医療の未来をデジタルで切り拓く!病理診断の課題に挑む熱い思い–【LUMIPATH Clinic】四十物 絵理子 院長インタビュー
2026.04.01
「大学病院レベルの専門性を、もっと身近に。」原内科医院・原健一郎院長が紡ぐ、地域に寄り添う医療のカタチ
原内科医院
院長 原 健一郎
群馬県伊勢崎市に位置する原内科医院。地域の方々に長く愛されてきたこのクリニックを継承し、新たな息吹を吹き込んでいるのが院長の原健一郎先生です。原院長は、呼吸器・アレルギー疾患のスペシャリストとして、大学病院や海外留学で培った高度な専門知識を持ちながらも、「まずは患者さんの話を丁寧に聞くこと」という医師としての原点を何よりも大切にされています。地域のかかりつけ医としての親しみやすさと、専門外来に匹敵する質の高い医療。一見、相反するようにも思える二つの要素をどのように両立させ、どのような想いで日々の診療に向き合っているのか。原内科医院の未来、そして原健一郎先生が見据える理想の医療について、詳しくお話を伺いました。
—まずは、原先生が医師を志したきっかけを教えてください。
一番のきっかけは、同じく医師としてこの医院を運営していた父の存在です。その働く姿を間近に見て育ちましたから。実は高校1年生までは文系で、弁護士などを目指していた時期もあったのですが、やはり「より直接的に人の役に立ちたい」という想いが強くなり、高校2年生で理系に転向して医学の道へ進むことを決めました。
—大学病院や海外留学など、長く研鑽を積まれてきましたね。
はい。医師免許取得後も群馬大学医学部付属病院に長く在籍し、アレルギー疾患などの研究に没頭していました。2010年からはアメリカのメイヨークリニックへ留学し、さらに基礎研究を深める機会にも恵まれました。最先端の医療に触れる日々は、今の私の礎になっています。
—研究者の道ではなく、継承・臨床の道を選ばれたのはなぜでしょうか。
大学病院で研究を続ける中で、自分にとって最も「しっくりくるもの」を自問自答したんです。その答えが、目の前の患者さんを診察し、直接お役に立つことでした。研究も重要ですが、私はやはり臨床の現場が一番好きなんですね。それが、父の跡を継いで地域医療に身を投じる最大の決め手となりました。
—先生の専門である呼吸器・アレルギー内科では、どのような疾患を診られていますか?
特に気管支喘息(きかんしぜんそく)に関しては、基礎研究から臨床まで深く関わってきました。現在も週に一度は大学病院で専門外来を担当しており、当院でも間質性肺炎や膠原病に伴う肺疾患など、一般的なクリニックでは対応が難しい特殊な病態の患者さんも多く診ています。
—呼吸器以外の疾患についても、幅広く対応されているのでしょうか。
もちろんです。地域のかかりつけ医として、生活習慣病である糖尿病や高血圧などの診療も大切にしています。私の父が循環器の専門だったこともあり、呼吸器と循環器の両面から患者さんの全身を包括的に診ることができる点は、当院の大きな特徴と言えるかもしれません。
—専門医として、どのような治療環境を目指されていますか?
一言で言えば「大学病院レベルの診療を、クリニックという身近な場所で提供すること」です。例えば、心臓の検査に必要な心臓エコー検査なども自ら行いますし、高度な専門性を必要とする呼吸器疾患やアレルギー疾患に対しても、最新の知見に基づいた確かな治療を届けたいと考えています。
—診療において、原先生が最も意識されていることは何ですか?
何よりも「患者さんの訴えをよく聞くこと」です。最近の医療現場はデータに頼りがちですが、私は一人ひとりの話をしっかり聞き、必ず自分の手で血圧を測り、聴診器を当てます。患者さんが感じている不安に耳を傾けることが、正しい診断への第一歩だと信じているからです。
—丁寧な説明も、先生の診療の大きな特徴だと伺いました。
病気や治療について、患者さんが納得できないまま進めることはありません。専門的な内容は分かりにくいことも多いため、時には何度も繰り返し、患者さんが心から納得されるまでお話しします。「気のせい」で片付けるようなことはせず、徹底して向き合うのが私のスタイルです。
—スタッフの方々の教育や採用については、どのような想いをお持ちですか?
スタッフにも「患者さん第一」の視点を求めています。採用では苦労した時期もありましたが、現在は信頼できるメンバーが揃っています。特に呼吸器疾患の治療には吸入指導などの専門的な介入が不可欠ですので、看護師や事務スタッフとの連携を強化し、チーム全体で患者さんをサポートできる体制を整えています。
—近々、クリニックのリニューアルを予定されているそうですね。
はい。5月からは院外処方へ移行し、6月からは建物のリフォームを開始します。長年使ってきた建物ですので、リフレッシュすることで患者さんにより快適な環境を提供したいと考えています。これは、私が理想とする医療を実現するための、新たなスタートラインでもあります。
—今後、特に力を入れていきたい取り組みはありますか?
地域の基幹病院や他科の先生方との「病診連携」をより一層深めていきたいです。クリニックで完結できないことは病院へ、逆に病院での治療が落ち着いた方は当院へ。医師同士のコミュニケーションを密にすることで、地域全体の医療の質を向上させる一助になりたいと考えています。
—これから開業を目指す、あるいは地域医療を志す若手の医師へアドバイスをお願いします。
自分が培ってきた「専門性」という武器を大切にしてほしいです。地域医療というと幅広さが求められますが、その中に一本、確かな専門性の軸があることは強みになります。それをいかに「相談しやすい形」で地域に還元できるか。プロ意識と寄り添う心があれば、道は必ず開けます。
Profile
院長 原 健一郎
群馬大学医学部を卒業後、同大学医学部附属病院の内科へ入局。2010年から2013年にかけて、世界最高峰の医療機関の一つであるアメリカのメイヨークリニックへ留学し、アレルギー疾患や呼吸器疾患の基礎研究に従事する。帰国後、大学病院や関連病院での勤務を経て、父が営む原内科医院を継承し院長に就任。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会専門医、日本アレルギー学会専門医などの資格を持ち、現在も大学病院での専門外来を兼任するなど、常に最新の医学知見を取り入れた診療を行っている。地域のかかりつけ医として幅広い疾患に対応する傍ら、呼吸器疾患のスペシャリストとして全国から訪れる患者の信頼に応え続けている。