「怪我を理由に夢を諦めさせない」科学的根拠に基づいた治療でアスリートの未来を拓く――「夢」整形外科スポーツクリニック 岡崎史朗院長
2026.02.12
「薬を出すだけが医療ではない」――サクラクリニック・野田泰永院長が描く、地域医療とヘルスケアの新たな融合
サクラクリニック
院長 野田 泰永
名古屋市天白区一つ山。閑静な住宅街に佇む「サクラクリニック」は、地域の方々の健康を守る拠点として長年親しまれています。院長を務める野田泰永先生は、大学病院や国立病院医療センターなどで循環器外科・消化器外科の最前線に立ってきた経験豊富なドクターです。しかし、野田院長が現在目指しているのは、単に病気を治すだけの場所ではありません。管理栄養士による食育、SNSでの発信、さらにはフィットネスジムの運営まで。従来のクリニックの枠を超え、「健康を創造する」という新たなミッションに挑み続ける野田泰永院長の熱い想いに迫りました。
—まずは、野田先生が医師を志したきっかけを教えてください。
一番大きかったのは、やはり父親が医師だったことですね。ただ、最初から無条件に「医師になるんだ」と決めていたわけではありません。高校生の頃は、外交官になりたいとか、パイロットになりたいとか、別の道に憧れた時期もありました。進路を考える中で、「社会の大きな組織の歯車になるよりも、自分がやったことがダイレクトに成果として現れ、それが周囲の人に認められる仕事がしたい」と強く思うようになったんです。自分自身の技術や判断が、目の前の人の役に立つ。そうした実感を得られる職業として、最終的に医学の道を選びました。
—大学ご卒業後は、循環器外科や消化器外科の第一線で活躍されてきましたね。
ええ。筑波大学を卒業後、帝京大学や東京女子医大、国立病院医療センターなどで、心臓血管外科や消化器外科の診療に明け暮れていました。外科医というのは、手術の結果が患者様の予後に直結する、非常に責任もプレッシャーもある現場です。そこで培った「結果にこだわる姿勢」や「全身を診る力」は、今の診療のベースになっていると思います。その後、東京厚生年金病院で外科医長を務めさせていただき、臨床経験を重ねていきました。
—その後、平成10年にここ名古屋市天白区で開院されました。この場所を選ばれた理由は何でしょうか?
ここは私が生まれ育った故郷なんです。天白小学校に通い、この街の空気を吸って大きくなりました。大学進学で一度地元を離れましたが、医師として独立するタイミングで、「自分が育った場所に恩返しがしたい」という気持ちが自然と湧いてきました。地域医療の現場では、患者様の生活背景を知ることがとても大切です。その点、昔から知っているこの土地で、地域の皆さんと共に歩んでいけることは、私にとって非常に意味のあることだと感じています。
—日々の診療において、どのような患者様が多く来院されますか?
やはり高血圧や脂質異常症(高コレステロール)、糖尿病といった生活習慣病の患者様が多いですね。年齢層で言うと、私と同世代かそれ以上の70代、80代の方が中心ですが、最近は40代、50代の現役世代の方も増えています。いわゆる「内科のかかりつけ医」としてイメージされる患者層と重なりますが、当院では単に数値を見て薬を処方するだけ、という診療はしていません。
—診療の中で、特に先生がこだわっているポイントはどんなところでしょうか?
「なぜその治療が必要なのか」という、将来を見据えた説明をすることです。生活習慣病の恐ろしいところは、血圧が高くてもコレステロールが高くても、今の時点では「痛くも痒くもない」という点です。自覚症状がないので、薬を飲むモチベーションが保ちにくい。だからこそ、「なぜ今、治療を続けなければならないのか」「放置すると5年後、10年後にどうなるのか」を、患者様の人生に寄り添って丁寧にお話しするようにしています。
—生活習慣の改善について、具体的にはどのようなアドバイスをされていますか?
薬を出して終わりではなく、食事や運動を含めたトータルの生活習慣を見直すようお伝えしています。ただ、医師が診察室で「痩せなさい」「運動しなさい」と言うだけでは、なかなか行動には移せません。そこで当院では、管理栄養士が数名在籍しており、具体的な栄養指導を行っています。患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせて、「塩分をどう控えるか」「タンパク質をどう摂るか」といった具体的な提案をすることで、無理なく続けられる体づくりをサポートしています。
—ホームページやSNSを拝見すると、料理動画の発信などユニークな取り組みをされていますね。
そうなんです。実は院内にキッチンスタジオのようなスペースがありまして、そこで管理栄養士が調理した健康レシピをInstagramなどで動画配信しています。例えば「鮭とキノコのクリームパスタ」など、美味しくて体に良いメニューを提案しています。私が細かく「これを作って」と指示するのではなく、栄養士たちが「今の患者様にはこういう情報が必要だ」と考えて、主体的に発信してくれています。患者様が自宅でも楽しみながら食生活を改善できるような、そんなきっかけ作りになれば嬉しいですね。
—先生ご自身もYouTubeで発信をされていると伺いました。
はい、実は一度YouTubeに挑戦して、あまり上手くいかずに挫折した経験があるんです(笑)。でも、「正しい医療情報を届けたい」という想いは消えなくて。東京までセミナーに通って勉強し直し、今年の1月から再スタートを切りました。「肥満症バスター・ヤス先生」として、台本作りから撮影まで、スタッフと協力しながら行っています。単に知識を話すだけでなく、どうすれば視聴者の心に届くか、試行錯誤の毎日ですが、非常にやりがいを感じています。
—驚いたのが、先生が「24時間フィットネスジム」も運営されていることです。
これは医療法人としてではなく、私個人としてオーナーを務めている事業です。「フィットプレイス24」というジムを、名古屋の金山や久屋大通などで運営しています。診察室でいくら「運動しましょう」と言っても、場所がなければ続きませんし、高額なジムでは敷居が高い。だからこそ、通いやすい価格で、質の高い運動ができる環境を自分たちで提供しようと考えたのです。食事と運動、そして医療。これらを点ではなく面で捉えて提供するのが、私の理想とするヘルスケアの形です。
—サクラクリニックの理念を「大切なものを守る」から「健康を創造する」へ変更されたそうですね。
はい。以前は「守る」という言葉を使っていましたが、これからはもっと能動的であるべきだと考えました。「病気ではない状態」が健康なのではなく、自分自身で前向きに食事を選び、体を動かし、より良い状態を作っていく。それが「創造する」という言葉の意味です。患者様が受け身の治療を受けるだけでなく、自らの人生を豊かにするために健康を創り上げていく、そのパートナーでありたいと強く願っています。
—最後に、野田先生が描く未来のビジョンや、患者様へのメッセージをお願いします。
私がよくスタッフや患者様に問いかける話があります。「80歳になった時、5億円もらえるボタンと、今すぐ1000万円もらえるボタン、どっちを押しますか?」と。究極の選択ですが、もし80歳で寝たきりだったり認知症だったりしたら、5億円あっても使えませんよね。でも、もし80歳で心身ともに健康で、自分の足でどこへでも行ける状態なら、その5億円で最高の人生を楽しめるはずです。
—ーなるほど。「80歳で5億円」を選べる体を作ろう、ということですね。
その通りです。 私は、皆さんに「80歳で5億円もらう方を選んで、人生を最高に楽しむ」という未来を目指してほしいんです。今の40代、50代のうちから健康を「創造」しておけば、年を取ることは怖くありません。高齢になってもやりたいことができ、毎日が充実している。そんな元気な高齢者で溢れる社会を作ることが、私の夢であり、サクラクリニックの目指すゴールです。
Profile
院長 野田 泰永
1962年生まれ。幼少期を過ごした愛着ある地元・名古屋市天白区にて、現在はサクラクリニックの院長を務めています。 東海中学・高校を経て筑波大学医学専門学群へ入学。昭和61年の卒業後は、帝京大学医学部付属病院や東京女子医大病院、国立病院医療センターなどの第一線で、循環器外科・消化器外科医として一刻を争う現場での研鑽を積んできました。平成4年からは東京厚生年金病院にて外科医長として活躍し、数多くの臨床経験を重ねています。 その後、平成10年に「地元への恩返し」という想いを胸に、住み慣れた天白区でサクラクリニックを開院しました。現在は「健康を創造する」という理念を掲げ、単なる病気治療にとどまらず、患者様の人生そのものを豊かにするための多角的なアプローチに情熱を注いでいます。