Interviewインタビュー

医師の信念と未来への展望

大阪ブレストクリニック

院長 芝 英一

乳がん治療は、医療技術の進歩とともに常に進化を続けています。その最前線で長きにわたり、患者様一人ひとりに合わせた質の高い医療を提供し続けているのが、大阪ブレストクリニックです。本日は、2005年の開院以来、乳がんの早期発見から最新の治療、そして術後のフォローアップまでを一貫して提供し、多くの患者様からの信頼を集める芝 英一院長に、医師を志したきっかけや、経営における信念、そして未来への展望について詳しくお話を伺います。多忙な日々の中で、芝院長が大切にしている医療への情熱と、クリニックが目指す理想の姿に迫ります。

乳がん診療の最前線で、患者様とともに歩む–大阪ブレストクリニック 芝 英一 院長インタビュー

医師を志した原点と乳腺外科への道

芝先生が医師を志された、最も大きなきっかけについてお聞かせいただけますでしょうか?

一番大きなきっかけは、私が幼い頃に父親を亡くし、母子家庭で育ったことです。当時の担任の先生から「母子家庭の子供は良い会社に就職できない」と言われたことが強く心に残りました。それならば、会社員ではなく、専門の資格を取って一生働ける仕事をしようと考えたのです。それで、医師を目指すことになりました。

大病院でご活躍された後、2005年に大阪ブレストクリニックを開院されましたが、開業を決意されたのはどのような経緯からでしょうか?

開業前は大阪厚生年金病院で乳腺・内分泌外科部長を務めており、医師二人体制から最終的には四人体制になり、年間200例以上の手術を行うなど実績を上げました。しかし、大病院では組織のしがらみや制約が多く、自分のやりたい医療を追求するには限界があると感じるようになったのです。それならば、自分で開業した方が、思い描く医療を患者様に提供できるのではないかと考え、開院に至りました。

現在、先生の専門領域は乳腺外科に特化されていますが、他の専門分野も扱われていた時期はありますか?

以前は、乳がんに加えて甲状腺の腫瘍など、内分泌外科の治療も行っていました。しかし、乳腺外科の診療だけに集中しないと、他の疾患を扱うことで中途半端になるという思いから、今は乳がん診療に特化しています。ただし、今でも甲状腺の患者様の診察は多くしており、年に数例ほど手術を行なっております。

クリニックの信念と質の高い医療体制

クリニックを運営していく上で、院長が掲げる経営理念や信念についてお聞かせください。

当院では、朝の朝礼で必ず「当院は安全で快適な最新の乳がん診療を提供します」という理念を皆で唱和しています。これが、揺るぎない私たちの指針です。常に最新の知見や技術を取り入れるため、海外の学会へ足を運んだり、職員向けの勉強会で英語の論文を読み込んで共有するなど、知識のアップデートを徹底しています。

現在、医師の数も多く、充実した診療体制を維持されていますが、患者様の増加に対して、どのように対応されていますか?

当院には、私以外に11名の乳腺外科医が在籍し、うち10名が専門医の資格を持っています。これは大学病院にも負けない体制だと考えています。そのため、患者様が増えても、医師の数と専門性を活かして十分に対応できるキャパシティがありますので、ご安心ください。

芝先生は、乳腺の健診と診療を分けて運営されていた時期もあると伺いました。それはなぜでしょうか?

乳がんの患者様は、診断や今後の治療について説明する際に時間が必要です。一方で、健診で来られる健康な方は、時間通りにサクサクと進めてほしいという要望が強い傾向があります。病気の患者様と健診の方を同じ場所で同時に診察すると、両者にとって不都合が生じるため、以前は分けていました。今は一体型の体制ですが、それぞれのニーズを考慮した対応を心がけています。

地域連携と患者様との信頼構築

どのような経路で患者様が来院されることが多いのでしょうか?

主に三つのルートがあります。一つ目は、当院のホームページなどのウェブサイトを見て来院される方です。二つ目は、検診などで「精密検査が必要」と指示され、紹介で来られる方。三つ目は、近隣の乳腺専門クリニックなどから、手術やより高度な治療が必要と判断されて紹介されるケースです。

ウェブサイトの重要性について、先生のお考えをお聞かせください。

ウェブサイトは、当院のことを全く知らない方に知ってもらうための重要な窓口であり、遠方の方にとっては特に大切です。開業当初、駅の看板やバスの広告なども試しましたが、費用対効果が最も高かったのはウェブサイトでした。自分の医療に対する思いやクリニックの特徴を直接発信できるのが、ウェブサイトの強みだと感じています。

開業されてから20年近くの中で、医師として一番嬉しかったこと、幸せを感じる瞬間についてお聞かせください。

やはり、娘が私の後を追って乳腺外科医になったことですね。娘は神戸大学から阪大の乳腺外科に入局し、現在9歳と1歳の子育て中ですが、当院の中堅医師として頑張って仕事をしています。同じ分野で、親子で一緒に手術ができるというのは、なかなか経験できることではないので、非常に嬉しく思っています。

経営の教訓と未来を見据えた体制づくり

開業からこれまでで、最もご苦労されたことや辛かったことは何でしょうか?

一番辛かったのは、やはりスタッフの突然の離職です。3人や5人ほどで診療している体制で「辞めたい」と言われると、今後の診療体制をどうするかで非常に苦慮します。しかし、その都度、周りの協力も得て、なんとか乗り越えてきました。

今後、2〜3年を見据えたクリニックの目標や、どのような体制を目指したいとお考えでしょうか?

私はもう70歳を過ぎましたので、今の良い状態を継続できる体制づくりが最も重要だと考えています。私が第一線から退いた後も、クリニックが安定して運営できるように、後継者やスタッフがスムーズに引き継ぎ、地域医療に貢献し続けられる仕組みを作っていくことが、今の私の最大の使命だと感じています。

これから開業を目指す医師や、同じ境遇で奮闘している先生方へ、経験者としてのアドバイスをお願いします。

私は開業当初、お金の計算をせずに突き進んでしまい、税理士から「このままでは潰れますよ」と言われたほど大変な思いをしました。ですから、まずは損益分岐点をしっかりと考えて、計画を立てることが非常に重要です。また、立地も大切です。そして、地域のクリニックや病院と連携し、「この病気だったらこの先生に」と紹介してもらえるような信頼関係を築くことが、成功への鍵となります。

Profile

院長 芝 英一

大阪ブレストクリニック院長の芝 英一 先生は、乳腺外科の分野で長年のキャリアを持つベテラン医師です。1977年に大阪大学医学部を卒業後、同大学医学部附属病院の第2外科に入局。西宮市立中央病院、大阪府立成人病センターなどでの経験を積み、1986年にはハーバード大学医学部への留学を果たします。帰国後、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科助教授を務め、2000年からは大阪厚生年金病院で乳腺・内分泌外科部長としてご活躍されました。そして2005年に大阪ブレストクリニックを開院。これまでの豊富な経験と知識を活かし、患者様が「安全で快適な最新の乳がん診療」を受けられるよう、日々尽力されています。その卓越した技術と温かい人柄で、乳がん患者様のより良い未来を支え続けています。

会社情報

医院名

大阪ブレストクリニック

設立

2005年