Interviewインタビュー

医療法人社団 ヨルソラ歯科クリニック 前畑絢平理事長が紡ぐ、理想の歯科医療と組織づくりへの挑戦

医療法人社団 ヨルソラ歯科クリニック

理事長 前畑 絢平

人生の質を左右する「お口の健康」。単に痛みを払拭するだけでなく、10年後・20年後の未来を見据えた包括的な歯科治療と、それを安定して届ける組織づくりに挑み続ける若きリーダーがいます。今回は、医療法人社団 ヨルソラ歯科クリニックの理事長を務める前畑絢平先生にお話を伺いました。三田市での開業から始まり、2026年には神戸・三宮へ進出。歯科医師としての専門性と経営者としての真摯な眼差し、そして「家族に勧めたい治療」という情熱の原点に迫ります。

患者の将来と組織の未来を創る。医療法人社団 ヨルソラ歯科クリニック前畑絢平理事長が目指す「仕組みで届ける高品質な歯科医療」

志の原点と総合歯科医療へのこだわり

—まずは歯科医師を志すことになったきっかけを教えていただけますでしょうか?

歯科医師という仕事の魅力は、自分自身の知識や技術によって、患者さんの人生に直接良い影響を与えられることだと思っています。歯科医療は、単に痛みを取り除くだけではありません。しっかり噛めるようになること、自然に笑えるようになること、そして健康な状態を長く維持することにも関わります。そうした価値を自分の手で提供できることが、歯科医師という職業の大きな魅力だと感じています。

—開業することになったきっかけや経緯について教えていただけますでしょうか?

一番の理由は、自分が理想とする歯科医院をつくりたかったからです。歯科医院は数多くありますが、患者さんの将来まで考え、本当に必要な治療を適切な環境で提供できる医院をつくりたいという思いがありました。三田市で開業したのも、この地域に質の高い歯科医療を提供できる医院をつくりたいと考えたからです。また、歯科医師個人の技術だけに依存するのではなく、組織として質の高い医療を安定して提供できる仕組みをつくることにも興味がありました。歯科医療と経営、その両方を追求できることが、開業の大きな動機になっています。

—ご自身の専門領域について教えていただけますでしょうか?

一般歯科を基盤としながら、矯正治療、インプラント治療、審美歯科など、口腔内を総合的に改善する治療に力を入れています。歯科治療では、一部分だけを治しても根本的な問題が解決しないことがあります。歯並びや噛み合わせ、歯周組織、見た目などを総合的に考え、長期的に安定する治療を提供することを目指しています。

—診療科目について教えてください。

一般歯科、予防歯科、歯周病治療、小児歯科、矯正歯科、インプラント治療、審美歯科、ホワイトニングなど、幅広い診療を行っています。患者さんのお悩みをできる限り一つの医院で解決できるよう、総合的な診療体制を整えています。

—診療時に意識している点・注意している点があれば教えていただけますでしょうか?

私が大切にしているのは、「目の前の患者さんが自分の家族だったら、どのような治療を提案するか」という考え方です。歯科医師にとっては日常的な治療でも、患者さんにとっては人生を左右する大きな決断になることがあります。だからこそ、目先の治療だけではなく、10年後、20年後の状態まで考えた提案をするようにしています。 また、患者さんが何を求めているのかを正しく理解することも重要です。医学的に正しい治療であることは当然ですが、それが患者さんの希望や価値観に合っているかどうかも大切にしています。

これまでの経験について

—人材の採用については順調ですか?

順調なことばかりではありません。歯科業界全体として人材の確保は簡単ではありませんし、採用できたとしても、その人が組織に合うかどうかは別の問題です。私たちは、経験や技術だけではなく、人間性を非常に重視しています。特に大切にしているのが、「素直・勤勉・ポジティブ」という3つの要素です。技術は教育によって身につけることができますが、仕事に向き合う姿勢や考え方を変えることは簡単ではありません。だからこそ、採用の段階で価値観が合うかどうかを重視しています。

—人材教育において意識している点があれば教えていただけますでしょうか?

私が意識しているのは、単に仕事を覚えてもらうのではなく、自分で考えて行動できる人材を育てることです。 言われたことをこなすだけでは、組織も本人も成長しません。なぜその仕事が必要なのか、どうすればもっと良くなるのかを、自分自身で考えられるようになってほしいと思っています。また、努力していること自体は大切ですが、仕事である以上、結果につながっているかどうかも重要です。結果を出すために何を変えるべきかを考え、改善し続ける姿勢を大切にしています。一方で、スタッフには仕事だけでなく、プライベートも充実させてほしいと考えています。週休3日制を取り入れているのも、その考え方の一つです。しっかり休み、しっかり働く。限られた時間の中で高い成果を出せる組織を目指しています。

—開業してから現在までの間で最も苦労したエピソードがあれば教えてください。

一番苦労したのは、人を育て、組織として機能する仕組みをつくることです。歯科医師として患者さんを治療することと、経営者として組織を動かすことは、まったく異なる能力が求められます。開業当初は、自分自身が頑張れば解決できることも多かったのですが、組織が大きくなるにつれて、それだけでは限界があると感じるようになりました。自分がいなくても、スタッフ一人ひとりが適切な判断をして、患者さんに質の高い医療を提供できる。 そのような組織をつくることの難しさを感じています。ただ、その経験があったからこそ、経営者として成長できたとも思っています。

—クリニック経営を行う中で嬉しい瞬間はいつでしょうか?

もちろん、患者さんに喜んでいただけたときは嬉しいです。ただ、経営者として特に嬉しいのは、スタッフの成長を実感できたときです。以前はできなかったことができるようになったり、自分で考えて行動できるようになったりする姿を見ると、組織をつくってきて良かったと感じます。また、自分が直接関わっていないところでも、スタッフが患者さんに良い対応をしてくれているときは嬉しいですね。それは、個人ではなく組織として成長できている証拠だと思うからです。

—逆にクリニック経営をしていてどんなことが大変でしょうか?

経営者として最も難しいのは、さまざまな立場の人のことを考えながら、最終的な判断をしなければならないことです。患者さんにとって良いこと、スタッフにとって良いこと、そして医院の経営にとって良いことが、必ずしも一致するとは限りません。その中で、長期的に見て何が最善なのかを判断する必要があります。また、組織が成長するほど、一つの判断が与える影響も大きくなります。だからこそ、感情だけで判断せず、客観的な事実や結果をもとに意思決定することを大切にしています。

経営について

—御院の経営理念があれば教えていただけますでしょうか?

私たちが大切にしている考え方の一つに、「迷ったら家族と思え」という言葉があります。これは患者さんに対してだけでなく、スタッフ同士の関係にも共通する考え方です。もし自分の家族だったら、その治療を勧めるだろうか。もし自分の家族だったら、そのような対応をするだろうか。判断に迷ったときには、この原点に立ち返ることを大切にしています。ただし、家族のように接するというのは、単に優しくすることではありません。ときには相手の将来を考えて、伝えにくいことを伝える必要もあります。目先の満足だけではなく、長期的に相手のためになることを考えて行動する。そうした価値観を組織全体で共有していきたいと思っています。

—2〜3年後にどういうクリニックになっていたいのか、ビジョンがあれば教えてください。

規模を大きくすること自体を目的にはしていません。もちろん、より多くの患者さんに質の高い歯科医療を提供するためには、医院の成長も必要だと考えています。ただ、医院が増えたり、売上が大きくなったりしても、医療の質が下がってしまっては意味がありません。私が目指しているのは、どの医院でも、どのスタッフが対応しても、患者さんが安心して質の高い医療を受けられる組織です。そのために、教育体制や診療の仕組み、組織のマネジメントをさらに強化していきたいと考えています。また、スタッフにとっても、ここで働くことが自分自身の成長や人生の充実につながるような職場にしていきたいと思っています。

—経営者として大切にしている考え方やポリシーがあれば教えてください。

私が大切にしているのは、結果に責任を持つこと、そして変化し続けることです。どれだけ努力していても、それが患者さんの満足や組織の成長につながっていなければ、やり方を見直す必要があります。もちろん、努力や過程も大切です。ただ、経営者としては、結果を客観的に評価し、改善を続けることが重要だと考えています。また、昨日まで正しかったことが、明日も正しいとは限りません。医療技術も、患者さんの価値観も、働き方も変化していきます。過去の成功に固執せず、より良い方法があれば積極的に取り入れる。そうした柔軟性を持ち続けたいと思っています。

求める患者層や集患状況

—どういった患者様層に来てほしいですか?

年齢や性別に関係なく、ご自身の歯を大切にしたいと考えている方に来ていただきたいです。特に、今ある問題を治すだけでなく、将来の健康まで考えて治療を受けたいという方には、私たちの診療方針が合っていると思います。歯科治療にはさまざまな選択肢がありますが、患者さんが十分な説明を受け、納得したうえで治療を選択できることが大切です。そのため、保険診療と自由診療のどちらについても、それぞれの特徴やメリット、デメリットを丁寧に説明するようにしています。

—現状の集患状況はいかがでしょうか? まだ増やせる余地はありますか?

三田院については、地域の患者さんに少しずつ認知していただき、一定の診療基盤を築くことができていると感じています。一方で、新しく開院した三宮院については、まだまだ成長の余地があると考えています。ただ、私たちは単純に新規患者数を増やすことだけを目標にはしていません。一度来院された患者さんが、安心して継続的に通院できることが重要だと思っています。新規患者数だけでなく、継続率や治療の満足度、患者さんとの信頼関係を大切にしながら、医院を成長させていきたいと考えています。

将来の夢

—先生にとっての夢があれば教えていただきたいです。

私の夢は、自分がいなくても、自分の理想とする歯科医療が提供され続ける組織をつくることです。歯科医師個人の能力には、どうしても限界があります。一人の歯科医師が診ることのできる患者さんの数も限られています。しかし、同じ理念を持ち、高い技術と責任感を備えた人材が育てば、より多くの患者さんに良い医療を届けることができます。そして、そこで働くスタッフも成長し、豊かな人生を送ることができる。患者さん、スタッフ、そして医院のすべてが良くなるような組織をつくることが、私の目標です。

これから開業医を目指す先生へのメッセージ

—これから開業医を目指す先生や、同じような境遇の先生に向けてメッセージをお願いします。

開業すること自体をゴールにしないことが大切だと思います。開業は、あくまでもスタートです。歯科医師として優秀であることと、経営者として優秀であることは、必ずしも同じではありません。良い治療ができることはもちろん重要ですが、それだけで良い歯科医院ができるわけではありません。人材採用、教育、組織づくり、数字の管理など、経営者として学ばなければならないことは数多くあります。そして、何より大切なのは、自分がどのような歯科医院をつくりたいのか、明確な理想を持つことだと思います。理想がなければ、日々の忙しさや目先の問題に流されてしまいます。一方で、明確な理想があれば、困難な状況でも判断の軸を失わずに済みます。開業後も学び続け、変化を恐れず、理想に向かって挑戦し続けることが大切だと思います。

Profile

理事長 前畑 絢平

医療法人社団 ヨルソラ歯科クリニック 理事長。 2020年に国立徳島大学歯学部を卒業後、臨床経験を重ね、2023年に兵庫県三田市にて「ヨルソラ歯科クリニック」を開業。一人ひとりの患者に寄り添う包括的な治療方針と、組織的な医療提供体制の構築を両立させる。2026年にはさらなる質の高い歯科医療を届けるため「ヨルソラ歯科クリニック 三宮院」を開業し、同院長に就任。一般歯科から矯正、インプラント、審美歯科まで幅広く手がけ、地域医療の発展とスタッフ育成に情熱を注いでいる。

会社情報

医院名

医療法人社団 ヨルソラ歯科クリニック

設立

2023年

URL

ヨルソラ歯科クリニック: https://yolusora.com/

ヨルソラ歯科クリニック 三宮院: https://yolusora.clinic/