地域に根ざした予防歯科の未来を創る・仲六郷ひろの歯科医院・廣野大司院長インタビュー
2026.04.27
心臓外科部長から、街の「かかりつけ医」へ。執刀医が選んだ地域医療の道
みよしうちだハートクリニック
院長 内田 亘
愛知県みよし市に構える「みよしうちだハートクリニック」。2025年の開院以来、心臓血管外科の高度な専門性を持ちながらも地域住民が気軽に相談できる「街のかかりつけ医」として親しまれているのが、院長の内田 亘先生です。 長年、名古屋大学医学部附属病院やトヨタ記念病院の心臓外科部長として数多くの難手術を執刀してきた内田先生。なぜ、最前線の執刀医から地域医療の道へと進んだのか?本記事では内田先生の医師としての原点から、クリニックに込めた想い、そして患者さまと向き合う誠実な姿勢について詳しくお伺いしました。
—さっそくですが、内田先生が医師を志したきっかけについて教えてください。
小学5年生の頃に母親が甲状腺がんを患い、親戚の叔父が手術をして救ってくれたことがきっかけです。叔父の執刀で母が助かる姿を見て以来、自分も外科医になりたいという目標が揺らぐことはありませんでした。
—心臓外科医としてキャリアを積まれる中で、なぜ開業という道を選ばれたのですか?
大病院の執刀医として救える人数には限りがあります。もっと多くの人と接し、自分の知識や技術を地域に還元したいと考えました。心臓外科での全身精査の経験は、内科・外科を問わず頭から足先までを診る力として地域医療に必ず活かせると確信していました。
—開院されて約1年ですが、現在どのようなクリニックを目指されていますか?
スタッフの多くが以前の職場の仲間で、非常にアットホームな雰囲気です。気心の知れたメンバーだからこそ、患者さまが「ここに来てよかった」と心から安心できる信頼関係を大切にするクリニックを目指しています。
—診療において、特に大切にされていることは何ですか?
患者さまの話を「よく聞くこと」です。診察時間が長くなってしまうこともありますが「何を目的に来院されたのか?」「お薬が欲しいのか?」「原因を知って安心したいのか?」など、その意図を汲み取ることを最優先しています。
—遠方から来院される患者さまも多いとお聞きしました。
はい、高速を使って100km離れた場所から来られる方もいます。「他で分からなかった原因がここに来て分かった」と言っていただけることが非常に嬉しく、遠方の方も継続して通ってくださるのは大きな励みになります。
—専門的な検査体制についても教えてください。
心臓だけでなく首や腹部、足の血管までエコーで詳細に診ています。看護師や技師にも専門的な技術を共有し、個人病院でありながらもチーム全体で全身の疾患を見落とさない質の高い診断体制を整えています。
—病院勤務時代とは違う、開業医ならではの苦労はありますか?
やはり経営面での舵取りですね。スタッフの士気を高めるためにインセンティブを導入していますが、待遇面を厚くしすぎではないかと税理士さんからアドバイスをいただくこともあります(笑)。それでも、スタッフが辞めずに笑顔で働き続けてくれる環境作りが、巡り巡って患者さまへの良い医療に繋がると考えています。
—高額な医療機器の導入についても、こだわりがあるそうですね。
CTなどの大型機器は維持費もかかり、経営的には慎重な判断が求められます。しかし、患者さまの利便性や正確な診断のためには欠かせない先行投資だと考えています。業者に任せきりにせず自分なりに納得のいく医療環境を追求しています。
—日々の診療の中で、どのような瞬間にやりがいを感じますか?
見逃されていた心不全や不整脈などの病気を指摘できた時や、患者さまから直接感謝の言葉をいただいた時です。専門医としての誇りを持ちつつ、街の医者として患者さまの不安を解消できた時に開業してよかったと心から感じます。
—今後、特に力を入れていきたい取り組みは何でしょうか?
地域向けの「市民健康講座」です。先日も定員を上回る方にお集まりいただきましたが、今後も定期的に開催し、心疾患や下肢静脈瘤の予防・早期発見の大切さをより広い範囲の方に伝えていきたいと考えています。
—内田先生が掲げる「断らない医療」とは何ですか?
自分の専門外に見える症状でも、まずは診るという姿勢です。とりあえず来ていただき、その上で必要なら適切な専門病院へ責任を持って紹介する。地域の方が「まずはここへ行けば大丈夫」と思える最初の窓口であり続けることが私の信念です。
—最後に、これからの目標を教えてください。
現在は一人で診療していますが、将来的には医師を数名に増やしクリニックの体制を拡大したいです。休みなく働いている現状を改善しつつ、地域の「救える命」を一つでも増やせるように、さらに多くの患者さまを支えられる強固な医療体制を構築したいですね。
Profile
院長 内田 亘
2005年名古屋市立大学医学部卒業後、豊田厚生病院や名古屋掖済会病院で心臓血管外科の研鑽を積む。2018年名古屋大学大学院を卒業し、同大学病院の助教、講師を歴任。2022年よりトヨタ記念病院心臓外科部長として活躍。2025年、より多くの患者さまに寄り添う医療を提供するため「みよしうちだハートクリニック」を開院。専門医としての確かな技術と、患者さまの声を丁寧に聞く姿勢で地域医療に貢献している。