒に話し合いました。
—病気だけではなく、患者さんの生活そのものに寄り添われたのですね。
はい。そのお話をさせていただいた後、患者さんから「先生に出会えて本当によかった」と涙を流して感謝していただけました。患者さんの「ウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)」に貢献できたと実感でき、これこそが私のやりたかった医療だと深く感動しました。
—これから、このクリニックをどのような場所にしていきたいですか?
慢性腎臓病は「5人に1人」が患う時代と言われており、10年前の「8人に1人」から急速に増加しています。しかも自覚症状がないため、気づいた時にはかなり進行しているケースが多いのです。だからこそ、まずは皆さんに腎臓病のリスクを「知ってもらう」ための情報発信や活動の場として、このクリニックを特化させていきたいと考えています。ホームページや外観にもこだわり、地域の皆さんが気軽に相談しやすい、注目されるクリニックを目指しています。
—クリニックの経営者として、また医師として、これからの目標や「夢」を教えてください。
私の夢は、関わるすべての人を幸せにすることです。患者さんやそのご家族はもちろんですが、一緒に働いてくれるスタッフのことも幸せにしたい。今の若い世代は、インフレや税金の負担など非常に厳しい生活環境に置かれています。だからこそ、クリニックが成長した暁には、手当てを増やすなどしてスタッフやその家族にしっかり恩返しをしていきたいですね。みんなが笑顔で働ける環境を作ることが、巡り巡って最高の医療を患者さんに提供することにつながると信じています。
—最後に、地域の方や、同じ境遇の医師へメッセージをお願いします。
当院の最大の強みは、腎臓病の早期発見から、通院での腹膜透析・血液透析、さらには、おうちでの在宅血液透析・訪問診療による腹膜透析、そして最後の終末期医療まで、「ここで診られないものはない」と言える一貫した体制です。 これから開業される先生方に伝えたいのは、「自分のスペシャリティを大いに活かし、信念を持って論理的に一貫した病院作りをすれば、どんな時代でも必ず患者さんもスタッフも集まってくれる」ということです。目先のトレンドに流されるのではなく、自分が本当にやりたい医療を追求することこそが、最大の差別化になります。一緒に頑張りましょう。
Profile
院長 秋山 健一
平成13年4月に山形大学医学部医学科に入学し、平成19年3月に卒業(学士(医学))。同年4月に医師免許を取得する。その後、東京女子医科大学大学院(臨床系・内科学分野)に進学し、在学中の平成27年4月には自治医科大学分子病態治療研究センター抗加齢医学研究部へ国内留学を経験。平成30年3月に同大学院を修了し、令和2年3月には学位(博士(医学))を取得。学位論文「Calciprotein particles regulate fibroblast growth factor-23 expression in osteoblasts. Kidney Int. 2020Apr;97(4):702-712.」を発表。腎臓内科・透析の専門医として確かな実績を積み、現在は「つるがや1000年クリニック」の院長として、地域の健康寿命延伸と寄り添う医療の実現に尽力している。