Interviewインタビュー

開業医としての志と、患者満足度を追求する【鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニック】院長の診療哲学

鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニック

院長 中島 祥裕

神奈川県横浜市鶴見区、JR鶴見線「鶴見小野駅」前に2025年、地域医療の新たな拠点が誕生しました。「鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニック」です。院長を務めるのは、消化器内科を専門とし、急性期医療の最前線で研鑽を積んできた中島祥裕先生。中島先生が目指すのは、専門性の高い「苦痛の少ない内視鏡検査」と、何でも相談できる「街の頼れるかかりつけ医」の両立です。特に、患者様の時間的・精神的負担を徹底的に減らす検査体制は、開業前から大きな注目を集めています。長年の臨床経験で培われた「見逃さない目」は、いかにして地域の健康を支えるのか。また、漢方医学も取り入れることで、西洋医学では捉えきれない患者様の不調にどう向き合っているのか。中島先生の医療への情熱と、理想のクリニック運営に懸ける思いを深く掘り下げます。

理想の医療体験を追求!「苦痛の少ない内視鏡」と「街のかかりつけ医」を両立する【鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニック】中島 祥裕 院長の挑戦

医師を志した原点と急性期医療の経験

まずは、中島先生が医師を志されたきっかけについてお聞かせいただけますでしょうか?

実は、おじが個人で開業医をしておりまして、その影響もあって医師という職業に興味を持つようになりました。いつ頃から医師を志したのか、自分でもはっきりとは覚えていないのですが、小学校の卒業アルバムには、将来の夢として「プロ野球選手か医師になりたい」と書いていましたね。小学生の頃から、おじの働く姿を見て憧れていたのだと思います。

なるほど、身近な存在であったおじ様の影響が大きかったのですね。先生は、横浜市鶴見区に開院された背景や、地域を選んだきっかけは何だったのでしょうか?

もともと、以前勤務していた川崎幸病院という地域の中核病院と連携が取れる場所を探していました。その中で、たまたまこの鶴見小野駅の近くの良い場所を見つけたんです。私自身、生まれが鶴見ということもあり、この地域との縁を感じて開院を決めました。

川崎幸病院など、急性期医療の最前線で培われた経験は、現在の「街のかかりつけ医」としての診療にどのように活かされていますか?

それは非常に大きく活かされていると感じています。研修医の頃から、年間1万件を超える救急車を受け入れていた病院で、本当に1年目からファーストタッチで救急疾患に携わってきました。内科の開業医としての役割の一つとして、風邪や腹痛、発熱など、一見よくある症状に紛れ込んでいる急性期の疾患を、決して見逃さずに拾い上げることが非常に重要だと考えています。危険な痛みのパターンや、発熱の仕方など、教科書的な知識だけではない臨床経験として、患者様を安全に次の医療へつなげるために役立っていると実感しています。

患者様の負担を最小化する内視鏡検査へのこだわり

中島先生は内視鏡検査の専門家として、患者様の苦痛を減らすことに注力されています。先生が考える「理想の患者様体験」について、どのような取り組みをされているか教えていただけますか?

一度でも検査で苦痛を感じてしまうと、「二度と受けたくない」という気持ちになってしまう患者様が非常に多いため、つらい体験を減らすための工夫を徹底しています。具体的には、鎮静剤の使用で検査中の苦痛を抑えること、そして、胃カメラと大腸カメラを同日に実施できる体制を整えている点です。これにより、食事制限などの事前準備を1回で済ませることができます。

検査後のリカバリー体制にも配慮されていると伺いました。

はい。検査後のリカバリーにも配慮しています。当院ではリクライニングストレッチャーを導入しており、検査が終わった後もベッドから起き上がらずに、寝たままの状態で回復室へ移動し、休んでいただくことが可能です。検査の質だけでなく、検査前後の体験全体で患者様の負担を最小限に抑えるよう工夫しています。

内視鏡検査の苦痛をゼロに近づけることの、最大の目的は何でしょうか?

それは、胃がんや大腸がんの「早期発見の機会を失わないため」です。検査を受けたくないと敬遠されてしまうと、結果的に進行がんになってしまうリスクが高まります。苦痛のない検査を提供することで、「これならまた受けられるよ」と言っていただける、「また受けたい」と思ってもらえる内視鏡検査を提供し続けることが、最大の目標です。

感謝の言葉をいただく瞬間が、やはりやりがいを感じる時なのでしょうね。

まさにその通りです。内視鏡検査で「すごく楽にできたよ」と言っていただけたり、風邪や腹痛の患者様から「先生のおかげで良くなりました」と感謝されたりする時は、忙しい中でも医師としてやっていて良かったなと感じる瞬間です。

複合的なアプローチ:西洋医学と漢方医学の使い分け

中島先生は消化器内科の専門医でありながら、漢方家庭医の資格もお持ちでいらっしゃいます。検査では異常が見つからないが不調を訴える患者様に対し、どのようにアプローチされているのでしょうか?

基本はエビデンスに基づく西洋医学の治療、つまりはお薬を使うことがほとんどです。しかし、患者様によっては西洋薬が効きづらかったり、副作用が出やすかったりするケースもあります。また、内視鏡やその他の検査で器質的な異常は見つからない、いわゆる「機能性ディスペプシア(FD)」のような機能性の疾患の患者様も増えています。

漢方医学が活きる場面は多いと感じますか?

はい。そういった患者様に対しては、漢方を補助的に使うことで、症状が緩和されることが臨床経験から分かっています。漢方を適切に処方することで症状が改善する患者様も多くいるため、そうした治療の選択肢を広げたいという思いもあり、漢方家庭医の資格を取得しました。西洋医学だけでは対応しきれない不調に対して、漢方医学が持つ力を活かして対応しています。

開業されてから、以前の勤務時代と比較して、患者様からの相談内容に変化はありましたか?

はい、変化を感じています。以前は消化器内科医として、また救急医としての診療が多かったのですが、今は「街のかかりつけ医」として、より専門外の、幅広い内容の相談が増えました。それまで相談していた内容よりも、より深い内容や、私の専門知識ではなかった分野に関する相談も多く、それに対しては自分が学ぶ機会が増えたと感じています。常に謙虚な気持ちで、学び続ける姿勢が大切だと日々感じています。

クリニック運営の哲学と今後の目標

クリニックを開院されてまだ間もないですが、院長としての「経営方針」についてお聞かせいただけますでしょうか?

当院の理念は、「患者満足度の高いクリニック」を作ることです。これには、診療の質だけでなく、受付・看護師の対応、待ち時間などあらゆる要素が含まれます。その実現のため、予約システムやDX化を進めることで、患者様の負担を軽減しています。また、患者様の満足度を高めるためには、スタッフの満足度が高いことも不可欠です。スタッフがやりがいを持って、気持ちよく働ける環境づくりにも注力しています。

経営面での今後の展望についてはいかがでしょうか。規模の拡大は検討されていますか?

私個人としては、規模の拡大はそこまで重要視していません。求められれば対応は考えますが、いたずらに医師を増やして大規模化するよりも、今いる地域の患者様とスタッフを大切に、この地域の規模に合った、堅実なクリニック運営を続けていきたいと考えています。

集患、特に地域での知名度向上については、どのような戦略を取られていますか?

ターミナル駅ではない場所柄、地域に住む患者様を定着させることに重点を置きました。費用対効果を考え、莫大な広告費をかけるのではなく、駅の周辺にある看板や電柱広告などのスポット広告に加え、SEO/MEO対策に力を入れています。特に、「鶴見 小野」というキーワードで検索した際に、当院が検索結果の1ページ目に表示されることを目指しました。地域のキーワードで可視化されることを最優先に考えています。

最後に、中島先生が今後目指す「夢」や「目標」についてお聞かせください。

今後は、内科の患者様に加え、内視鏡検査の患者様をもう少し増やしていきたいと思っています。苦痛なく検査を受けていただくことで、早期発見・早期治療につながり、患者様を進行がんにさせないという貢献もできます。これからも「街のかかりつけ医」として地域の方々の健康に寄り添いつつ、内視鏡検査の件数を増やし、早期の診断と治療に結びつけることが、私の大きな目標です。

Profile

院長 中島 祥裕

2017年に東京医科大学医学部を卒業後、地域医療の中核を担う川崎幸病院で初期研修をスタート。その後、2019年には埼玉石心会病院、2020年からは再び川崎幸病院にて、消化器内科医として急性期医療の最前線に立ち続けました。特に川崎幸病院時代は、救急科も兼務し、年間1万件を超える救急搬送を受け入れる現場で、一刻を争う患者様の対応に尽力。そこで磨かれた「見逃さない目」は、現在のクリニック診療の大きな礎となっています。消化器内科専門医として内視鏡検査に強いこだわりを持ち、患者様の負担を極限まで減らす「苦痛の少ない検査」を追求。2025年、地元である横浜市鶴見区に「鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニック」を開院し、専門性の高い医療を身近な地域医療として提供されています。

会社情報

医院名

鶴見小野駅前内科・内視鏡クリニック

設立

2025年