地域に根差した「医療完結型」クリニックへの挑戦–田中整形外科まりこ眼科 田中 稔一郎インタビュー
2026.03.04
救急の最前線から、豊島区の「かかりつけ医」へ。池袋かめさん内科・亀山大介院長が目指す、スタッフと共に歩むワンストップ医療の理想形
医療法人社団恵修会
理事長 亀山 大介
東京都豊島区、目白駅からほど近い場所に位置する「池袋かめさん内科」。院長を務める亀山大介先生は、開成高校から琉球大学医学部へと進み、救命救急センターや厚生労働省での勤務など、非常に多彩な経歴をお持ちのドクターです。その豊富な知識と経験を活かし、現在は地域住民の健康を支える「町のお医者さん」として、内視鏡検査や超音波検査を含む精度の高い医療を提供されています。 今回は亀山大介院長に、医師を志したきっかけから、クリニックを継承された経緯、そして経営者として大切にされている想いについて詳しくお話を伺いました。地域医療への熱い情熱と、スタッフへの温かな眼差しが印象的なインタビューをお届けします。
—まず、亀山先生が医師を志したきっかけを教えてください。
きっかけは、学生時代に経験した阪神・淡路大震災や地下鉄サリンテロでした。安全安心を揺るがす大きな出来事でした。それらを目の当たりにする中で、「自分も社会の安全安心を守る人間になりたい」という想いを抱いたのが原点です。
—当時は他にも検討されていた進路はあったのでしょうか?
そうですね。公のための仕事に就きたいと思ったので防衛大も受験しました。最終的には救急・災害医療の道に進みたいと考え医学部への進学を決めました。
—子供の頃から「お医者さん」に憧れていたわけではなかったのですね。
中高は鉄道研究部、将来は鉄道の仕事に就きたいと思っていた時期もありました。今でも鉄道は好きですが、厚労省時代には危機管理業務で国交省や鉄道事業者の方とご一緒することがあり、それをきっかけに実際に鉄道を支えている皆さんとも懇意にしていただいているところです。医療も行政もインフラに携わる人達も公を支える同志と感じています。
—琉球大学卒業後、沖縄での研修生活はいかがでしたか?
沖縄はのんびりした文化という印象がありますが、医療現場は非常にハードです。24時間多くの患者さんが来院するため、医師としての体力や臨床力を鍛えられました。沖縄県立宮古病院ERや浦添総合病院救急救命救急センターでの経験は、今の私の医療技術の土台になっています。
—その後、救急医療や行政の仕事をされていますが、なぜ開業(継承)の道を選ばれたのですか?
沖縄で後期研修まで修了し、救急科専門医を取得。その後日本医科大学千葉北総病院でドクターヘリの研修および災害医療DMATの隊員として救急災害医療の研鑽を積みました。日本医科大学千葉北総病院救命救急センターで3年過ごしたあと、出向で厚生労働省医系技官として国の医療制度に携わりました。救命救急センターの評価指標の策定やドクターヘリの全国配備といった施策を、救急医学会や災害医学会の先生方と共に決定していくのは大変ダイナミックな経験で医療全体の仕組みを知るよいきっかけとなりました。出向期間が終わるタイミングで、ちょうど教授が定年退官されたことと継承の話をいただいたので大学に戻らずこのクリニックを引き継ぐことに決めました。
—実際に地域医療と、救急医療との違いは感じますか?
救急医療と地域医療は専門科がわからない状態で受診される方々が多く受診されます。これは初期治療に何が必要か、初期治療がすんだらどの専門科に紹介するか、という点が共通しています。都市部では医療の分業が進んでいるからこそ、まずはここで何でも相談に乗る「入り口」としての役割が重要だと再認識しています。
—「経営者」という立場になり、特に苦労されている点はありますか?
やはり「採用」と「マネジメント」ですね。これはどのクリニックの院長も同じ悩みを抱えていると思いますが、組織を安定させる難しさは常に感じています。幸い、今は非常に優秀で安定したメンバーに恵まれており、スタッフへの不安がない状態で診療に集中できています。
—スタッフとの関係性において、意識されていることはありますか?
何よりもスタッフを一番に大切にすることです。彼らとの良好な関係を築き、適切に処遇していくこと、スタッフが笑顔で働ける環境が、質の高い医療提供につながります。
—今後、クリニックをさらに拡大していく予定はありますか?
規模を大きくするよりも、質の担保ができる範囲で、いかに医療の質を高めるかを重視しています。地域に必要とされる役割をしっかりと果たしていきたいです。
—こちらのクリニックの最大の「強み」を教えてください。
当院に来れば一通りの診断が完結する「ワンストップ」医療です。内視鏡、超音波、採血検査、提携先での迅速なCT・MRI撮影が可能ですのでそうした検査も駆使して、治療の方向性をお示しできるのが強みです。
—診療の際に、亀山先生が常に心がけていることは何ですか?
「知識をアップデートし続けること」です。地域のかかりつけ医であっても、最新の医療レベルを維持しなければなりません。医師会や学会の勉強会には積極的に参加し、ガイドラインをしっかり診療に取り入れるよう意識しています。
—最後に、開業を志す先生方や地域の方々へメッセージをお願いします。
今の時代、特に都内での開業はレッドオーシャンと言われるほど厳しい環境です。だからこそ、奇をてらうのではなく、誠実に地域に根ざし、スタッフや利用者との関係を大切にしながら、王道の医療を積み重ねていくことが大切だと思います。池袋かめさん内科は、これからも地域の皆様に「ここに来れば大丈夫」と思っていただける場所であり続けたいと思います。
Profile
理事長 亀山 大介
池袋かめさん内科 院長。 平成9年開成高校卒、平成18年琉球大学医学部卒。琉球大学病院初期研修医(那覇市立病院・北部地区医師会病院・沖縄県立宮古病院ローテ―ト)、浦添総合病院救命救急センター後期研修医、その後日本医科大学千葉北総病院助教として救急災害医療と消化器内視鏡の研鑽を積む。平成26年から厚生労働省大臣官房厚生科学課原子力災害対策調整官、医政局地域医療計画課救急医療対策専門官として国の医療行政に携わる。平成28年よりクリニック安田(現:池袋かめさん内科)勤務、平成30年に院長就任。救急医療で培った迅速な判断力と、行政経験で得た広い視野を活かして地域医療に従事している。