医師を志した原点から、地域に根差すクリニック開業までの歩み
2025.08.01
「流行」ではなく「本質」を。TRUE.ginza 院長 岩田 勇児先生が目指す、妥協なき誠実な美容医療
TRUE.ginza
院長 岩田 勇児
空前の美容ブームが巻き起こる中、SNS上の華やかな情報に惑わされず、患者さん一人ひとりと真摯に向き合い続けるクリニックがあります。それが、東京都中央区銀座に居を構える「TRUE.ginza」です。院長を務める岩田 勇児先生は、整形外科専門医としての確かな実績と深い知見を背景に、エビデンスに基づいた誠実な医療を提供し続けています。大手美容外科での院長経験を経て、なぜ真の美を追求する独自のクリニックを設立するに至ったのか。今回は岩田院長に、医師としての原点からクリニックの理念、そして妥協なき組織づくりへのこだわりまで、詳しくお話を伺いました。
—まずは岩田先生が医師を目指されたきっかけについてお聞かせください。
実は最初から絶対に医者になろうと強く決めていたわけではないんです。幼少期から絵を描くことや美術が得意で、周りからも褒められることが多く、漠然と美術系や美容師といった「美」や「手先を使う仕事」に憧れを抱いていました。転機となったのは中学3年生の時の三者面談です。成績が良かったこともあり、先生から「医学部への進学はどうですか?」と勧められたことが、本格的に医学の道を意識する第一歩になりました。そこから紆余曲折を経て、最終的に医学部を目指すことになったんです。
—美の道への憧れがありつつ医学部に入られてからは、順風満帆だったのでしょうか?
いえ、医学部に入ってからは周囲のレベルの高さに圧倒され、葛藤や悩む時期も多かったです。周囲に流されて入った感覚も少しあったので「本当にやりたかったことは何だろう」とモヤモヤすることもありました。ですが、学年が進むにつれて「やるからには良い医師になりたい」という思いが強くなり、2年生の終わり頃から猛勉強を始めました。
—卒業後の研修医時代や、整形外科医としてのキャリアはいかがでしたか?
卒業後は日本でもトップクラスの研修環境である聖路加国際病院で研修を受け、医師としての基盤をしっかりと築くことができました。その後は整形外科に進み、専門医を取得してチーフレジデントを務めるなど、外傷や手術の現場で研鑽を積みました。非常に大変な日々でしたが、この時期に培った技術と医療者としての土台が、今の自分の大きな自信になっています。
—整形外科専門医としてキャリアを積まれた後、美容医療の分野へ転身された理由を教えてください。
専門医を取得し、セカンドキャリアを考えた際、自分の原点である「美術」や「形態美」に関わる分野に携わりたいという思いが再燃したからです。整形外科で培った解剖学的な知見や手技を活かしつつ、より人々の見た目や心に寄り添う美容医療の世界へ進むことを決意しました。
—その後、大手美容外科の銀座院院長を経て、ご自身のクリニックを開業された経緯は何だったのでしょうか?
大手での経験は非常に勉強になりましたが、同時にビジネスとしての効率や売上を最優先するシステムに、自分の医療者としての倫理観とのギャップを感じるようになったんです。単なる「セールスマン」になるのではなく、医療としての正義を守り、患者さんに誠実に向き合いたい。その強い思いから、自分の理想を追求できる「TRUE.ginza」を開設いたしました。
—クリニックの運営スタイルのイメージについて、詳しくお聞かせください。
例えるなら、安易な薄利多売を目指すチェーン店のような形ではなく、サービスの質を極限まで高めた高級レストランを目指しています。患者さんの数を闇雲に追うのではなく、適正な価格で最高品質の技術と空間を提供し、心から満足していただくことを目標にしています。
—クリニックの組織づくりや採用において、岩田先生が最も重視していることは何ですか?
私たちが最も重視しているのは、技術や能力以上に「人間性」です。仕事のスキルはある程度現場で慣れていけば向上しますが、人間性や誠実さは大人になってから変えることが非常に難しいからです。どれだけ仕事ができても、他人に嫌な思いをさせるような人とは一緒に働くことができません。そのため、採用の段階からクリニックの理念や哲学に共感してくれる、裏表のないスタッフを集めるようにしています。
—スタッフの採用には、どのような手法やルートを活用されているのでしょうか?
実は、一般的な求人サイトなどは使わず、基本的に自分のInstagramを通じた募集だけで完結させています。SNSで日頃から僕の発信や考え方を見て、哲学に共感してくれた方が応募してくれるため、最初からミスマッチが少なく、自然と理念に合った優秀な人材が集まってくれるんです。
—スタッフとの日常的なコミュニケーションや教育で意識されている工夫はありますか?
上から指示を叩きつけるようなトップダウンではなく、「みんなで良いクリニックを作っていこう」というフラットな姿勢を意識しています。また、私自身が直接注意や指導をすると圧迫感を与えてしまうこともあるため、信頼できるマネージャーを通すなど、クッションを挟んで本質が正しく伝わるようなコミュニケーションの工夫も取り入れています。
—SNSでの情報発信において、意識されているポイントやスタンスを教えてください。
バズらせるための過激な内容や、見栄えだけを狙ったコンテンツは投稿しないようにしています。学術的な背景を大切に、情報の「質」と「正しさ」にこだわりを持っています。真面目な発信でロイヤルカスタマーを増やすのは時間もかかり大変ですが、嘘のない情報発信こそが長期的には一番の信頼につながると信じています。
—今後の「TRUE.ginza」が目指す将来のビジョンについてお聞かせください。
無理に店舗を拡大したり、ビジネス的な効率ばかりを追い求めるつもりはありません。それをやってしまうと、どこにでもある普通のクリニックになってしまいます。私が常に現場の最前線に立ち続け、自分の手が届く範囲で「誠実な医療」という理念をブレずに守り抜くこと。質の高い医療と接遇を提供し続け、患者さんからもスタッフからも長く信頼される存在であり続けることこそが、私たちが目指す真の姿です。
—最後に、これから開業医を目指す先生方や若い医師へ向けたメッセージをお願いいたします。
開業にあたっては、流行りやSNS上の見せかけに流されず、「自分はどんな医療を提供したいのか」「何のために開業するのか」という自分自身の軸や哲学(正義感)をブレずに持ち続けることが何より大切だと思います。 他人の目や周囲の環境に合わせるのではなく、自分自身の人生の主役として、己の信念や感性を信じて自由に突き進んでみてください。自分の軸を誠実に貫き通せば、必ずそれに共感してくれる患者さんや素晴らしいスタッフが集まり、医師として最大限に輝ける場所を築くことができるはずです。自分に誇りを持って、ぜひ理想の医療の場を目指して挑戦してほしいですね。
Profile
院長 岩田 勇児
2012年東海大学医学部卒業。在学中、医学部推薦入学奨学金および成績優秀者奨学金を授与・表彰される。同年、聖路加国際病院にて初期臨床研修(外科系)を開始し、2014年に同院整形外科へ入局。指導医としてBest Teacher賞を2年連続受賞(2014年・2015年)。その後、聖路加国際病院形成外科、がん研有明病院整形外科への国内留学を経て、2017年に聖路加国際病院整形外科チーフレジデントに就任。2019年日本整形外科学会専門医を取得。大手美容外科の銀座院スキン院長を経て、2023年に「TRUE.ginza」を開設。エビデンスに基づいた誠実な美容医療の提供に尽力している。