ながさかハートクリニック・長坂士郎院長に聞く、勤務医から継承開業への転機と理想のチーム医療
2026.05.26
徳島県安南市に根ざし、誰もが気軽に通える「小さな総合病院」を目指して。とみおかハートクリニック・數藤久美子院長の挑戦と未来への願い
とみおかハートクリニック
院長 數藤 久美子
徳島県阿南市に位置する「とみおかハートクリニック」。2024年8月の開業以来、子どもから高齢者まで幅広い世代の健康を支え、地域医療の新たな光となっています。今回は院長を務める數藤久美子先生にインタビューを実施。医師を志した原点から、クリニックを開業するに至った経緯、環境づくりや充実した設備についてお話を伺いました。「大病院に行かなくても、都会と同じレベルの医療を届けたい」と語る、數藤院長の熱い眼差しとその温かいお人柄に迫ります。
—まず初めに、數藤先生が医師を志したきっかけについてお聞かせください。
小さい頃からよく怪我をして病院にお世話になる機会が多かったことが挙げられますね。その時に、テキパキと処置をしてくれた先生に出会って「私も将来こんな風になりたいな」と思ったのが最初の原点です。
—その後、その夢はどのように明確になっていったのでしょうか?
成長するにつれて、アメリカの『ER』という医療ドラマをよく観るようになり、その影響で「やっぱりお医者さんってすごいな、なりたいな」という気持ちがより強くなっていきました。だいたい中学生くらいには「医師になる」という気持ちがはっきりとしていたと思います。
—では続いて、この「とみおかハートクリニック」を開業されたきっかけについて教えていただけますか?
実は、私の義理の父が心筋梗塞や脳梗塞を起こし、その後体調を崩して亡くなってしまったんです。その経験から、「もしあの時、心臓リハビリテーションなどをもっとしっかりと行えていたら、もっと寿命を延ばせたり、その後の生活の質を上げられたりしたのではないか」という強い思いを抱くようになりました。
—日々の診療や、患者様と接する際に意識されていることはありますか?
「できるだけ患者様のお話をしっかりと聞くこと」です。当院に来られる方は、皆さん色々な悩みを抱え、決死の覚悟で足を運んでくださる方も少なくありません。そういった不安を少しでも和らげたいと常に考えています。
—慢性疾患などを抱えている方は、病院に来るだけでも緊張されることが多いと聞きます。
そうなんです。例えば糖尿病などの慢性疾患をお持ちの方は、「数値が悪くなって先生に怒られるんじゃないか」と不安に思われていることも多いんです。そういった不安をなくし、誰もが気軽に何でも相談できるような温かい雰囲気づくりをスタッフ一同で心がけています。
—クリニックの運営面についてもお伺いします。現在、スタッフの皆さんは何名ほど在籍されていますか?
私を含めて、全体で10名ほどのスタッフが働いています。最近も看護師さんを増員したりして、現在は良いチーム体制が整っています。
—実際の患者様の年齢層はいかがですか?
本当に幅広くて、生後1ヶ月の赤ちゃんから90代の高齢者の方までお越しいただいています。当院は小児科も標榜していますので、お孫さんを連れてきたおじいちゃん、おばあちゃんが、自分自身の診察も一緒に受けていかれる、といった光景もよく見られますね。
—開業されてからこれまでを振り返って、一番苦労されていると感じる点はどこですか?
やはり「人を雇うこと」や「スタッフ間のマネジメント」の難しさですね。勤務医時代にはあまり意識しなかった経営や採用、スタッフ同士の相性といった問題には日々頭を悩ませていますし、毎日が試行錯誤の連続です。
—逆に、経営者であり院長である今、一番嬉しさや幸せを感じる瞬間はどんな時ですか?
患者様が診察に満足して、「ここに来て本当によかった」と言って帰ってくださる時です。勤務医時代と違って、今は経営面などもすべて自分で考えなければなりませんが、その分、自分が理想とする「患者様に寄り添った自由な診察」ができることに大きなやりがいを感じています。
—次に、直近の目標や、数年後にどのようなクリニックにしていきたいかというビジョンを教えてください。
開業してまだ2年弱ですので、地域の患者様との信頼関係はまだまだこれから築いていく段階です。生活習慣病をお持ちの方や、リハビリが必要な地域の方々に、もっともっと当院の存在を知っていただき、地域に定着していってもらいたいなと思っています。
—先生の最終的な夢を教えてください。
「ここに来たら、何とかしてもらえる」と地域の方々に思っていただき、誰もが気軽に足を運べるクリニックであり続けることです。これからも設備をしっかりと活かし、大病院や都会に負けない確かな医療を提供し、皆さんを笑顔にしていきたいです。
Profile
院長 數藤 久美子
とみおかハートクリニック院長。2012年に徳島大学医学部を卒業後、アメリカのテキサス大学医学部ヒューストン校への留学を経験。帰国後は鳴門病院、四国こどもとおとなの医療センターなどで研鑽を積み、徳島大学病院の特任助教に就任。2022年4月からは阿南医療センターに勤務し、2024年8月に「とみおかハートクリニック」を開業。専門である循環器内科の知見を活かし、地域に根ざした医療を提供している。