Interviewインタビュー

きたがわUIクリニック・北川育秀院長が、確かな専門性と温かなおもてなしで築く、地域医療の新たな架け橋。

きたがわUIクリニック

院長 北川 育秀

石川県小松市に新しく開院した「きたがわUIクリニック」。院長を務める北川育秀先生は、長年にわたり大学病院や基幹病院の泌尿器科で最前線の医療に携わってこられた、経験豊富な専門医です。さらに、医療現場のマネジメントを深く学ぶためにMBA(経営管理学修士)も取得されるなど、多角的な視点から医療を見つめてこられました。今回は北川先生に、医師を志したきっかけから、50代半ばを過ぎてから一念発起した開業への想い、そしてクリニックの設計や設備に込めたこだわりのエピソードまで、じっくりとお話を伺いました。

地域に捧げる泌尿器科医療の理想像。きたがわUIクリニック・北川育秀院長インタビュー

医師としての原点と、周囲に刺激を受けた学生時代

まず初めに、北川先生が医師を志したきっかけや経緯についてお聞かせください。

私は子供の頃、小児喘息を患っておりまして、どちらかというと病気がちだったんです。そのため病院にお世話になる機会が非常に多く、幼いながらも「将来は自分もこういう病院で働く仕事がしたいな」と自然に思うようになりました。それに加えて、少年時代に読んだ漫画の『ブラック・ジャック』や、昔のテレビドラマの『白い巨塔』などを観て刺激を受け、医療の世界への憧れや興味がさらに強くなったことも大きな理由ですね。

ご家族やご親戚に医療関係者の方がいらっしゃったのでしょうか?

身内に医療従事者は一人もいないんですよ。父親はごく普通のサラリーマンで、ごく一般的なサラリーマン家庭で育ちました。ですから、完全に自分自身の経験や、本・テレビといったカルチャーからの影響で医師という職業に興味を持ちました。

その後、具体的に「医学部を目指そう、医師になろう」と決意されたのはいつ頃でしょうか?

明確に意識したのは高校生になってからですね。進学した高校がいわゆる進学校で、周囲の同級生たちも「医師になりたい」「公認会計士を目指す」「将来は社長になるんだ」といった高い志や目標を持っている環境でした。そんな仲間たちに囲まれていたので、自分が「医学部に行く」と言っても全く不思議ではない、むしろそれが自然なことだと思える素晴らしい環境に恵まれたことが、一歩を踏み出す後押しになりました。

55歳での決意と新たな挑戦

先生はこれまで多くの基幹病院に勤務され、前職の小松市民病院では診療部長などの管理職も務められていました。そこから「開業しよう」と思われたきっかけは何だったのでしょうか。

前任の病院で管理職になったのが52歳の時でした。ちょうど世の中がコロナ禍に突入した時期で、当初はコロナ対応などを含めて「まずは目の前の病院の仕事をしっかり全うしなければならない」と必死に役割を果たしました。その後、コロナ禍が少し落ち着いた55歳の頃、自分のこれからの人生や、定年を迎えた後の生活について個人的につらつらと考える機会があったんです。

ネガティブな理由ではなく、今後の人生を前向きに見つめ直した上での決意だったのですね。

そうですね。「あと10年弱で定年を迎えてそのまま仕事を辞めてしまうのは、少し寂しいな」と感じまして。もしその先も長く医師として仕事を続けるのであれば、どこかに雇用され続けるよりも、自分のクリニックを立ち上げる「開業」という選択肢が良いのではないかと考え始めました。ちょうどそのタイミングで、私よりも年上の知り合いの先生が新しく開業されたというお話を耳にし、「あ、この年齢からでも十分に新しい挑戦ができるんだ」と勇気をいただき、人生のラストチャンスだと思って開業を決意しました。

現在のスタッフの皆さんとの体制についてもお伺いできますか?

現在は私を含めて、看護師が常勤3名とパート1名、事務員が2名、そして時々妻が事務の手伝いに入ってくれており、全体で7〜8名の体制です。

「みんなにこにこ」を掲げる診療理念と、こだわり抜いたクリニック設計

先生が普段の診察で、患者様と接する際に最も意識されていることは何でしょうか。

とにかく「分かりやすく、優しく、穏やかに接すること」です。泌尿器科というデリケートな分野の性質上、特に女性の患者様などは「怖い先生だったらどうしよう」「行きづらいな」と不安を抱えて来院される方がとても多いんです。ですから、少しでもその緊張を和らげ、安心して何でもお話ししていただけるような雰囲気づくりを、スタッフ一同で常に心がけています。

クリニックの経営や診療における「理念」についても教えていただけますか。

ホームページにも掲げていますが、私たちの理念は非常にシンプルで「みんなにこにこ」です。患者様はもちろんのこと、ここで働くスタッフも、そして私自身も、医療を通じてみんなが笑顔になれるようなクリニック経営と診療を目指しています。

外観も内観もとてもスタイリッシュで素晴らしい建物だと評判ですが、設計にはどのようなこだわりがあるのでしょうか?

これは本当にご縁に恵まれた結果なんです。開業を考えていた際、すでに開業している後輩の先生に相談したところ、そのクリニックを手掛けたデザイナーさんを紹介してもらいまして。打ち合わせを重ねていく中で、私の頭の中にある理想のイメージと、デザイナーさんの提案がピタリと一致してこの形になりました。

開業にともなう苦労と、大病院に負けない先進的な医療設備の導入

開院されて現在2ヶ月目とのことですが、これまでに一番大変だったことや苦労されたエピソードなどはありますか?

実は、開院してから今日にいたるまでは、周りの手厚いサポートのおかげで「本当に困った」というほどの大きなトラブルはほとんどないんです。むしろ、大変だったのは「開業する前」ですね。地方での戸建て開業ということもあり、まずは資金調達や融資の面で非常に苦労しました。また、現在のクリニックは小松市民病院からも近い場所での開業でしたので、周囲にあまり早く情報が漏れてしまうと差し障りがあるという事情もあり、すべての内定や場所が完全に確定するまでは、周囲に少しずつ慎重に伝えていかなければならず、そのスケジュール管理や準備を自分の通常業務と並行して進めるのが精神的にも体力的にも一番タフでしたね。

北川先生のこれからの「夢」や「今後の展望」をお聞かせください。

小松市は人口約10万人ですが、実は単独の泌尿器科クリニックは当院を含めてまだ2件しかありません。だからこそ、地域にしっかりと根ざし、おしっこの悩み、がん、尿路結石など、泌尿器科全般のトラブルに幅広く貢献していきたいです。また、当院は戸建ての強みを活かし、感染症の発熱患者様が車に乗ったまま安全に受診・検査ができる「ドライブスルー方式」に対応できるような通路と設計をあらかじめ裏手に確保しています。冬場や雨の日の発熱外来でもスタッフや患者様が負担なく安心して医療を受けられる体制を整え、地域の基幹病院とも密に連携を取りながら、クリニックでできる最善の医療を尽くしていきたいと考えています。 そして何より、私自身の個人的な夢としては、「体が元気なうちは、できるだけ長く現役の臨床医として患者様を診続けたい」。これに尽きますね。定年がないのが開業医の良さですから、一歩一歩、この街の皆さまと共に笑顔で歩んでいきたいと思っています。

最後に、これから開業を目指す、あるいは一歩を踏み出そうとしている医師の先生方へ、メッセージやアドバイスをお願いします。

私自身、50代半ばを過ぎてからの「ラストチャンス」としての挑戦でした。実際に動いてみて強く感じたのは、開業というものは誰かに「させてもらう」ものではないということです。「いつかできたらいいな」というなんとなくの気持ちでは、日々の忙しい診療の中で準備は絶対に前に進みません。土地探しや資金調達、建物の設計など必要なことばかりです。だからこそ、「絶対に開業するんだ」というブレない強い意志を持って覚悟を決めること。それさえあれば、道は必ず開けますし、熱意に共感して助けてくれる仲間や業者さんも現れます。強い意志を持って、ぜひ理想の医療に向かって進んでいってほしいですね。

Profile

院長 北川 育秀

1987年福井県立藤島高等学校卒業、1993年金沢大学医学部卒業。同年、金沢大学医学部附属病院泌尿器科に入局。1999年に同大学大学院を修了し医学博士号を取得。その後、国立金沢病院(現・金沢医療センター)勤務を経て、2002年より米国ミシガン大学癌センターへ客員研究員として留学。帰国後は石川県立中央病院泌尿器科医長、厚生連高岡病院泌尿器科医長、金沢大学附属病院泌尿器科の助教・講師を歴任。2017年より小松市民病院泌尿器科の担当部長を務め、2019年には英国アングリアラスキン大学大学院にて経営管理学修士(MBA)を修了。2020年に小松市民病院の診療部長に就任。長年にわたり地域の中核病院で泌尿器科医療を牽引したのち、2026年、石川県小松市に「きたがわUIクリニック」を開院、同院長に就任。高い専門性とMBAを活かした先進的なクリニック経営で、地域に笑顔を届ける医療を提供している。

会社情報

医院名

きたがわUIクリニック

設立

2026年